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JP1 Version 10 JP1/Integrated Management - Manager 構築ガイド


6.3.3 論理ホストのインストール・セットアップ(バージョンアップインストール・セットアップの場合)

JP1/IM - Managerの論理ホストのバージョンアップインストールおよびセットアップについて説明します。なお,同じ論理ホストにJP1/Baseをセットアップする必要がありますので,あわせて説明します。

作業を始める前に,クラスタシステムについて次の情報を確認してください。

表6‒12 論理ホストのインストール・セットアップ前の確認(UNIX)

確認項目

説明

論理ホスト名

JP1を実行する論理ホストのホスト名

論理IPアドレス

論理ホスト名に対応するIPアドレス

共有ディレクトリ

論理ホストのJP1の実行環境ファイル一式を格納する共有ディスク上のフォルダ

また,これらが「6.1.2 クラスタ運用の前提条件」を満たしていることを確認してください。

確認ができたら,インストール・セットアップを始めます。

なお,論理ホスト名は,英大文字・英小文字を区別します。論理ホスト名には,JP1/Baseで設定した論理ホスト名を英大文字・英小文字を含めて正確に指定してください。誤った論理ホスト名を指定し,論理ホストのインストール・セットアップを行ってしまった場合は,IMデータベースと論理ホストを削除してから,再度,論理ホストのインストール・セットアップを行ってください。IMデータベースと論理ホストの削除については,「6.3.6 IMデータベースと論理ホストの削除」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) インストール

実行系サーバ,待機系サーバそれぞれのローカルディスク上にJP1/IM - ManagerおよびJP1/Baseをインストールしてください。

  1. 設定情報とデータベースをバックアップする。

    バックアップの方法は,過去のバージョンのマニュアルを参照してください。

  2. JP1/Baseをインストールする。

  3. JP1/IM - Managerをインストールする。

(2) 物理ホスト環境のセットアップ

物理ホストのJP1/IM - Managerを使う場合は,「2.18.5 バージョンアップ時の設定」の手順に従ってセットアップを行ってください。

(3) 論理ホスト環境(実行系)のセットアップ

セントラルスコープの機能を使用する場合は,手順6から手順8が必要になります。セントラルスコープの機能を使用しない場合は,手順6から手順8を飛ばしてください。

  1. JP1/IM - Managerを停止する。

    物理ホスト環境,論理ホスト環境すべてのJP1/IM - Managerを停止してください。

  2. JP1/Baseの論理ホスト環境のセットアップをする。

    JP1/Baseをバージョンアップした場合には,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のインストール・アンインストール時の注意事項の説明を参照し,セットアップをしてください。JP1/Baseをバージョンアップしなかった場合にはセットアップの必要はありません。

  3. 共有ディスクが使用可能なことを確認する。

  4. jp1cohaverupコマンドを実行する。

    /opt/jp1cons/bin/jp1cohaverup -h 論理ホスト名

  5. イベント取得フィルターの位置をイベント基盤サービスに変更する場合はjcochafmodeコマンドを実行する。

    /opt/jp1cons/bin/jcochafmode -h 論理ホスト名

  6. ディスクの空き容量を確認する。

    JP1/IM - Managerをバージョンアップするには,/var/opt/jp1scope/database/下のディスク容量分の空き容量が,ハードディスクに必要です。

  7. jp1cshaverupコマンドを実行する。

    /opt/jp1scope/bin/jp1cshaverup -h 論理ホスト名 -w 作業フォルダ

  8. jbssetcnfコマンドを実行する。

    次に示す機能の有効,無効は旧バージョンのJP1/IM - Managerまたはセントラルスコープの設定に依存します。

    • 対処済み連動機能

    • 状態変更イベントの上限監視

    機能を無効から有効にしたい場合,次の表に示すファイルを引数にjbssetcnfコマンドを実行してください。

    表6‒13 機能を有効にするための設定ファイル

    ファイル名

    説明

    action_complete_on.conf

    対処済み連動機能を有効にするためのファイルです。

    evhist_warn_event_on.conf

    監視オブジェクトの状態変更イベント件数が上限値(100件)を超えた際に,JP1イベントを発行する機能を有効にするためのファイルです。

  9. 共通定義情報を退避する。

    /opt/jp1base/bin/jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > 共通定義情報退避ファイル名

(4) 共通定義情報のコピー

  1. JP1/IM - Managerを停止する。

    物理ホスト環境,論理ホスト環境すべてのJP1/IM - Managerを停止してください。

  2. 実行系で退避した共通定義情報退避ファイルを待機系にコピーする。

    FTPなど任意の方法でコピーしてください。

  3. 共通定義情報を設定する。

    /opt/jp1base/bin/jbssetcnf 共通定義情報退避ファイル名