画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発・実行ガイド

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7.5.1 プリンタ構成ファイル(X3PPINF)

プリンタ構成ファイルには,Windowsで設定されたプリンタについて,印刷モード,オプションなどの環境を設定します。ここでは,XMAP3で提供するプリンタ構成ファイル(X3PPINF)について説明します。

なお,プリンタ構成ファイルは直接開いて確認することもできますが,設定方法を誤るなどしてファイルの内容が不正になると帳票が正しく印刷されなくなるため,十分な注意が必要です。このため,通常は表示・印刷セットアップを使用して設定するようにしてください。

また,プリンタ構成ファイルは印刷拡張セットアップでも使用されます。印刷拡張セットアップの詳細については,「12. 印刷拡張セットアップ」を参照してください。

<この項の構成>
(1) プリンタ構成ファイルのファイル名
(2) プリンタ構成ファイルの記述形式
(3) プリンタ構成ファイルの設定内容
(4) プリンタ構成ファイルで設定するオプション機能
(5) プリンタ構成ファイル(X3PPINF)の注意事項
(6) 設定例

(1) プリンタ構成ファイルのファイル名

プリンタ構成ファイルのファイル名を次に示します。

(2) プリンタ構成ファイルの記述形式

プリンタ構成ファイルの記述形式を次に示します。

[図データ]

(3) プリンタ構成ファイルの設定内容

プリンタ構成ファイルの設定内容について説明します。

(a) printerキーの設定

XMAP3で使用するプリンタデバイス名とWindows上に作成したプリンタの対応を設定します。

なお,このキーで設定したプリンタデバイスに対する印刷モードと印刷オプションは,必ず対応するプリンタデバイスキーを作成しそのキーに設定するようにしてください。

(b) プリンタデバイス名キーの設定

Printersキーに設定したプリンタデバイス名に対する,印刷モードと印刷オプションを設定します。

 
印刷モードの
メンバ名
各印刷モードの指定値
LIPS III ESC/P GDI(ページ)
PrintType 2 0 3
PaperInsert -1 -1 -1
PaperType 1 2 1
PDLLevel 1 -1 -1
PDLThrough 0 1 0
PrinterDPI 1 0 1

 

印刷モードの
メンバ名
各印刷モードの指定値
GDI(シリアル) 日立製インサータ
(0mm)
日立製インサータ
(19mm)
PrintType 3 1 1
PaperInsert -1 0 1
PaperType 1 2 2
PDLLevel -1 -1 -1
PDLThrough 0 1 1
PrinterDPI 0 0 0

 

印刷モードの
メンバ名
各印刷モードの指定値
日立FAXC/SPOOL出力:
ページプリンタ
日立FAXC/SPOOL出力:
シリアルインパクトプリンタ
PrintType 6 6
PaperInsert -1 -1
PaperType 1 1
PDLLevel 1または2 1または2
PDLThrough 0 0
PrinterDPI 01または11 00または10

 

印刷モードの
メンバ名
各印刷モードの指定値
PDFファイル出力:網掛け/グラフィック/書式用
PrintType 7
PaperInsert -1
PaperType 1
PDLLevel -1
PDLThrough 0
PrinterDPI 1

印刷モードのメンバ名「PDLLevel」と「PrinterDPI」は,該当する印刷サービスがプリンタ出力かFAXスプール出力かPDFファイル出力かによって,次のように意味が異なります。

印刷モード
のメンバ名
プリンタ出力 FAXスプール出力
設定値 意 味 設定値 意 味
PDLLevel -1 LIPSのPDLレベル=LIPS II+ 1 圧縮方式=MH方式
1 LIPSのPDLレベル=LIPS III 2 圧縮方式=MR方式
PrinterDPI 0 シリアルインパクトプリンタ換算=180DPI 00 副走査線密度=ファイン
FAX出力:シリアルインパクトプリンタ=180DPI
1 ページプリンタ換算=240DPI 10 副走査線密度=ノーマル
FAX出力:シリアルインパクトプリンタ=180DPI
01 副走査線密度=ファイン
FAX出力:ページプリンタ=240DPI
11 副走査線密度=ノーマル
FAX出力:ページプリンタ=240DPI

