JP1/Power Monitor

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12.2.1 [電源制御装置の設定]ダイアログボックス

電源制御装置を設定する[電源制御装置の設定]ダイアログボックスについて説明します。SVPボード,APC社製Smart-UPSの電源制御装置を使う場合,ここでは何も設定しません。

[電源制御装置の設定]ダイアログボックスを次の図に示します。

図12-2 [電源制御装置の設定]ダイアログボックス

[図データ]

<この項の構成>
(1) 表示方法
(2) 設定項目
(3) jpwshutdownコマンド

(1) 表示方法

[電源制御装置の設定]ダイアログボックスを表示するには,Windowsの[スタート]メニューから,[プログラム]−[JP1_Power Monitor]−[電源制御装置の設定]を選択します。

ただし,[環境設定]ダイアログボックスが表示されている場合,[電源制御装置の設定]ダイアログボックスは,表示されません。

(2) 設定項目

設定項目について次に説明します。

なお,[電源制御装置の設定]ダイアログボックスで設定する情報を変更または削除する場合,変更または削除の前に[環境設定]ダイアログボックスの[使用プログラム名]を[なし]に設定してください。[使用プログラム名]が設定された状態で削除または変更した場合,タイミングによっては,誤動作を引き起こします。

[定義設定位置]
[COMMON01]から[COMMON05]までのどれかを選択します。これは,内部的な識別子です。
[制御装置種別]
制御装置を表す名称を,8バイト以内の任意の英数字で設定します。ここで設定した名称は,[環境設定]ダイアログボックスの[使用プログラム名]に表示されます。定義設定位置が異なっていても,同じ名称は設定できません。また,次に示す文字列は設定できません。
「なし」,「SYSTEM MANAGER」,「PowerChute plus」,「SVP」,「APC」,「AMT」,「WOL」
[実行制限時間]
他ホスト電源制御コマンドを実行するときの制限時間を,1から999(単位:秒)までの数値で設定します。デフォルトは300です。ここで設定した時間内に処理が完了しなかった場合,処理はキャンセルされます。
[自ホスト電源制御コマンド]
ホストの電源を制御するコマンドを設定します。自ホストの電源を制御する場合や,他ホストの電源を制御する場合のエージェントホスト側で設定します。255バイト以内で設定してください。ホストに接続している電源制御装置の種類に応じて次のコマンドを設定してください。設定しなくても制御できる電源制御装置を使用している場合,設定する必要はありません。
  • 次の場合はjpwshutdownコマンドを設定したバッチファイルを作成し,そのファイルのパス名を設定します。
    ・電源制御装置を使わない場合
    ・電源制御装置があっても電源オンのままで自ホストをシャットダウンまたは再起動したい場合
    ・電源制御装置を使わないで,自ホストの電源をスケジュールで運用したい場合
    ・AMTまたはWake on LANを使用する場合
    バッチファイルの詳細については,「(3) jpwshutdownコマンド」の使用例を参照してください。
  • JP1/Power Monitorでリモート電源運用をしていて,エージェントホストがBlade Symphony上のブレードの場合
    ServerConductorと連携していて,エージェントホストがBlade Symphony上のブレードの場合,エージェントホスト上で装置を制御するバッチファイルを作成して登録しておく必要があります。jpwshutdownコマンドを設定したバッチファイルを作成し,そのファイルのパス名を設定します。バッチファイルの詳細については,「(3) jpwshutdownコマンド」の使用例を参照してください。
  • 日立製作所製,ジーエス・ユアサ社製,またはジリオン・ネットワークス社製の電源制御装置を使う場合
    JP1/Power Monitorのインストールフォルダ直下にある「aompw_hi.exe」を設定します。
  • 山洋電気社製の無停電電源装置または電源制御装置を使う場合
    自ホストの無停電電源装置または電源制御装置を制御する電源制御コマンド起動バッチファイルをフルパス名で設定します。
  • その他の電源制御装置を使う場合
    電源制御装置を制御するコマンドがメーカーから提供されていれば,そのコマンド名をフルパス名で設定します。コマンドが提供されていない場合には,必要に応じてコマンドを作成してください。自ホストの電源を制御するコマンドの仕様については,「5.1.4 電源制御装置を制御するコマンドを作成する」を参照してください。
  • Windows Server 2003(x64),Windows Server 2003 R2(x64),64ビット版のWindows Server 2008またはWindows Server 2008 R2をご使用の場合,設定する制御コマンドは,次のフォルダに置かないでください。
    ・システムドライブ\Program Filesフォルダ
    ・Windowsシステムフォルダ\system32フォルダ
  • オムロン社製の無停電電源装置を使う場合
    Simple Shutdownのインストール先フォルダ直下にある「omronctl.exe」をフルパス名で設定します。
[他ホスト電源制御コマンド]
マネージャーホストで,エージェントホストの電源制御装置を制御するコマンドを設定します。255バイト以内で設定してください。エージェントホストに接続している電源制御装置の種類に応じて次のコマンドを設定してください。設定しなくても制御できる電源制御装置を使用している場合,設定する必要はありません。
  • 日立製作所製またはジーエス・ユアサ社製の電源制御装置を使う場合
    Windowsが組み込まれているドライブおよびフォルダに格納されているPowerMonitorH,POWERVISORv3のどれかの制御コマンドをフルパス名で設定します。
  • ジリオン・ネットワークス社製の電源制御装置を使う場合
    Windowsが組み込まれているドライブおよびフォルダに格納されているPowerMonitor for Networkの制御コマンドをフルパス名で設定します。
  • 日立製作所製の遠隔電源制御装置(THE-RP-0020)を使う場合
    電源制御装置を制御する遠隔電源制御装置制御プログラムのコマンドファイルをフルパス名で設定します。
  • 日立製作所製の無停電電源制御装置H-777Eシリーズを使う場合
    電源制御装置を制御するPowerMonitorHの制御コマンドをフルパス名で設定します。
  • 山洋電気社製の無停電電源装置または電源制御装置を使う場合
    他ホストの無停電電源装置または電源制御装置を制御する電源制御コマンド起動バッチファイルsgctlcmd_remote.batをフルパス名で設定します。
  • AMTまたはWake on LANを使う場合
    設定は不要です。
  • その他の電源制御装置を使う場合
    電源制御装置を制御するコマンドがメーカーから提供されていれば,そのコマンド名をフルパス名で設定します。コマンドが提供されていない場合には,必要に応じてコマンドを作成してください。他ホストの電源を制御するコマンドの仕様については,「5.2.4 電源制御装置を制御するコマンドを作成する」を参照してください。
  • Windows Server 2003(x64),Windows Server 2003 R2(x64),64ビット版のWindows Server 2008またはWindows Server 2008 R2をご使用の場合,設定する制御コマンドは,次のフォルダ以下に置かないでください。
    ・システムドライブ\Program Filesフォルダ
    ・Windowsシステムフォルダ\system32フォルダ

