付録A.6 物理ファイル名対応付けファイル
物理ファイル名対応付けファイルとは,物理ファイルを経由した解析をする場合に,COBOLデータの装置名と,その装置名に割り当てられた物理ファイル名を対応付けるためのファイルです。データ影響波及分析用データベース作成時に,環境変数CBLDIA_MATERIAL_PHYSICAL_FILEに物理ファイル名対応付けファイルを指定することで,物理ファイル名を調査対象データ項目または影響波及データ項目とした影響波及を調査できます。
環境変数CBLDIA_MATERIAL_PHYSICAL_FILEが有効な場合,COBOL2002コンパイラは,次に示すファイル名と物理ファイル名を関連付けて,プログラム情報を収集します。物理ファイル名は,半角英小文字を半角英大文字に,全角英小文字を全角英大文字に変換して,プログラム情報を収集します。
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装置名指定のASSIGN句があるファイル
物理ファイル名対応付けファイルを使用して,手動でファイル名と物理ファイル名の名前解決をします。
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定数指定のASSIGN句があるファイル
COBOLソースファイルの内容から,自動でファイル名と物理ファイル名の名前解決をします。ただし,定数が255バイトを超える場合や引用符(")を含む場合は,警告メッセージを出力して名前解決をしません。
ただし,HiRDBによる索引編成ファイルの場合,ASSIGN句の装置名や定数には,物理ファイル名ではなく,スキーマ定義の表名を指定するため,プログラム情報は収集されません。
物理ファイル名対応付けファイルの拡張子は,.dpcで作成してください。物理ファイル名対応付けファイル名の英小文字は,対応する英大文字と見なされます。作成した物理ファイル名対応付けファイルは,環境変数CBLDIA_MATERIAL_PHYSICAL_FILEに絶対パスで指定してください。相対パスで指定した場合の動作は保証しません。物理ファイル名対応付けファイルのパス名が255バイトを超える場合,または拡張子が.dpcでない場合は,警告メッセージが出力され,その物理ファイル名対応付けファイルの指定は無視されます。
物理ファイル名対応付けファイルの形式を次に示します。
- 形式
"装置名"△"物理ファイル名"
- (凡例)
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△:1個以上の半角空白,または1個以上のタブ文字を示します。
- 説明
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物理ファイル名対応付けファイルに指定する項目です。
- 装置名
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ASSIGN句に記述されている装置名です。
- 物理ファイル名
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装置名指定のASSIGN句があるファイルに対応する物理ファイル名です。
注意
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物理ファイル名対応付けファイルの1行の長さは,4,095バイト以内で指定してください。4,095バイトを超えていると,警告メッセージが出力され,その行は無視されます。
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装置名,物理ファイル名はそれぞれ引用符(")で囲み,1個以上の半角空白またはタブ文字で区切って,1行に1組だけ指定してください。行の書き方に誤りがある場合は,警告メッセージが出力され,その行は無視されます。
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物理ファイル名の長さは,255バイト以内で指定してください。物理ファイル名が255バイトを超える場合は,警告メッセージが出力され,その行は無視されます。
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物理ファイル名には,引用符(")を含むファイル名は指定できません。引用符(")を含んでいる場合は,警告メッセージが出力され,その行は無視されます。
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1カラム目が「#」で始まる行はコメント行として扱い,その行は無視されます。
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物理ファイル名対応付けファイルは,コメント行を含め1,000行以内で記述してください。1,000行を超えている場合は,警告メッセージが出力され,以降の行は無視されます。
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物理ファイル名対応付けファイルでは,次の文字は区別されます。
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各英小文字と対応する英大文字
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拡張コードの各文字と対応する標準コードの文字
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COBOLソースファイル中の利用者定義語には文字の等価規則が適用されるため,装置名には,それぞれ等価規則の適用後の装置名を指定してください。
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1つの装置名に対して,複数の物理ファイル名を複数の行を使って指定できます。
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物理ファイル名対応付けファイルに対する警告メッセージは,コンパイルリストには出力されません。
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物理ファイル名対応付けファイルに対する警告メッセージは,次に示す形式で標準エラー出力(stderr)に出力されます。
"物理ファイル名対応付けファイル", line 行番号:警告メッセージ
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物理ファイル名対応付けファイルは,シフトJISコードで記述してください。
関連項目