 

印刷モード
のメンバ名
PDFファイル出力
設定値 意 味
PDLLevel -1 無効
PrinterDPI 1 ページプリンタ換算=240DPI
 
印刷オプションのメンバ名 「使用する」を選択したときの意味
PrintJob 出力帳票ファイルをプリントマネージャ中に,APの開始〜終了(またはDISABLE文)の単位で登録する。
UsePrintManager 日立拡張プリンタマネージャのページリカバリ,および用紙切り替え機能が使用できる。
IgnorePagesize 帳票定義中で指定された用紙サイズを無効にし,プリンタドライバの設定に従う。
UseDriverMargin 02-01のマージンと合わせる(GDIだけ有効)
UsePrintDialog [印刷中]ダイアログを表示する。

上記オプションは,印刷モード別に指定できる項目とできない項目があります。次に印刷モード別に有効となるオプションを示します。

印刷オプションの
メンバ名
印刷モード
LIPS III ESC/P GDI(ページ)
PrintJob
UsePrintManager
IgnorePagesize × ×
UseDriverMargin × ×
UsePrintDialog

 

印刷オプションの
メンバ名
印刷モード
GDI
(シリアル)
日立製インサータ
(0mm)
日立製インサータ
(19mm)
PrintJob
UsePrintManager
IgnorePagesize × × ×
UseDriverMargin × ×
UsePrintDialog

 

印刷オプションの
メンバ名
印刷モード
PDFファイル出力:網掛け/グラフィック/書式用
PrintJob
UsePrintManager ×
IgnorePagesize ×
UseDriverMargin ×
UsePrintDialog

(凡例)
○:有効。
×:無効。

(4) プリンタ構成ファイルで設定するオプション機能

プリンタ構成ファイルで設定するオプション機能について説明します。ここでは,表示・印刷セットアップでは設定できない,プリンタ構成ファイルを直接開いて設定する項目だけを説明します。

(a) EAN-128バーコードの印字幅調整

EAN-128バーコードの安定した印字品質と読み取り精度を確保するために,バーコード全体のバーの印字幅を調整できます。

この機能を使用するためには,プリンタ構成ファイルをテキストエディタで開き,「option」セクションにEAN-128バーコード解像度(デバイス名.BarcodeEanDPI)とEAN-128バーコード調整ドット数(デバイス名.BarcodeEanDOT)を追加します。このとき,デバイス名に「*」を指定すると,プリンタ構成ファイルに記載したすべての印刷サービスに対して,共通の内容を設定できます。この機能は,印刷モードが「GDI:ページプリンタ」か「PDFファイル出力:網掛け/グラフィック/書式用」のときだけ使用できます。

EAN-128バーコード解像度とEAN-128バーコード調整ドット数の設定は,XMAP3で帳票を印刷する前に実施してください。

この設定が無効の場合には,通常の描画設定(300dpiで調整ドットなし)で印字します。

次にプリンタ構成ファイルで設定するEAN-128バーコード解像度とEAN-128バーコード調整ドット数の設定内容を示します。

EAN-128バーコード解像度デバイス名.BarcodeEanDPI=

XMAP3がバーコードを印刷するときに生成するEAN-128バーコードデータの解像度(dpi)を指定します。設定できる値は次のとおりです。なお,次に示す値以外が指定された場合の動作は保証されません。

300,600,900,1200,1500

EAN-128バーコード調整ドット数デバイス名.BarcodeEanDOT=

EAN-128バーコード解像度で指定した解像度(dpi)に従って生成されたバーコードパターンに対して微調整(幅の増減)する量をドット単位で表した「EAN-128バーコード調整ドット数」を指定します。

EAN-128バーコード調整ドット数を指定すると,指定したドット数分がバーコードパターンの左右から均等に調整されます。−(マイナス)の値を指定したときは,バーコードパターンのうち,右側を優先とし,右,左の順に,バーコード幅を小さくします。+(プラス)の値を指定したときは,左側を優先とし,左,右の順に,バーコードの幅を広くします。条件に合わない場合は,無効となります。

