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JP1 Version 10 JP1/Integrated Management - Service Support 構築・運用ガイド


3.16.3 案件の集計データのファイル出力

案件の状況を集計したCSVファイルは,次の図に示す[集計データのファイル出力]画面でダウンロードできます。なお,案件ごとに参照権限を設定している場合,案件の参照権限所有者として設定されていない案件も集計されたCSVファイルとなります。

図3‒38 [集計データのファイル出力]画面

[図データ]

ファイル出力したい集計データの条件を指定して,[データのダウンロード]ボタンをクリックします。

集計データの絞り込み条件を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) 出力されるCSVファイルの内容

[集計データのファイル出力]画面からは,案件データCSVファイル(OutputItemData.csv)およびコードデータCSVファイル(OutputItemCodeData.csv)の二つのCSVファイルを出力できます。

案件データCSVファイルの出力項目を次に示します。

表3‒42 案件データCSVファイルの出力項目

項目

説明

製品名称

「JP1/IM - Service Support」。

バージョン情報

出力されるファイルのバージョン。

文字コード

「MS932」。

データ集計日

案件集計コマンドを実行した日付。

集計単位

出力した集計単位。

システムID

集計データを出力したシステムのシステムID。

システム名

集計データを出力したシステムのシステム名。

プロセス名

集計データを出力したプロセスのプロセス名。

出力種別

次の8種類の種別に対応した1〜8の数値。

  • 1:登録案件数。

    対象期間に登録された案件数を出力する。案件の発生傾向をプロセスごとに分析したレポートなどを作成するために使用する。

  • 2:クローズ以外の案件数。

    対象期間の終了時に,ステータスがクローズ以外の案件数を出力する。出力種別1の「登録案件数」と併用し,案件の処理率を分析したレポートを作成するために使用する。

  • 3:クローズした案件数。

    対象期間にクローズした案件数を出力する。クローズした案件の傾向をプロセスごとに分析したレポートなどを作成するために使用する。

  • 4:クローズした案件の平均所要時間。

    対象期間にクローズした案件の平均所要時間を出力する。案件の平均処理時間を分析したレポートなどを作成するために使用する。

  • 5:クローズした案件のうち,作業期限が設定されている案件数。

    対象期間にクローズした案件で,作業期限が設定されている案件数を出力する。案件の平均処理時間を分析したレポートなどを作成するために使用する。

  • 6:作業期限内にクローズした案件数。

    対象期間にクローズした案件で,作業期限内にクローズした案件数を出力する。作業期限内にクローズした案件の処理率を分析したレポートなどを作成するために使用する。

  • 7:クローズした案件で費用(実績)が設定されている案件数。

    対象期間にクローズした案件で,費用(実績)が設定されている案件数を出力する。出力種別8の「クローズした案件の使用費用(実績)の合計」と併用し,1案件当たりの平均費用を分析したレポートなどを作成するために使用する。

  • 8:クローズした案件の使用費用(実績)の合計。

    対象期間にクローズした案件で使用した費用(実績)の合計を出力する。出力種別7の「クローズした案件で費用(実績)が設定されている案件数」を併用し,1案件当たりの平均費用を分析したレポートなどを作成するために使用する。

集計期間

集計期間内に集計された案件の数,平均所要時間,使用費用(実績)の合計のどれかの値。

注※

ここで示している「クローズ」はステータスID「JIMSD_STAT_CLOSE」のステータスのことです。ステータスのカスタマイズによって,ステータス名称が「クローズ」ではない場合があります。ステータスのカスタマイズについては,「3.15 ステータスの管理」を参照してください。

コードデータCSVファイルの出力項目を次に示します。

表3‒43 コードデータCSVファイルの出力項目

項目

説明

システムID

集計データを出力したシステムのシステムID。

システム名

集計データを出力したシステムのシステム名。

プロセス名

集計データを出力したプロセスのプロセス名。

フォームID

案件フォームID。

フォームVR

フォームバージョン。

コード種別

コード種別,実コードおよびコード表示名の詳細については,「12. 定義ファイル」の「コードマッピングファイル(jp1imss_itemimport_codemap.conf)」を参照。コード種別のJIMSD_CODE_XXXXXXXX部分がセクション,実コードが値,コード表示名がキーに対応する。

