Hitachi

Hitachi System Information Capture リファレンス 


3.4.1 パケットキャプチャに関する定義(capture_definition)

形式

[capture_definition [-t "retrans_watchtime=再送パケットの待ち時間"]
                    [-f "ipaddr=キャプチャ対象のIPアドレス"]
                    [-r "[max_readsz=先読み最大サイズ]
                         [read_count=pcap形式ファイル読み込み回数]
                         [read_interval=再読み込み間隔]"]]

機能

パケットキャプチャ全般に関する定義です。

指定数

01

オプション:-t

retrans_watchtime
設定値と省略値

〈符号なし整数〉(0〜60000)《600》(単位:ミリ秒)

説明

パケットロスト検知時におけるロストパケットの再送待ち時間をミリ秒単位で指定します。0を指定した場合は再送待ちを行いません。

利点

メモリリークの防止ができます。

注意事項

0を指定した場合、正常ケースでもキャプチャしたパケットがシーケンス番号通りでないとパケットロストと判断し破棄される可能性があります。このため、必要がない場合は、この定義を変更しないようにしてください。

オプション:-r

max_readsz
設定値と省略値

〈符号なし整数〉((10〜1000))《100》(単位:メガバイト)

説明

PCAP実行時、pcap形式ファイルから先読みを行うパケットの最大サイズを指定します。

先読みしたパケットの合計サイズが指定値を超えたとき、先読みを中断します。

先読み最大サイズは、パケットをテスト対象システムへ送信することで減少し、設定値の半分以下となったときに、先読みを再開します。

read_count
設定値と省略値

〈符号なし整数〉(0〜2147483647)《1》

説明

PCAP実行時、pcap形式ファイルからパケットを読み込む回数を指定します。

1以外の値を指定した場合、すべてのpcap形式ファイルの読み込みが完了したあと、ファイル先頭から再度パケットが読み込まれます。

0を指定した場合は、esstopコマンドを発行するまで無制限に再読み込みが繰り返されます。

前提条件

本フラグメンバに1以外を指定している場合、framework_definition定義を指定すると構文エラーとなります。

指定値の目安

複数クライアントから同時に電文を送信するテストを実施したい場合に、2以上の値を指定してください。

read_interval
設定値と省略値

〈符号なし整数〉((0~86400000))《0》(単位:ミリ秒)

説明

pcapファイルの再読み込みを行う際に、指定された時間が経過してから再読み込みを行います。

pcapファイル内のテスト用電文が一巡したあと、次のテストを開始する前に間隔を空けます。

0を指定した場合は間隔を空けずに読み込みます。

テストを複数回実行する際に、pcapファイルの再読み込み時間間隔を1000ミリ秒に設定した例を次に示します。

[図データ]

ほかのオペランドとの関連

capture_definition定義-rオプションでread_countに1以外を指定すると有効になります。

オプション:-f

ipaddr
設定値と省略値

既存システムのサーバIPアドレス(nnn.nnn.nnn.nnn)

〈符号なし整数〉((0〜255)) 《1.0.0.1-223.255.255.254》

説明

既存システム側のIPアドレス(IPv4形式)を、「.」(ドット)付き10進表記で指定します。

システムテスト支援では、送信元又は送信先のIPアドレスが、既存システムのIPアドレス範囲であるパケットのみキャプチャし、それ以外のパケットは破棄します。

[図データ]

IPアドレスは範囲指定で指定することができます。

範囲指定

xxx.xxx.xxx.xxx-yyy.yyy.yyy.yyy

「xxx」および「yyy」には、0〜255の値を指定できます。

xxx.xxx.xxx.xxxとyyy.yyy.yyy.yyyの値は、xxx.xxx.xxx.xxxがyyy.yyy.yyy.yyy以下の値となるように値を指定してください。

IPアドレスがxxx.xxx.xxx.xxxからyyy.yyy.yyy.yyyまでの範囲が、既存システムのIPアドレス範囲となります。それ以外のIPアドレスは、外部システムのIPアドレスとなります。

Windows版では「1.0.0.1-223.255.255.254」固定となります。

ほかのオペランドとの関連

本オペランドで指定するIPアドレスは、address_destination定義-sオプションipaddrオペランドで指定したIPアドレスを包含する範囲で指定してください。本オペランドで指定したIPアドレスの範囲外でaddress_destination定義を定義した場合、パケットをキャプチャしません。

詳細は「1.4.1 テスト対象システムへの送信先の決定」の「システム定義とキャプチャ範囲」を参照してください。

指定値の目安

システムテスト支援の対象となるIPアドレスを内包する、最小範囲のIPアドレスを指定してください。

IPアドレス範囲内にシステムテスト支援の対象外のIPアドレスが含まれると、不要パケットのキャプチャ処理及び破棄処理が多発し、必要パケットのロストや、CPU使用率高騰等の可能性があります。

[例]

既存システム側のIPアドレスが以下で、システムテスト支援の対象IPアドレスが下記(2)と(4)の場合、IPアドレス範囲が「195.200.55.6-200.100.50.5」となるよう指定します。

(1)195.100.40.2

(2)195.200.55.6〜195.200.55.8

(3)199.100.100.1〜199.100.100.5

(4)200.100.50.2〜200.100.50.5

(5)200.100.55.5