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JP1 Version 10 JP1/Performance Management リファレンス


jpctool alarm bind

〈このページの構成〉

形式

jpctool alarm bind     -key サービスキー
                       -table アラームテーブル名
                       -id サービスID
                       [-add]
                       [-wait 秒数]

機能

jpctool alarm bindコマンドは,定義済みのアラームテーブルをエージェントにバインドするコマンドです。

すでにアラームテーブルがバインドされているエージェントに対してこのコマンドを実行した場合,コマンド実行時に指定したアラームテーブルがバインドし直されます。

バインドするアラームテーブルに,インスタンスごとに状態変化を通知するアラームが含まれている場合,指定するサービスIDのAgent Collectorは,インスタンスごとの状態変化を通知する機能をサポートしているPFM - AgentおよびPFM - Baseで構成する必要があります。インスタンスごとの状態変化を通知する機能がサポートされていないPFM - AgentおよびPFM - Baseで構成されている場合は,KAVE05969-Eメッセージが出力されます。

また,複数のサービスIDを指定した場合,あるサービスでバインド処理がエラー終了しても,そのほかのサービスに対してバインド処理は続行されます。なお,複数のサービスに対してエラーが発生した場合,最後に発生したエラーに対する戻り値が返されます。

コマンドを実行できるホスト

PFM - Manager

実行権限

Windowsの場合

Administrators権限を持つユーザー

UNIXの場合

rootユーザー権限を持つユーザー

格納先ディレクトリ

Windowsの場合

インストール先フォルダ\tools\

UNIXの場合

/opt/jp1pc/tools/

引数

-key サービスキー

アラームテーブルをバインドしたいPFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーを指定します。プロダクト名表示機能が有効な場合はプロダクト名でも指定できます。ここで指定できるサービスキーは,PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーだけです。PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,命名規則について説明している個所を参照してください。

-table アラームテーブル名

バインドするアラームテーブル名を指定します。

1〜64バイトの全角文字,半角英数字,半角空白文字,または次に示す半角記号を指定できます。

 % - ( ) _ . / @ [ ]

ただし,半角空白文字を含む場合は「"」(ダブルクォーテーション)で囲んでください。また,半角記号を指定する場合は,必要に応じてエスケープ表記をしてください。

ワイルドカード文字は使用できません。

-id サービスID

アラームテーブルをバインドするエージェントの,サービスのサービスIDを指定します。1〜258バイトで指定します。PFM - RMの監視対象にアラームテーブルをバインドする場合は,監視対象に対応するリモートエージェントまたはグループエージェントのサービスIDを指定します。Remote Monitor CollectorサービスのサービスIDを指定した場合,エラーになります。

ワイルドカード文字を使用して,複数のサービスIDを指定することもできます。この場合,あるAgent Collectorサービス,リモートエージェントまたはグループエージェントでエラーとなっても,残りのAgent Collectorサービス,リモートエージェントまたはグループエージェントに対して処理が続行されます。また,複数のAgent Collectorサービス,リモートエージェントまたはグループエージェントに対してエラーが発生した場合,最後に発生したエラーに対する戻り値が返されます。

-add

バージョン08-50以降の場合に,アラームテーブルを追加でバインドします。すでに異なるアラームテーブルをバインドしているエージェントに対して実行した場合は,指定したアラームテーブルを追加でバインドします。また,すでに同じアラームテーブルをバインドしているエージェントに対して実行した場合は,何もしません。アラームテーブル複数バインド機能が有効に設定されていない場合はエラーとなります。また,追加でバインドした結果,バインド可能なアラームテーブルの制限値50を超える場合はエラーとなります。

指定したサービスIDすべてで指定したアラームテーブルがすでにバインドされていた場合,KAVE05353-Wメッセージを表示してコマンドを正常終了します。

-wait 秒数

同時に実行できないコマンドが実行中の場合の,最大待機秒数を指定します。この引数は,起動情報ファイル(jpccomm.ini)でアラームコマンドの実行を待機する設定(Alarm Command Wait Mode)を有効にしている場合で,jpccomm.iniファイルでの設定とは異なる秒数を指定したいときに使用します。1〜3600の数字で指定します。

指定を省略した場合,jpccomm.iniファイルでの設定秒数で動作します。

同時に実行できないコマンドについては,「アラームコマンドが同時に実行できないコマンド」を,jpccomm.iniファイルおよびAlarm Command Wait Modeについては,「付録F 起動情報ファイル(jpccomm.ini)」を参照してください。

注意事項

戻り値

0

正常終了した。

1

引数の指定に誤りがある。

2

コマンドの実行権限がない。

3

Name Serverサービス,Master Managerサービス,View Serverサービスのうち,1つ以上のサービスが起動していない。または,指定されたサービスIDに対応するPFM - AgentまたはPFM - RMがない。

4

同一マシン上で起動停止コマンドまたはほかのセットアップコマンドが実行されている。

5

PFM - Managerホスト以外で実行された。または,バインドするアラームの対象となるエージェントがセットアップされていない。

もしくは,監視二重化の場合に,セカンダリーのPFM - Managerから実行しようとした。

6

指定されたアラームテーブルがない。または,バインドできないデータモデルバージョンのアラームテーブルが指定されている。

バインド可能なアラームテーブルの制限値を超えた(08-50以降)。

11

ユーザーによって処理が中止された。

12

アラームテーブル複数バインド機能が有効に設定されていない(08-50以降)。

13

アラームテーブルをバインドするエージェントが,インスタンスごとの状態変化を通知する機能に対応していない。

100

Performance Managementの環境が不正である。

200

メモリーが不足している。

210

ディスク容量が不足している。

211

ファイルまたはディレクトリにアクセスできない。

222

通信処理でエラーが発生した。

223

通信処理でタイムアウトが発生した。

255

予期しないエラーが発生した。

使用例1

PFM - Agent for Platform(UNIX)の監視テンプレートPFM UNIX Solution Alarms 8.00を,ホスト名host01のエージェント(サービスID:UA1host01)にバインドする場合のコマンド実行例を次に示します。

jpctool alarm bind -key UNIX -table "PFM UNIX Solution Alarms 8.00" -id UA1host01

使用例2

PFM - Agent for Platform(UNIX)のアラームテーブルalarmtable1を,ホスト名がhostで始まるすべてのエージェントにバインドする場合のコマンド実行例を次に示します。

jpctool alarm bind -key UNIX -table alarmtable1 -id "UA1host*"

使用例3

サービスUA1hostAにアラームテーブル alarmtable3を追加でバインドする場合のコマンド実行例を次に示します。

jpctool alarm bind -key UNIX -table alarmtable3 -id UA1hostA -add