EAN-128バーコード解像度の指定値に対応するEAN-128バーコード調整ドット数の範囲を次に示します。

BarcodeEanDPIの指定値(dpi) BarcodeEanDOTの指定範囲(dot)
300 -1 〜 1
600 -3 〜 3
900 -5 〜 5
1200 -7 〜 7
1500 -9 〜 9

EAN-128バーコード調整ドット数が「0」の場合,描画時のドット調整はされません。

(b) EAN-128バーコードのスタート/ストップキャラクタの印字幅調整

EAN-128バーコードの,スタート/ストップキャラクタの印字幅だけを調整できます。EAN-128バーコード全体の印字幅を調整する機能と併用することで,バーコードの読み取り精度を向上できます。

この機能を使用するためには,プリンタ構成ファイルをテキストエディタで開き,「option」セクションにEAN-128バーコードのスタート/ストップキャラクタの印字幅調整ドット数(デバイス名.BarcodeEanSSDOT)を追加します。この機能は,印刷モードが「GDI:ページプリンタ」または「PDFファイル出力:網掛け/グラフィック/書式用」のときだけ使用できます。

なお,この機能は,EAN-128バーコードの印字幅を調整する機能と併用することもできます。EAN-128バーコードの印字幅を調整する機能も使用する場合は,「option」セクションにEAN-128バーコード解像度(デバイス名.BarcodeEanDPI),EAN-128バーコード調整ドット数(デバイス名.BarcodeEanDOT)も追加します。

EAN-128バーコード調整ドット数の設定は,XMAP3で帳票を印刷する前に実施してください。

次にプリンタ構成ファイルで設定するEAN-128バーコードのスタート/ストップキャラクタ調整ドット数の設定内容を示します。

●EAN-128バーコードのスタート/ストップキャラクタ調整ドット数(デバイス名.BarcodeEanSSDOT)

EAN-128バーコード解像度に従って生成したバーコードパターンのうち,スタート/ストップキャラクタに対して,モジュール幅を増減する量をドット単位で表した,スタート/ストップキャラクタ調整ドット数を指定します。スタート/ストップキャラクタ調整ドット数を指定すると,印刷実行時には,指定したドット数分がスタート/ストップキャラクタのバーコードパターンの左右から均等に調整されます。−(マイナス)の値を指定したときには,バーコードパターンのうち,右側を優先とし,右,左の順にバーコードの幅を小さくします。+(プラス)の値を指定したときは,左側を優先とし,左,右の順にバーコードの幅を広くします。

なお,設定値が不正な場合は,この機能は無効となります。

EAN-128バーコードのスタート/ストップキャラクタ調整ドット数の範囲を次に示します。なお,範囲は,EAN-128バーコードの印字幅調整機能を使用している場合と使用していない場合で異なります。

(c) EAN-128バーコードの印字幅を調整する場合の注意事項

バーコードの印字幅を調整するときは,次の点に注意してください。

(5) プリンタ構成ファイル(X3PPINF)の注意事項

プリンタ構成ファイル(X3PPINF)では,次の点に注意してください。

(6) 設定例

GDIモードで,ページプリンタとシリアルインパクトプリンタのそれぞれを設定したときの設定例を示します。

[図データ]

日立FAXC/SPOOLと連携してFAX出力する場合の設定例を次に示します。

「*」は,「通常使うプリンタ」への割り当て機能を使用する場合の設定です。FAXスプール出力用の印刷サービスに設定するプリンタ名(ドライバ名)は,表示・印刷セットアップの[プリンタ]タブの項目「プリンタ名(ドライバ名)」のプリンタ名称です。

[図データ]

PDFファイル出力する場合の設定例を次に示します。

[図データ]

EAN-128バーコードの印字幅を調整する場合の設定例を次に示します。

[図データ]

EAN-128バーコードのスタート/ストップキャラクタの印字幅を調整する場合の設定例を次に示します。

[図データ]