(3) jpwshutdownコマンド

jpwshutdownコマンドは,電源制御装置を使わないで,ホストをシャットダウンまたは再起動するコマンドです。電源制御装置を使わないでホストを運用したい場合に,このコマンドを設定したバッチファイルを作成し,[電源制御装置の設定]ダイアログボックスの[自ホスト電源制御コマンド]に設定します。

なお,ServerConductorと連携していて,エージェントホストがBlade Symphony上のブレードの場合も,エージェントホスト上でjpwshutdownコマンドを設定したバッチファイルを作成し,[電源制御装置の設定]ダイアログボックスの[自ホスト電源制御コマンド]に設定してください。

[自ホスト電源制御コマンド]に設定されたjpwshutdownコマンドは,電源オフ実行時に実行されます。

注意
このコマンドをコマンドラインから実行しないでください。実行した場合,サービスの停止を待たずにホストを終了してしまいます。[電源制御装置の設定]ダイアログボックスの[自ホスト電源制御コマンド]としてだけ設定してください。
形式
jpwshutdown[ -r | -o ]
           [ -f | -w△1待ち時間
引数
オプションは,大文字でも指定できます。
オプションを指定しないでコマンドを実行した場合,ホストで実行中のプロセスの終了を待って,ホストをシャットダウンします。次に説明する以外のオプションを指定した場合,エラーメッセージを出力します。
-rまたは-R
ホストを再起動します。このオプションを指定しない場合,ホストをシャットダウンします。
-oまたは-O
ホストの電源をオフにします。このオプションを指定しない場合,ホストは,シャットダウンしたあと,スタンバイ状態になります。
ホストのハードウェアの種類によっては,このオプションを指定すると,ホストが再起動される場合があります。
このオプションの指定に関係なく,jpwshutdownコマンドの実行結果はWindows設定の「グループポリシーの設定」にある「Windowsシステムのシャットダウンのときに電源を切らない」の項目の設定に依存して動作します。設定方法の詳細については,Windowsのヘルプを参照するか,またはMicrosoft社へお問い合わせください。
-fまたは-F
ホストで実行中のプロセスの終了を待たないで,ホストをシャットダウンします。このオプションを指定しない場合,プロセスの終了を待ってから,ホストをシャットダウンします。
-w△1待ち時間または-W△1待ち時間
プロセスの終了を待つ時間を設定します。待ち時間は,1から99,999(単位:秒)までの数値で指定します。このオプションを指定する場合,待ち時間を必ず指定してください。待ち時間が指定されていない場合はエラーになります。オプション-rまたはオプション-oを指定して,オプション-wを指定しない場合,待ち時間に300を指定したものとみなします。
注意事項
  • このコマンドを[電源制御装置の設定]ダイアログボックスの[自ホスト電源制御コマンド]に直接設定する場合,ホストのスケジュールに次回電源投入時刻を設定しないでください。
  • ホストのハードウェアの種類によっては,シャットダウンを指定しても,再起動してしまう場合があります。このような場合は,このコマンドを使わないでください。
  • 引数を省略した場合,プロセスの終了を待ってホストをシャットダウンまたは電源をオフします。
  • オプション-rまたはオプション-Rと,オプション-oまたはオプション-Oを同時に指定できません。
  • オプション-fまたはオプション-Fと,オプション-wまたはオプション-Wを同時に指定できません。
  • アプリケーションの稼働中に,このコマンドを実行すると,稼働中のプロセス停止に伴う確認ダイアログが表示され,シャットダウン処理が中断される場合があります。
    このような場合は,オプション-fを指定してください。
  • JP1/Power Monitorは文字コード「Unicode」には対応していません。このため,jpwsuhtdownコマンドを記述したバッチファイルを保存する場合には,文字コードを「ANSI」(シフトJIS)にして保存してください。
戻り値
なし
使用例
(例1)
電源制御装置を接続していない自ホストをスケジュールで再起動するための設定をします。手順を次に示します。
  1. jpwshutdownコマンドを記述したバッチファイルを作成する。
    バッチファイルには,次のように記述します。
    "C:\Program Files\Hitachi\JP1PowerMonitor\bin\jpwshutdown.exe" -f -r
