COBOL2002 操作ガイド


15.2.2 プログラムからの連動実行による方法

カバレージ情報の蓄積対象プログラムを実行することで,自動的にカバレージ情報を蓄積します。

〈この項の構成〉

(1) カバレージ情報の蓄積の手順

連動実行でカバレージ情報を蓄積するときの作業の流れを説明します。

  1. -CVInfコンパイラオプションを指定して,プログラムをコンパイルする。

    コンパイラオプションについては,「9.1.2 プログラムのコンパイル」を参照してください。

  2. 連動実行のための環境変数を指定する。

    環境変数CBLTDEXECを指定します。詳細については,「15.2.2 プログラムからの連動実行による方法」の「(2) 環境変数の指定」を参照してください。

  3. カバレージ情報の蓄積,またはカバレージ情報の蓄積対象プログラムの実行に必要な環境変数を設定する。

    プログラムの実行に必要な環境変数とカバレージに必要な環境変数を設定します。カバレージに必要な環境変数については, 「15.2.1 コマンドによる方法」の「(3) 環境変数の指定」を参照してください。プログラムの実行に必要な環境変数については,マニュアル「COBOL2002 ユーザーズガイド」を参照してください。

  4. カバレージ情報の蓄積対象の実行可能ファイルを実行する。

    カバレージ情報が蓄積されます。

  5. 実行結果を実行結果出力ファイルによって確認する。カバレージ情報の蓄積結果は,カバレージ表示機能を使用して確認する。

    カバレージ表示機能については,「13.2 カバレージ情報の表示と操作」および「(3) 実行結果出力ファイルにメッセージを出力できないときの処理」を参照してください。

(2) 環境変数の指定

プログラムの開始と同時にカバレージ情報蓄積を連動実行するには,環境変数CBLTDEXECに「CV」を指定します。

形式

[図データ]

-OutFile

カバレージ情報の蓄積の実行結果およびトラブルシュート情報を出力するファイル名を指定します。-OutFileオプション省略時は,実行可能ファイル名の拡張子を「.cvo」に変更したファイル名を,カレントフォルダに出力します。

注※

当社保守員が調査するときに使用する情報です。DLLファイルのカバレージ情報が蓄積されないなど,連動実行が動作しない場合には,当社保守員に連絡してください。

-Add

結果出力ファイルに追加書きで結果を出力します。指定しなかった場合,同名の実行結果出力ファイルがあったときは,上書きされます。

-Library

カバレージ情報蓄積対象とするDLLファイル名を指定します。

注意事項
  • 環境変数名,引数は,英大文字,英小文字のどちらで指定しても同じ扱いとなります。

  • -OutFileでユーザが指定したファイル名は拡張子が「.cvo」以外でも有効とし,ユーザが指定したとおりのファイル名で出力します。

  • カレントフォルダは,プログラムが実行されたフォルダです。

  • プログラム情報ファイルを次の順序で検索します。検索した結果,プログラム情報ファイルが見つからないときは,プログラム情報ファイルに該当するプログラムはカバレージ情報の蓄積の対象となりません。

    1. 環境変数CBLPIDIRで指定したフォルダ

    2. 実行可能ファイルに含まれるプログラムは,実行可能ファイルのあるフォルダ

     DLLファイルに含まれるプログラムは,DLLファイルのあるフォルダ

    3. カレントフォルダ

  • プログラムが-CVInfコンパイラオプションを指定してコンパイルされていない場合は,カバレージ情報の蓄積の対象となりません。

  • カバレージ情報の蓄積の対象となるプログラム情報ファイルが一つもない場合は,カバレージ情報の蓄積は行いません(カバレージ情報の蓄積対象プログラムの実行も行いません)。

(3) 実行結果出力ファイルにメッセージを出力できないときの処理

実行結果出力ファイルにメッセージを出力できない場合,次のようにメッセージを出力します。

(a) イベントログが使用できるWindows

イベントログにメッセージを出力します。何かの理由でイベントログを出力できなかった場合は,「(b) イベントログが使用できないWindowsおよびイベントログに出力ができないとき」のとおりとなります。

(b) イベントログが使用できないWindowsおよびイベントログに出力ができないとき

tempフォルダに結果ファイルを出力します。

また,この結果ファイルにも出力できないときは,標準エラー出力に出力します。ただし,-Lib,GUIコンパイラオプションを指定してコンパイルしたプログラムの場合は,メッセージは表示されません。

tempフォルダとは

環境変数TMP,TEMP,またはUSERPROFILEに設定されているフォルダです。環境変数が設定されていない場合は,次のフォルダとなります。

  • Windowsのフォルダ(C:¥Windowsなど)

結果ファイル名

カバレージ情報蓄積時は,CVO*****.tmpというファイル名となります。カウント情報取得時は,CNO*****.tmpというファイル名となります。*****には任意の文字が入ります。