COBOL2002 操作ガイド


10.2.1 テストデバッガの起動

テストデバッガを起動するには,次の二つの方法があります。

〈この項の構成〉

(1) 開発マネージャからの開始

開発マネージャからテストデバッガを起動した場合,開発マネージャで作業中プロジェクトに設定されている実行可能ファイル(.exe),またはDLLファイルをテストデバッグ対象とします。また,作業中プロジェクトがほかのプロジェクトと関連を持っている場合には,条件によって,その関連プロジェクトもテストデバッグの対象となります。開発マネージャの関連プロジェクトについては,「(c) 開発マネージャのテストデバッグ対象プロジェクトについて」を参照してください。

(a) 環境変数の指定

CBLPIDIR

プログラム情報ファイルのあるフォルダ名を指定します。

注意事項

環境変数CBLPIDIRは開発マネージャで指定できます。ユーザが指定しなかった場合は,作業フォルダが指定されています。開発マネージャから起動されるときに,テストデバッガにこの環境変数は引き継がれます。

(b) テストデバッガの起動

開発マネージャで[デバッガ]メニューを選択して起動します。テストデバッグ対象の設定ダイアログボックスが表示され,テストデバッグ対象とする実行可能ファイルとDLLファイルを選択します。実行可能ファイル名として作業中プロジェクトで生成される実行可能ファイル名が表示されます。ただし,最終生成物がDLLの場合は,前回の実行可能ファイル名が表示されます。最終生成物が標準ライブラリの場合は,エラーメッセージが表示され,テストデバッガは起動しません。

[図データ]

  1. 実行可能ファイル名を指定する。

    [参照]ボタンで実行可能ファイル選択用のダイアログボックスを表示し,ファイル名を指定できます。

    直接,実行可能ファイルのパス名を指定することもできます。

    以前に選択した実行可能ファイルの履歴を10回分まで表示し,そこから選択して実行することもできます。

  2. DLLファイル名を指定する。

    DLLファイル一覧に表示されるファイル名がテストデバッグの対象になります。DLLファイルは次の方法で指定します。

    [選択]

    テストデバッグ対象のDLLファイルを追加します。[選択]ボタンを選ぶと,DLLファイル選択のダイアログボックスが表示され,DLLファイル名を指定できます。

    [削除]

    選択したDLLファイルをテストデバッグの対象から外します。DLLファイルを選択し,[削除]ボタンを選びます。

    [全削除]

    DLLファイル一覧に表示されたファイルを,すべてテストデバッグの対象から外します。

  3. 作業フォルダを設定する。

    ダイアログボックス表示直後は,何も設定されていません。何も設定しなければ,実行可能ファイルがあるフォルダが作業フォルダとなります。

    変更したい場合は,[参照]ボタンでダイアログボックスを表示し,フォルダ名を指定します。選択したフォルダは,作業フォルダの領域に表示されます。作業フォルダを直接入力することもできます。

    以前に選択した作業フォルダの履歴を10回分まで表示し,そこから選択して設定することもできます。

  4. [OK]ボタンを選ぶ。

    テストデバッグウィンドウが表示されます。

注意事項
  • 作業フォルダは,ユーザが設定しなければ,実行可能ファイルのあるフォルダが設定されます。ユーザが設定した場合は,その後,実行可能ファイルを変更しても,作業フォルダは変更されません。実行可能ファイルのあるフォルダを仮定したい場合は,作業フォルダの設定を削除してください。

  • 実行可能ファイルを指定しない場合は,必ずDLLファイルの指定をしなければなりません。

  • 実行可能ファイルを指定しないで,かつ,作業フォルダに何も設定しない場合,テストデバッガの起動時のカレントフォルダが,作業フォルダとなります。

(c) 開発マネージャのテストデバッグ対象プロジェクトについて

開発マネージャでの作業中プロジェクトの種類によって,次のような動作となります。

  • 開発マネージャから起動される場合,開発マネージャの作業中プロジェクトが実行形式プログラムのプロジェクト(以降,EXEプロジェクトと記述します)またはダイナミックリンクライブラリのプロジェクト(以降,DLLプロジェクトと記述します)の場合,テストデバッグ対象となります。

