2.6.5 IIOPテスト機能の電文増幅機能
本番環境の要求電文を複製してテスト対象システムに送信できます。本機能は、実行形態がリプレイ実行またはPCAP実行の場合だけ使用できます。
複製して増幅した電文は、複製元となった電文と同じ内容で送信します。電文を増幅しても、キャプチャ電文の送信順序は維持されます。増幅電文が、複製元となった電文よりあとに送信されることはありません。
電文増幅の形態は次に示す3つあります。
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電文追加UOCによる電文追加
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電文追加UOCによるクライアント増幅
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pcap形式ファイルの再読込み
pcap形式ファイルの再読み込みについては、「5.5.1 pcap形式ファイルの再読込み」を参照してください。ここでは、電文追加、およびクライアント増幅について説明します。
電文追加
要求電文を複製し、複製元の電文と同じクライアントからの電文として追加します。テストは、クライアントごとにシリアライズして実行します。
電文追加は、電文追加UOCが電文追加のリターンコードでリターンする度に行います。再呼び出しされたUOCは、元の要求電文と同じ電文が引数に設定されており、電文を複製して新しい要求電文として追加することができます。
電文追加の例を次の図に示します。
電文追加で複製した電文のあとに後続の電文を送信するため、増幅前の電文同士の送信間隔を超過することがあります(図中の電文Bのケース)。その場合は、後続の電文は即座に送信します。
クライアント増幅
要求電文を複製し、複製元の電文と別のクライアントからの電文として追加します。テストは、パラレルに実行します。
クライアント増幅は、電文追加UOCのインタフェースでクライアント増幅数を指定することで行います。クライアント増幅で複製した電文は、それぞれが複製元の電文と異なるクライアントからの電文として扱います。クライアント増幅の遅延時間が指定されている場合は、複製した各電文を指定時間ずらして送信します。
クライアント増幅の例を次の図に示します。
電文追加とクライアント増幅の併用
電文追加によって同一クライアントの増幅した電文を、さらに増幅して別クライアントとしてテストしたい場合は、電文追加UOCの指定によって、電文追加とクライアント増幅を併用して実行することができます。
電文追加の送信間隔
電文追加UOCで指定する電文追加の送信間隔は、reply_send_mode定義で指定した値の影響を受けます。倍速送信実行を指定している場合は、指定した倍速値分短縮した間隔となります。等間隔送信実行、または連続送信実行を指定している場合は、UOCで設定した値を無視します。