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JP1 Version 10 JP1/Performance Management 設計・構築ガイド


2.3.6 アラームを利用して監視する

アラームを設定することで,パフォーマンスデータがあらかじめ定義したしきい値に達したとき,PFM - Web Consoleの画面のランプ状のアイコン(アラームアイコン)が赤く点滅し,システム管理者に問題発生(アラーム)を知らせるなどができます。なお,アラーム発生時にログ(動作ログ)を出力できます。動作ログについては,「付録H 動作ログの出力」を参照してください。

アラームを利用して監視するには,監視対象のエージェントとアラームテーブルを関連づけます。この操作を「バインド」といいます。アラームテーブルのバインドでは,1つの監視エージェントに対して1つのアラームテーブルをバインドしたり,1つの監視エージェントに対して複数のアラームテーブルをバインドしたりするなどのバインド方式を選択できます。アラームテーブルのバインド方式については,「3.4.4 アラームテーブルのバインド方式の検討」を参照してください。

バインドされた時点で,Performance Managementはアラームの定義に基づいた監視を開始します。アラームテーブルの作成例とバインドの例を説明します。

〈この項の構成〉

(1) アラーム定義を作成する

ここでは,PFM - Agent for Platform(Windows)の監視テンプレートのアラームテーブル「PFM Windows Solution Alarms 8.00」をカスタマイズして「Webサーバ監視」というアラームテーブルを作成する例を紹介します。

手順を次に示します。

  1. [メイン]画面のナビゲーションフレームで,[アラーム階層]タブを選択する。

  2. [アラーム階層]画面のナビゲーションフレームで,「Windows」フォルダの下位の階層を展開する。

  3. ナビゲーションフレームのアラーム階層から「PFM Windows Solution Alarms 8.00」を選択する。

    「PFM Windows Solution Alarms 8.00」にチェックマークが表示されます。

  4. メソッドフレームで[コピー]メソッドを選択する。

  5. [コピー > 名称入力[アラームテーブル]]画面の[新しいアラームテーブル名]に「Webサーバ監視」と入力する。

    注意

    アラームテーブル名は任意に命名できますが,先頭文字に「PFM」を指定することはできません。

  6. [OK]ボタンをクリックする。

    [アラーム階層]画面のナビゲーションフレームに,作成したアラームテーブルが追加されます。

  7. 作成したアラームテーブルのCPUの監視条件を編集したいので,「CPU Usage」アラームを選択する。

    「CPU Usage」アラームにチェックマークが表示され,メソッドフレームに[編集]メソッドが表示されます。

  8. メソッドフレームの[編集]メソッドを選択する。

  9. [編集 > 基本情報]画面の[高度な設定]の,次の項目の値を変更する。

    [発生頻度]の設定を次のように変更します。

    • 「4」回しきい値超過/「5」インターバル中

      図2‒6 [編集 > 基本情報]画面の変更例

      [図データ]

    発生頻度とは

    発生頻度とは,「何回のインターバル中に何回しきい値を超過したら通知するか」を設定する項目です。この項目を設定することで,CPUが継続的に高負荷となる状態のときだけ通知する,などの運用ができます。

  10. [完了]ボタンをクリックする。

(2) アラームテーブルとエージェントをバインドする

作成したアラームテーブルとエージェントをバインド(関連づけ)します。バインドされた時点で,Performance Managementはアラームの定義に基づいた監視を開始します。1つの監視エージェントに対して1つのアラームテーブルをバインドする手順を次に示します。

  1. [メイン]画面のナビゲーションフレームで,[エージェント階層]タブを選択する。

  2. [エージェント階層]画面のナビゲーションフレームで,作成したアラームテーブルをバインドするエージェントを選択する。

  3. メソッドフレームで[アラームテーブルのバインド]メソッドを選択する。

  4. [アラームテーブルのバインド[アラームテーブル選択]]画面のインフォメーションフレームに表示されたアラームテーブルの階層からバインドしたいアラームテーブルを選択する。

    選択したアラームテーブルにチェックマークが表示されます。

  5. [OK]ボタンをクリックする。

    エージェントにアラームテーブルがバインドされると,アラームテーブルの定義に基づいた監視が開始されます。

  6. メソッドフレームで,[アラームの状態の表示]メソッドを選択する。

    図2‒7 [アラームの状態の表示]画面の表示例

    [図データ]

    バインドされているアラームテーブルに定義されているアラームが表示されます。

    アラームが発生した場合は,アラームアイコンがアラームの状態を示す色で表示されます。アラームアイコンをクリックすると,アラームの[プロパティ]画面が表示され,アラームの定義内容を確認できます。

    また,「ヘルスチェックステータス」に表示されるメッセージによって監視エージェントの稼働状態を確認できます。

ここでは,監視テンプレートのアラームテーブルをコピーし,カスタマイズして使用する方法を紹介していますが,監視テンプレートのアラームテーブルをそのまま使用することもできます。また,監視テンプレートを使わないで固有のアラームテーブルを定義することもできます。アラームテーブルの定義方法の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,アラームによる稼働監視について説明している章を参照してください。