実コード

コード表示名

集計期間

集計期間内に集計された案件の数。

集計の対象となるのは,対象期間にクローズした案件だけです。

案件フォームをカスタマイズしてコードを追加した場合は,追加したコードも出力されます。

(2) マクロのダウンロード

出力したCSVファイルからレポートを作成するためのマクロ(サンプル)をダウンロードできます。マクロをダウンロードするには,次に示す方法があります。

なお,サンプルのマクロは,変更したり,ユーザーが作成したマクロに置き換えたりすることもできます。

注意事項
  • JP1/IM - Service Supportに格納できるマクロは一つだけです。ユーザーが作成したマクロに置き換える場合にはIM-SSパス\home\public\report\フォルダ内のjss_report.xlsを削除し,同フォルダ内にユーザーが作成したマクロを格納してください。なお,マクロのファイル名はjss_report.xlsで固定です。別名のファイルを格納しても,JP1/IM - Service Supportの画面からはダウンロードできません。

  • JP1/IM - Service Supportは,サンプルのマクロのモデルファイル(IM-SSパス\home\public\report\jss_report.xls.model)を提供しています。モデルファイルはカスタマイズしたマクロの内容をリセットする場合に利用してください。jss_report.xlsを削除し,モデルファイルをコピー,リネームすることでjss_report.xlsとして使用できます。

サンプルのマクロを使用したレポートの作成例を次の図に示します。

図3‒39 集計データを基にしたレポート作成例

[図データ]

サンプルのマクロでは,10種類のレポートを作成できます。作成できるレポートの種類を次の表に示します。

表3‒44 サンプルのマクロで作成できるレポートの種類

項番

種類(単位)

説明

対象プロセス

1

案件総数(件)

すべてのステータスに登録されている案件数が集計される。なお,登録日時が設定されていない案件は,集計の対象外となる。

プロセスごとの案件発生傾向を分析するために使用できる。

CSVに出力された全プロセス

2

案件処理平均所要時間(時間)

一定期間の案件処理所要時間(クローズした案件の更新日時と登録日時の差)の和を,クローズした案件数で割った値が集計される。なお,登録日時が設定されていない案件は,集計の対象外となる。

プロセス内の案件の処理時間を確認して,早期回答の目安に使用できる。

CSVに出力された全プロセス

3

作業期限内処理率(%)

作業期間内に案件がクローズした処理率が集計される。

期限内の回答の指標を出すために使用できる。

CSVに出力された全プロセス

4

一次サポート解決率(%)※1

クローズした案件で解決区分が設定されている案件のうち,解決区分が「ナレッジ」,「ドキュメント」に設定されている案件の割合が集計される。

プロセス内のサポート品質の状況を確認するために使用できる。

インシデント管理

5

問題分野の内訳(件および%)※1

クローズした案件で問題分野の項目が設定されている案件に対する,各問題分野の割合が集計される。

システムごとの傾向を分析するために使用できる。

インシデント管理,問題管理

6

結果の内訳(件および%)※1

クローズした案件で結果の項目が設定されている案件に対する,各結果の割合が集計される。

システムごとの傾向を分析するために使用できる。

CSVに出力された全プロセス

7

要因の内訳(件および%)※1

クローズした案件で要因の項目が設定されている案件数に対する,各要因の割合が集計される。

システムごとの傾向を分析するために使用できる。

CSVに出力された全プロセス

8

案件当たりの平均使用費用(なし)※2

クローズした案件で,費用(実績)が設定されている案件の平均値が集計される。

一案件当たりに使用する費用の確認や,全体的にコストが掛かっていないかを確認するために使用できる。

変更管理,リリース管理

9

案件の処理率(%)

一定期間内で,クローズした案件数を登録された案件数で割った値が集計される。

作業の効率を確認するために使用できる。

CSVに出力された全プロセス

10

類似案件率(%)※1

クローズした案件で,要因に「既知のソフトウェア不良」または「既知のハードウェア不良」が設定されている案件数が集計される。

同件の発生傾向を確認するために使用できる。

インシデント管理,問題管理

注※1

案件フォームのカスタマイズによって,案件項目の選択肢を変更した場合,マクロが正しく動作しません。案件フォームと同様に,マクロのカスタマイズも検討してください。

注※2

費用の単位はユーザーの運用によって異なるため,特に定めていません。