Hitachi

Hitachi System Information Capture リファレンス 


1.2.3 パケットロスト

外部システムと既存システム間のパケット、又は、ネットワークスイッチとシステムテスト支援間のミラーパケットが、何らかの理由により失われる事をパケットロストと呼びます。パケットロストが発生した場合、システムテスト支援の動作に不具合が発生する可能性があります。

トランスポートプロトコルがTCPの場合パケットロストの発生箇所によっては、ロストしたパケットが再送される為、パケットキャプチャでは、パケットの再送待ちを行います。しかし、再送されない、又は、再送パケットが再度ロストする場合もある為、パケットロストを極力減らす必要があります。

以下に、パケットロストが発生するポイントを示します。

図1‒4 パケットロストの発生箇所

[図データ]

パケットロストは、システムテスト支援終了時のKFSE84402-Iメッセージ、及びKFSE84403-Iメッセージにより知ることができます。

また、図1-4 パケットロストの発生箇所の3.でロストが発生している場合、Linuxのifconfigコマンド、またはethtoolコマンドでも知ることができます。

以下に、パケットロスト要因と対処方法を示します。

表1‒1 パケットロスト要因と対処方法

パケットロスト

ポイント

パケットロスト要因

対処方法

1.

外部システムと既存システム間のケーブルや中継継器(スイッチ等)上でパケットロスト

高負荷に耐えられる回線や中継器に切替えてください。

なお、パケットロストした場合、外部システムと既存システム間でパケット再送が行われます。

パケットロスト(=パケット再送)が発生したか否かは、該当マシンの通信系コマンド(netstat等)で確認できます。

2.

受信パケットのミラーポートへのコピー処理でパケットロスト

ミラーリング設定を見直し、コピー元ポートを減らす、バッファサイズを増やす、高性能のネットワークスイッチに変更する等の対処を行ってください。ネットワークスイッチの設定については、使用しているネットワークスイッチのマニュアルを参照してください。

3.

受信ミラーパケットのハードウェアの受信処理でロスト、または、RAWソケット用バッファへのコピー処理でロスト

キャプチャ性能を超えてミラーパケットを受信しました。

以下の対処を行ってください。

  • capture_definitionの-f ipaddr定義値を見直し、不要なIPアドレスがキャプチャ対象に含まれる場合は、そのIPアドレスを範囲外にする

  • カーネルパラメタ「net.core.rmem_max」の値が、20971520以上の値か確認する。