3.4.1 IEシナリオの定義(IEシナリオファイルの作成)
PFM - Agent for Service Responseでは,IE Recorderを使用してIEシナリオを定義し,IEシナリオファイルに保存できます。IE Recorderの詳細については,「6.2 IE Recorderの画面」を参照してください。
IEシナリオの定義の流れを次に示します。各項目の内容については,括弧内の個所を参照してください。
IE Recorderを使用してIEシナリオを定義する方法を次に示します。
- 参考
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IE Recorderは,メニューバーのメニューコマンドと同様に,ツールバーの各アイコンからも操作ができます。[IE Recorder](メイン)画面のツールバーのアイコンについては,「6.2.1 [IE Recorder](メイン)画面」を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) IE Recorderの起動
IE Recorderを起動する手順を次に示します。
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IEシナリオファイルを作成するホストに,計測用アカウントでログインする。
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IE Recorder動作条件定義ファイル(jpcvierec.conf)のie_rec_browser_modeの値を設定する。
ie_rec_browser_modeの値については「表7-30 IE Recorderセクションの定義内容」のie_rec_browser_modeを参照してください。
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Windowsの[スタート]メニューから[すべてのプログラム]−[Performance Management]−[Agent Option for Service Response]−[IE Recorder]を選択する。
[IE Recorder](メイン)画面が表示されます。
(2) インターネットオプションの設定
IEシナリオを新規に作成する場合,IEシナリオを記録または計測する環境を定義するため,インターネットオプションを設定します。
インターネットオプションを設定する手順を次に示します。
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[IE Recorder](メイン)画面で,[ツール]−[インターネットオプション]を選択する。
[インターネットオプション]画面が表示されます。
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[インターネットオプション]画面で,IEシナリオを記録または計測する環境を定義する。
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[OK]ボタンをクリックする。
(3) IEシナリオの記録
[IE Recorder](メイン)画面のIEウィンドウでWebページを操作し,IEシナリオとして記録します。
IEシナリオを記録する手順を次に示します。
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[IE Recorder](メイン)画面で,[ファイル]−[新規作成]を選択する。
IEシナリオファイルが新規に作成されます。
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[IE Recorder](メイン)画面で,[アクション]−[記録]を選択する。
IEシナリオの記録が開始されます。
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[IE Recorder](メイン)画面のアドレスバーに,記録を開始するURLを入力し,Enterキーを押す。
IEウィンドウにWebページが表示されます。
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IEウィンドウで,表示されたWebページを操作する。
操作内容がIEシナリオとして記録されます。記録内容は[操作リスト]に表示されます。1回の操作だけでなく,複数の操作から成る一連の作業も,IEシナリオとして記録できます。
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[IE Recorder](メイン)画面で,[アクション]−[停止]を選択する。
IEシナリオの記録が停止されます。
(4) スコープの設定
記録したIEシナリオを,スコープ単位で部分的に計測する場合は,スコープの起点と終点を設定します。
スコープの起点と終点を,設定または削除する手順を次に示します。
(a) スコープの起点の設定
スコープの起点を設定する手順を次に示します。
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[IE Recorder](メイン)画面の[操作リスト]で,スコープの起点にしたい操作を選択する。
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[IE Recorder](メイン)画面で,[スコープ]−[起点の設定]を選択する。
[スコープ起点の設定]画面が表示されます。
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[スコープ起点の設定]画面で,起点を設定したいスコープIDを選択する。
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[OK]ボタンをクリックする。
[操作リスト]で選択した操作の前に,「START[スコープ名]」が表示されます。
(5) IEシナリオのオプション設定
記録したIEシナリオのオプションを設定することで,最適なIEシナリオの再生または計測ができるようになります。
(a) タグの特定
IEシナリオを記録したあとで,画面のレイアウト変更などを行ったために,HTMLファイル中の操作対象となるタグの属性や記述位置などが変更されることがあります。そのような場合に,IEシナリオファイルを修正しなくてもIEシナリオの計測または再生ができるように,操作対象となるタグの特定方法を指定できます。
操作対象となるタグの特定方法を設定する手順を次に示します。
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[IE Recorder](メイン)画面で,[編集]−[操作の設定]を選択する。
[操作の設定]画面が表示されます。
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[操作の設定]画面の[操作対象]タブで,記録するWebページに適したタグの特定方法を設定し,[OK]ボタンをクリックする。
操作対象となるタグの特定方法を次に示します。
- インナーテキスト
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開始タグと終了タグに囲まれたインナーテキストから,操作対象となるタグを特定します。インナーテキストを指定すると,IEシナリオの再生時に,指定したインナーテキストを含むタグが選択され,実行されます。
HTMLファイル中のインナーテキストと画面表示の例を次に示します。
図3‒3 HTMLファイル中のインナーテキストと画面表示の例 図3-3のHTMLファイルの場合,「a」タグのインナーテキスト「(株)日立製作所」をタグの特定条件に指定すると,IEシナリオファイル再生時に,「(株)日立製作所」を含むタグが選択され,実行されます。