  • 標準ライブラリのプロジェクト(以降,LIBプロジェクトと記述します)または「リンケージ処理を行わない」オプション指定のあるプロジェクトが作業中プロジェクトの場合はテストデバッグ対象としません。

開発マネージャでの作業中プロジェクトがEXEプロジェクトまたはDLLプロジェクトであり,かつ,ほかのプロジェクトと関係設定されている場合,テストデバッグ対象となるプロジェクト,ファイルは次のとおりです。

  • 関係設定されているプロジェクト(作業中プロジェクトも含みます)の中にDLLプロジェクトがないとき

    開発マネージャに登録されている実行可能ファイルをテストデバッグ対象とします。前回,テストデバッガを起動したときに設定されたDLLファイルはテストデバッグ対象にしません。

  • 関係設定されているプロジェクト(作業中プロジェクトも含みます)の中にEXELプロジェクトがないとき

    開発マネージャに登録されているDLLファイル,および前回,テストデバッガを起動したときに設定されたEXEファイル名をテストデバッグ対象とします。

  • 関係設定されているプロジェクト(作業中プロジェクトも含みます)の中にDLLプロジェクトが複数あるとき

    すべてのDLLファイルをテストデバッグ対象とします。

  • 作業中プロジェクトがEXEプロジェクトのとき

    関連プロジェクト内にほかのEXEがあってもテストデバッグ対象とはしません。対象外とするEXEプロジェクトとの下に関連を持っているDLLプロジェクトはテストデバッグ対象とします。

  • DLLプロジェクトが作業中プロジェクトであり,関連プロジェクト内にEXEプロジェクトが複数あるとき

    次の条件を満たすEXEプロジェクト一つをテストデバッグ対象とし,それ以外のEXEプロジェクトはテストデバッグ対象としません。

    • 関連のレベルが上位のもの(作業中プロジェクトに近いもの)。

    • 同レベルに複数ある場合は,開発マネージャのプロジェクト設定ダイアログボックスのプロジェクト一覧ツリービューで,上側に書かれているもの。

注意事項
  • 複数プロジェクトがテストデバッグ対象となっている場合は,EXEファイルとDLLファイルが同一フォルダにある,または環境変数PATHや環境変数CBLLDLLを指定するなどの実行環境が整っていなければなりません。実行環境の詳細については,マニュアル「COBOL2002 ユーザーズガイド」のプログラムの実行についての説明を参照してください。

  • テストデバッグ対象の設定ダイアログボックスでテストデバッグ対象DLLファイルを削除し,再び同じファイルを追加した場合は,テストデバッグ情報ファイルが見つからないため,テストデバッグ対象とならないことがあります。その場合は,一度,テストデバッガを終了し,開発マネージャから,再度,テストデバッガを起動する必要があります。

  • 標準ライブラリのデバッグを行いたい場合は,プログラム情報ファイル(.cbp)を,標準ライブラリを取り込んでいる実行可能ファイルまたはDLLファイルのプログラム情報ファイルが出力されているフォルダに格納してください。

(2) Windowsのプログラム一覧にある[COBOL2002]メニューからの開始

(a) 環境変数の指定

(1) 開発マネージャからの開始」を参照してください。

(b) テストデバッガの起動

Windowsのプログラム一覧にある[COBOL2002]下のメニューから[テストデバッガ for COBOL2002]を選ぶと,テストデバッグ対象の設定ダイアログボックスが表示されます。テストデバッグ対象の設定ダイアログボックスで,テストデバッグ対象とする実行可能ファイルとDLLファイル,および作業フォルダを選択します。

テストデバッグ対象の設定ダイアログボックスの操作については,「(1) 開発マネージャからの開始」を参照してください。