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JP1 Version 10 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


14.3.2 正常に動作しないときの対処

JP1/IT Desktop Management 2 - Managerを使用しているとき、正常に動作しない、エラーが発生するなどの現象が起こることがあります。次に、発生が考えられる現象とその対処について説明します。

〈この項の構成〉

(1) ジョブの実行が進まない

ジョブの実行が進まない場合は、次に示すような原因が考えられます。

(a) エージェントの自ホスト名と配布管理システムで指定したあて先が不一致

エージェントの名称が、配布管理システムのシステム構成やあて先で指定した名称と異なる場合、リモートインストールが終了しません。エージェントの名称が正しいかどうか確認してください。

(b) ホスト識別子が異なるが重複したあて先が存在する

エージェントが重複して存在している場合、異なるあて先にジョブが実行されているためにジョブが終了しないことがあります。

このような場合は、重複しているエージェントでresetnidコマンドを実行してください。resetnidコマンドの詳細については、「6.1.6 システム構成情報の手動メンテナンスの例」を参照してください。

(c) コンピュータにログオンしていない

GUIインストールモードのジョブを実行している場合、コンピュータが起動されていても、ログオンされていないときはジョブが実行されません。

(d) 外部プログラム監視時間を設定していない

外部プログラム監視時間を設定していない場合、外部起動プログラムから制御が戻ってこないため、無限に待ち状態になります。外部プログラム監視時間は、[JP1/ITDM2 パッケージング]ダイアログボックスの[外部プログラム]パネルで設定してください。

(e) 上位接続先情報ファイルの設定に誤りがある

上位接続先情報ファイルの設定に誤りがある場合、JP1/IT Desktop Management 2 - Agentから上位サーバに接続できないため、結果が通知できません。上位接続先情報ファイルの設定を見直してください。

(f) ITDM互換配布がエージェントで実行中である

エージェント上ではジョブは、ITDM互換配布とは同時に実行できません。そのため、ITDM互換配布がエージェントで実行中のときは、ジョブの状態が実行待ちのままになることがあります。

(g) リモートインストール後の処理や、AITファイルの処理が正常に終了しない

リモートインストール後の処理や、AITファイルの処理が正常に終了しなかった場合、エージェント側のインストールは無限に待ち状態になります。

リモートインストールが完了しないときは、AITファイルで、終了時にRegisterWindowMessageを発行していないおそれがあります。

(h) インストール前後に起動するユーザプログラムが終了していない

エージェント側のインストールが完了していても、配布管理システム側でジョブの実行が70%になっているときは、インストール前後に起動するユーザプログラムが終了していないことが考えられます。

(2) ジョブが失敗する

リモートインストールなどのジョブがエラーになった場合、エラーの原因が保守コードとして表示されます。[ジョブ実行状況]ウィンドウから表示される[詳細情報]ダイアログボックスで、保守コードを確認してください。

(3) 中継システムにジョブはあるが、パッケージがない

中継システムで保管されているパッケージは、一定の期間が経過すると自動的に削除されます。パッケージング時、またはジョブの作成時に保管期限を指定しないと、リモートインストールの翌日に削除されます。また、指定していても、リモートインストールした翌日が休日だったり、エージェントの電源を何日も入れなかったりすると、パッケージが削除され、中継システムにジョブはあるが、パッケージがないという状況が発生します。

このような現象を回避するために、パッケージング時、またはジョブの作成時に指定するパッケージの保管期限を考慮して指定してください。ただし、あまり長い期間を指定すると中継システムのハードディスクを圧迫します。

表示される保守コードは次のとおりです。

保守コード:300097030000