付録G.4 移行実行時の注意事項
移行実行時の注意事項を次に示します。
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移行元のPFM - Agent for Virtual Machineのバージョンは09-01以降である必要があります。PFM - Agent for Virtual Machineのバージョンが09-00以前の場合,09-01以降にバージョンアップしてください。09-00以前のバージョンで取得したバックアップファイルを移行する場合,jpctool db dmconvertコマンドでデータモデルを変換してください。
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PFM - Agent for Virtual Machineのインスタンス環境のStoreバージョンは2.0である必要があります。Storeバージョンが1.0の場合は,jpcconf db vrsetコマンドで2.0にバージョンアップしてください。
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PFM - Agent for Virtual Machineのインスタンス環境のStoreバージョン1.0で取得したバックアップファイルは,移行することができません。
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すでに存在するPFM - RM for Virtual Machineのインスタンスに移行する場合,移行元インスタンスのVM_Typeと移行先インスタンスのVM_Typeは同一である必要があります。
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移行元インスタンスのVM_Hostの値が1〜32バイトの半角英数字および"-"で設定されていない場合,-targethostオプションを指定してTarget Hostの値を設定してください。
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移行するとStoreデータベースの容量が増加します。PFM - RM for Virtual Machineの既存インスタンスに監視対象を追加して移行する場合,Storeデータベースを構成するデータベースファイルの容量が2,048MBを超える移行はできません。
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PFM - RM for Virtual Machineの既存インスタンスに監視対象を追加して移行する場合,移行先Storeデータベースの格納先ディレクトリの配下には,一時的に移行先Storeデータベースの2倍の空きディスク容量が必要です。
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PFM - RM for Virtual Machineの既存インスタンスに監視対象を追加して移行する場合,障害に備えて移行先Storeデータベースのバックアップを取得します(jpctool db backupで取得するバックアップとは異なり,移行コマンドが独自に取得します)。そのため,移行先Storeデータベースの容量が大きいと移行に時間が掛かる場合があります。
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backup2storeサブコマンド,backup2backupサブコマンドでバックアップディレクトリから移行する場合,-aobkpathオプションで指定するバックアップディレクトリおよびその配下のファイルは,読み取り・書き込み可能なアクセス許可を設定してください。
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複数のjpcaovm2rmvmコマンドを同時に実行できます。ただし,複数のコマンドで同一のPFM - Agent for Virtual Machineのインスタンスを移行元に指定したり,同一のPFM - RM for Virtual Machineのインスタンスを移行先に指定したりすることはできません。
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jpcaovm2rmvmコマンドの実行中に,PFM - RM for Virtual Machineのインスタンス・監視対象の追加や変更をしないでください。
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jpcaovm2rmvmコマンドの実行中に,jpcconf,jpctool,jpcctrl,jpcspm,jpcstart,jpcstopなどの他のコマンドを使用しないでください。
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Storeサービスのバックアップまたはエクスポート中にjpcaovm2rmvmコマンドを実行することはできません。
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jpcaovm2rmvmコマンドを[Ctrl]+[C]キーなどで中断した場合,インスタンスや監視対象が不正に作成されることがあります。必要に応じて,作成されたPFM - RM for Virtual Machineのインスタンスまたは監視対象を削除してください。
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jpcaovm2rmvmコマンドを[Ctrl]+[C]キーなどで中断した場合,特定の戻り値が返りません。そのため,中断した場合はコマンドの戻り値を無視してください。
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次の場合は,Storeデータベース内に削除前の監視対象のパフォーマンスデータが含まれているため,同じ監視対象名を指定して移行することができません。
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jpcconf target setupコマンドで監視対象を作成して一定期間パフォーマンスデータを収集後,jpcconf target unsetupコマンドで監視対象を削除した場合。
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jpcaovm2rmvmコマンドでパフォーマンスデータを移行後,jpcconf target unsetupコマンドで監視対象を削除した場合。
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jpcaovm2rmvmコマンドでパフォーマンスデータを移行中に,「KAVL20479-E Storeデータベースの移行中にエラーが発生しました」メッセージが出力される場合。または,失敗した監視対象をjpcconf target unsetupコマンドで削除した場合。
次のどれかの方法で対処してください。
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移行先のインスタンス環境を削除し,再度インスタンスの作成から移行を実行する。
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監視対象名を変更し,jpcaovm2rmvmコマンドを再実行する。
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defineonlyサブコマンドで定義情報だけを移行し,backup2backupサブコマンドで移行したバックアップファイルをjpcconf db importコマンドでインポートする。
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PFM - Agent for Virtual Machineの収集間隔(Collection Interval)はデフォルトで60秒,PFM - RM for Virtual Machineの収集プロセスの収集間隔(Interval)のデフォルトは300秒です。移行後の収集間隔・オフセットでは,共通メッセージログにKAVL20516-Wエラーが出力されることがあります。
パフォーマンスデータの収集間隔 ≧ 収集プロセスの収集間隔となるように,パフォーマンスデータの収集間隔または,収集プロセスの収集間隔を指定してください。パフォーマンスデータの収集間隔 ≧ 収集プロセスの収集間隔 となっている状態でこの現象が頻繁に発生する場合は,パフォーマンスデータの収集間隔を長くするかインスタンス環境での監視対象ホストの数を減らしてください。
パフォーマンスデータの収集間隔・オフセットについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,稼働監視システムの運用設計について説明している章を参照してください。収集プロセスの収集間隔(Interval)については,「1.3.1 パフォーマンスデータ収集の流れ」を参照してください。
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コマンドの標準出力をリダイレクトしないでください。進捗情報まで含めてコマンドの実行結果が出力されます。
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クラスタ運用で環境移行する場合,store2storeサブコマンドを使用するときには,-aolhostオプションと-rmlhostオプションで論理ホスト名を指定してください。backup2storeサブコマンドまたはbacup2backupサブコマンドを使用するときは,PFM - Agent for Virtual MachineのStoreデータベースのバックアップディレクトリを指定してください。また,クラスタ環境では実行系ノードに環境を移行した後,待機系ノードに環境定義ファイルをコピーする必要があります。環境定義ファイルのコピー方法については,「付録G.3 クラスタ環境の移行」を参照してください。
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ハイパースレッディングが有効なVMware環境を監視する場合の設定機能を有効にしているPFM - Agent For Virtual MachineからPFM - RM for Virtual Machineに移行する場合,「2.1.4(3) PFM - RM for Virtual Machineの設定」に示す手順を実施し,同じ設定に変更してください。