    バッチファイルは次のファイル名で保存します。
    C:\Program Files\Hitachi\JP1PowerMonitor\bin\reboot.bat
  2. Windowsの[スタート]メニューから,[プログラム]−[JP1_Power Monitor]−[電源制御装置の設定]を選択する。
    [電源制御装置の設定]ダイアログボックスが表示されます。
  3. 任意の[定義設定位置]を指定する。
  4. [制御装置種別]に任意の名称を入力する。
  5. [自ホスト電源制御コマンド]に次のように入力する。
    C:\Program Files\Hitachi\JP1PowerMonitor\bin\reboot.bat
  6. Windowsの[スタート]メニューから,[プログラム]−[JP1_Power Monitor]−[環境設定]を選択する。
    [環境設定]ダイアログボックスが表示されます。
  7. [使用プログラム名]に[電源制御装置の設定]ダイアログボックスの[制御装置種別]に入力した名称を指定する。
  8. [カレンダー設定]ダイアログボックスまたは[年間カレンダー設定]ダイアログボックスで,スケジュールを設定したい日付または曜日を選択する。
  9. 選択した日付または曜日の[時刻設定]ダイアログボックスの[電源オフ:計画終了]または[電源オフ:強制終了]でホストを終了する時刻を設定する。
これで,設定した時間に自ホストが再起動されます。
(例2)
電源制御装置を使わない場合,または電源制御装置があっても電源オンのままで自ホストを再起動するための設定をします。手順を次に示します。
  1. jpwshutdownコマンドを記述したバッチファイルを作成する。
    バッチファイルには,次のように記述します。
    "C:\Program Files\Hitachi\JP1PowerMonitor\bin\jpwshutdown.exe" -f
    バッチファイルは次のファイル名で保存します。
    C:\Program Files\Hitachi\JP1PowerMonitor\bin\reboot.bat
  2. Windowsの[スタート]メニューから,[プログラム]−[JP1_Power Monitor]−[電源制御装置の設定]を選択する。
    [電源制御装置の設定]ダイアログボックスが表示されます。
  3. 任意の[定義設定位置]を指定する。
  4. [制御装置種別]に任意の名称を入力する。
  5. [自ホスト電源制御コマンド]に次のように入力する。
    C:\Program Files\Hitachi\JP1PowerMonitor\bin\reboot.bat
  6. Windowsの[スタート]メニューから,[プログラム]−[JP1_Power Monitor]−[環境設定]を選択する。
    [環境設定]ダイアログボックスが表示されます。
  7. [使用プログラム名]に[電源制御装置の設定]ダイアログボックスの[制御装置種別]に入力した名称を指定する。
  8. 次のコマンドを実行する。
    aompwcon /r
これで,自ホストが再起動します。
(例3)
リモート電源運用をしていて,エージェントホストがBlade Symphony上のブレードの場合の設定をします。手順を次に示します。
  1. jpwshutdownコマンドを記述したバッチファイルを作成し,保存する。
    バッチファイルには,次のように記述します。
    "C:\Program Files\Hitachi\JP1PowerMonitor\bin\jpwshutdown.exe" -f -o
    バッチファイルは次のファイル名で保存します。
    C:\Program Files\Hitachi\JP1PowerMonitor\bin\blshut.bat
  2. Windowsの[スタート]メニューから,[プログラム]−[JP1_Power Monitor]−[電源制御装置の設定]を選択する。
    [電源制御装置の設定]ダイアログボックスが表示されます。
  3. [定義設定位置]および[制御装置種別]を設定する。
    設定内容は任意です。
  4. [自ホスト電源制御コマンド]に,手順1で作成したバッチファイルのパスを指定する。
  5. Windowsの[スタート]メニューから,[プログラム]−[JP1_Power Monitor]−[環境設定]を選択する。
    [環境設定]ダイアログボックスが表示されます。
  6. [使用プログラム名]に[電源制御装置の設定]ダイアログボックスの[制御装置種別]に入力した名称を指定する。