HTMLファイルを変更した場合の,HTMLファイル中のインナーテキストと画面表示の例を次に示します。
図3‒4 HTMLファイル中のインナーテキストと画面表示の例(変更後) インナーテキストを指定する方法では,図3-4のように「(株)日立製作所」を含むタグの位置を変更しても,「(株)日立製作所」と同じインナーテキストを持つタグを検索して再生するため,IEシナリオファイルを記録し直さないで正しく再生できます。
- 属性
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タグに含まれる属性の値から,操作対象となるタグを特定します。
属性を指定すると,IEシナリオの再生時に,指定した属性の値を含むタグが選択され,実行されます。指定した属性の値を含むタグが複数ある場合,最初に記述されているタグが選択され,実行されます。属性の値が同じタグが複数ある場合は,最初に記述されているタグが選択され,実行されます。
HTMLファイル中の属性と画面表示の例を次に示します。
図3‒5 HTMLファイル中の属性と画面表示の例 図3-5のHTMLファイルの場合,「a」タグのインナーテキスト「HTML版」をタグの特定条件に指定すると,「HTML版」は重複しているため,IEシナリオを正しく再生できません。「a」タグの属性「href」をタグの特定条件に指定すると,IEシナリオファイル再生時に,IEシナリオ記録時の属性「href」の値を含むタグのうち最初に記述されているタグが選択され,実行されます。
- タグの位置
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インナーテキストや属性の値が同じタグのうち,HTMLファイルの先頭から数えて何番目にあるかというタグの位置から,操作対象となるタグを特定します。
タグの位置を指定すると,IEシナリオの再生時に,インナーテキストや属性の値が同じタグのうち,指定した位置にあるタグが選択され,実行されます。
HTMLファイル内に同じインナーテキストや属性の値を持つタグがあって,記録したIEシナリオが再生できない場合は,タグの位置を指定すると,IEシナリオが正しく再生できるようになります。
HTMLファイル内に同じインナーテキストや属性の値があるため,タグの特定条件を絞り込みたい場合は,インナーテキスト,属性およびタグの位置から,複数の項目を指定します。複数の項目を指定すると,IEシナリオの再生時に,指定したすべての条件に一致するタグが選択され,実行されます。
タグの位置を指定するときは,条件に一致するタグがHTMLファイルの先頭から数えて何番目にあるかを指定してください。
設定項目の詳細については,「6.2.2(2) [操作対象]タブ」を参照してください。
(b) レスポンス判定
IEシナリオの再生または計測を実行するときに,レスポンスが正当かどうかを判定できます。レスポンスの判定情報は,操作ごとに定義します。各操作に対応して受信したすべてのページに対して判定します。レスポンスの判定条件には,HTMLファイル内にある文字列を指定します。
指定した判定条件と一致するHTMLファイルが表示された場合は,正当なレスポンスと判定されて,再生または計測が続行されます。指定した判定条件と一致しないHTMLファイルが表示された場合は,不当なレスポンスと判定されて,再生または計測が中断されます。
レスポンスの判定条件を設定する手順を次に示します。
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[IE Recorder](メイン)画面の[操作リスト]で,スコープの起点となる操作を選択する。
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[IE Recorder](メイン)画面で,[編集]−[操作の設定]を選択する。
[操作の設定]画面が表示されます。
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[操作の設定]画面の[レスポンス判定]タブで,記録するWebページに適したレスポンス判定を設定し,[OK]ボタンをクリックする。
設定項目の詳細については,「6.2.2(3) [レスポンス判定]タブ」を参照してください。
(6) IEシナリオの確認
記録したIEシナリオを再生して,正しく計測されるかどうか確認できます。IEシナリオの確認に使用できる機能を次に示します。
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再生
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ステップ再生
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ブレークポイントの設定
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計測テスト
各機能について次に説明します。
(a) 再生
IEシナリオを,ブレークポイントまたは記録した操作の最後まで再生します。
[IE Recorder](メイン)画面で,[アクション]−[再生]を選択すると,IEシナリオの再生が開始されます。
[IE Recorder](メイン)画面で,[アクション]−[停止]を選択すると,IEシナリオの再生が停止されます。
記録したIEシナリオが正しく再生されなかった場合は,次のとおり対処してください。
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[IE Recorder](メイン)画面で,[編集]−[操作の設定]を選択し,[操作の設定]画面の[操作対象]タブで設定内容を変更する。
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記録できない操作がないかどうかを確認し,記録できない操作を実行しないようにして,再度IEシナリオを記録する。
記録できない操作については,「4.2.3(3) 記録・再生に関する注意事項」を参照してください。
(b) ステップ再生
IEシナリオの操作を1つずつ再生して,計測テストができます。
[IE Recorder](メイン)画面で,[アクション]−[ステップ再生]を選択すると,IEシナリオの操作が1つずつ再生されます。
(c) ブレークポイントの設定
IEシナリオの再生時に,ブレークポイントに設定した位置で,一時的に再生を停止させ,操作の確認やスコープの設定ができます。
ブレークポイントを設定する手順を次に示します。
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[IE Recorder](メイン)画面の[操作リスト]で,一時停止する操作を選択する。
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[IE Recorder](メイン)画面で,[アクション]−[ブレークポイントの設定]を選択する。
ブレークポイントを解除する手順を次に示します。
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[IE Recorder](メイン)画面の[操作リスト]で,設定済みのブレークポイントを選択する。
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[IE Recorder](メイン)画面で,[アクション]−[ブレークポイントの解除]を選択する。
(d) 計測テスト
IEシナリオを,記録した操作の最後まで再生します。IEシナリオの再生が終了すると,再生結果を[再生レポート]画面に表示します。[再生レポート]画面の詳細については,「6.2.8 [再生レポート]画面」を参照してください。
[IE Recorder](メイン)画面で,[アクション]−[計測テスト]を選択すると,IEシナリオの計測テストが開始されます。
記録したIEシナリオが正しく再生されなかった場合は,[再生レポート]画面の[操作の再生結果]に表示される情報を基に対処してください。