3.1.5 複数LAN接続環境での配布機能の運用
1台のPCにNICなどの複数のネットワークアダプタが存在する複数LAN接続環境でも、JP1/IT Desktop Management 2を運用できます。
JP1/IT Desktop Management 2では、次の2種類の複数LAN接続環境での運用をサポートしています。
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複数ネットワークに分かれている環境
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ネットワークが多重化されている環境
次にこれらの環境でのJP1/IT Desktop Management 2の運用を説明します。
(1) 複数のネットワークに分かれている環境
複数のネットワークに分かれている環境の例を次に示します。
複数のネットワークに分かれている環境でも、ジョブの実行要求に、要求元の上位システムのIPアドレスが格納されているため、管理対象のコンピュータは正しいあて先にジョブの受信要求を送信できます。
- 上位システムからのジョブの実行要求時
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下位システムとソケットコネクションが確立できた自システムのIPアドレスを取得し、要求元IPアドレスとして下位システムに通知します。
- 下位システムからのジョブの受信要求時
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上位システムからのジョブの実行要求時に通知された要求元IPアドレスに対してソケットコネクションを確立し、ジョブの受信を要求します。
(2) ネットワークが多重化されている環境
ネットワークが多重化されている環境の例を次に示します。
ネットワークが多重化されている環境の場合、通常はメインのネットワークを使い、トラブルが発生した場合などには、バックアップのネットワークに切り替えて使うという運用が考えられます。また、JP1/IT Desktop Management 2が使用する通信回線は、メインのネットワークだけに限定して使用するという運用も考えられます。
このような運用に対応するには、各エージェント設定で、ネットワークアダプタの優先順位を設定する必要があります。エージェント設定の[通信設定]−[複数の上位システムへのポーリングの設定]を設定してください。