COBOL2002 操作ガイド


10.17.1 操作手順

連動実行で,ほかのプロセスから起動されるプログラムのテストデバッグを開始する場合については,「10.1.1 テストデバッグの手順」を参照してください。

連動実行でテストデバッグを行う場合の操作の詳細について説明します。

  1. Windowsのプログラム一覧にある[COBOL2002]下のメニュー,または開発マネージャからテストデバッガを起動する。

    起動方法の詳細については,「10.2.1 テストデバッガの起動」を参照してください。

  2. テストデバッグ対象の設定ダイアログボックスで,実行可能ファイル(.exe)およびDLLファイルを設定する。

    [図データ]

  3. 中断点などを設定し,テストデバッグの準備をする。

    [図データ]

  4. [プログラムの制御]メニューから[連動実行の待機]を選ぶ。

    連動実行の待機ダイアログボックスが表示され,テストデバッグで使用するウィンドウはアイコン化されます。待機中の実行可能ファイル名については,テストデバッグ対象の設定ダイアログボックスで指定した実行可能ファイル名が表示されます。

    連動実行を中止する場合には,「待機解除」ボタンを選び,手順3.の状態に戻ります。

    [図データ]

  5. テストデバッグ対象のプログラムを実行する。

    環境変数CBLTDEXEC=TDが指定された実行環境で実行された実行可能ファイルのプログラムに制御が渡ると,次のダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  6. ダイアログボックスに応答する。

    • [OK]ボタンを選ぶ。

      ダイアログボックスと連動実行の待機ダイアログボックスが閉じて,テストデバッグウィンドウがアイコンから元のサイズに戻り,ユーザが操作できる状態となります。ただし,この段階では,実行プログラムは待機状態のままです。

    • [キャンセル]ボタンを選ぶ。

      連動実行の待機状態に戻ります。

  7. テストデバッグを開始する。

    テストデバッグの対象となった実行可能ファイルとDLLファイル中のプログラムが実行されます。

    実行可能ファイルとDLLファイル中のプログラムが最後まで実行され,プログラムが終了すると,手順3.の状態になります。再度,連動実行によるテストデバッグを開始したい場合は,手順4.以降の操作をします。

注意事項

この注意事項で使用されるプログラムとは,環境変数CBLTDEXEC=TDの指定がある環境で実行される連動実行の対象となるプログラムのことを意味します。

同様に,待機状態のテストデバッガとは,手順4.の状態から連動実行待機ダイアログボックスの「待機解除」ボタンを選ぶまでの状態,および手順4.の状態から手順5.のテストデバッグを開始するかどうかを確認するダイアログボックスで[OK]ボタンを選ぶ直前までの状態であるテストデバッガを意味します。

プログラム起動時の注意事項

プログラムが起動されたときに,次のどれかの条件を満たす場合,手順5.のテストデバッグを開始するかどうかを確認するダイアログボックスを表示しないでプログラムが続行されます。

  • プログラムが起動されたタイミングで,待機状態のテストデバッガがないとき

  • プログラム名と,テストデバッグで指定した実行可能ファイル名(パスも含みます)が一致する待機状態のテストデバッガがないとき

連動実行の待機中の注意事項
  • テストデバッグを開始するかどうかを確認するダイアログボックスは,待機状態になった順番に表示します。対象となる待機中のテストデバッガとは,次のとおりです。

    ・同一のプログラムをテストデバッグ対象とするテストデバッガ。

    ・DLLファイルだけをテストデバッグ対象にしているテストデバッガ。

    DLLファイルだけの連動実行については「10.17.2 DLLファイルだけの連動実行について」を参照してください。

  • テストデバッグを開始するかどうかを確認するダイアログボックスで[OK]ボタンを選んでも,連続実行やステップインなどでプログラムを実行しなければ,プログラムは待機状態となったままです。

    プログラムを実行しない状態で,テストデバッガを終了させようとしたときは,プログラムが続行されてから,テストデバッガが終了します。

    同様に,プログラムを実行しない状態で,テストデバッグ対象の設定ダイアログボックスでテストデバッグの対象を切り替えた場合も,プログラムが続行されます。

待機状態のテストデバッガが複数ある場合の注意事項
  • 同一のプログラムをテストデバッグするための待機状態のテストデバッガが複数ある状態で,同一のプログラムが複数起動された場合には,次の動作となります。

    ・テストデバッグを開始するかどうかを確認するダイアログボックスにユーザが応答しないでいる場合,対象となるプログラムも,また,あとから起動された同一のプログラムも待ち状態となります。

    ・待機している複数のテストデバッガの中にDLLファイルだけをテストデバッグ対象にしているテストデバッガが含まれている場合,テストデバッグを開始するかどうかを確認するダイアログボックスで,[キャンセル]を応答したときに,テストデバッグを開始するかどうかを確認するダイアログボックスが表示される順番は,テストデバッガを待機状態にした順番と異なることがあります。

  • テストデバッグを開始するかどうかを確認するダイアログボックスがほかのウィンドウの後ろに隠れてしまうことがあります。[Alt]+[Tab]キーやタスクバーのアイコンを操作して,ダイアログボックスを前面に表示してください。

リモートアクセスしたクライアントでデバッグするときの注意事項
  • Windowsのサービス機能から起動するユーザープログラムを,連動実行でデバッグできません。デバッグする場合は,リモートアクセスしたクライアントからではなく,サーバ上でデバッグ操作をする必要があります。リモートアクセスしたクライアントで連動実行の待機をした場合は,環境変数CBLTDEXECを指定していた場合でも,手順5.のテストデバッグを開始するかどうかを確認するダイアログボックスは表示されません。また,エラーメッセージも表示されません。

  • リモートアクセスしたクライアントで連動実行の待機をした場合,手順4.では,代わりに,次に示すダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

    このダイアログボックスを表示するかどうかは,連動実行の待機をしたときの状態で判断します。連動実行の待機をした状態のまま,リモートアクセスに切り替えても,逆にリモートアクセスをやめても,注意事項の表示/非表示は切り替わりません。そのため,例えば連動実行の待機をした状態のままでリモートアクセスに切り替えた場合,上記の注意事項は表示されていませんが,サービスから起動されるプログラムの連動実行はできません。

その他の注意事項
  • テストデバッガを終了した時点でプログラムは強制終了されます。

  • OpenTP1から起動されるプログラムなど,プログラムがWindowsのサービス機能から起動された場合,ファイルに対する参照権限の設定によっては,プログラム情報ファイル(.cbp)およびソースファイルが参照できない場合があります。この場合,プログラム情報ファイル(.cbp)およびソースファイルに,テストデバッガを起動するユーザIDで参照できるように参照権限を設定しておいてください。参照権限がない場合,プログラム情報ファイルがデバッグ対象から外れたり,ソースファイルがエディタで開けなかったりします。

  • 連動実行する場合は,テストデバッガ,およびデバッグ対象プログラムの起動時の権限に注意が必要です。詳細は,「付録A.1 管理者権限についての注意事項」を参照してください。

  • OSの「グローバルオブジェクトの作成」権限がない場合は,[連動実行の待機]メニューが非活性になり,手順4.の連動実行の待機にする操作ができません。