画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発・実行ガイド

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5.1.1 実行環境とは

XMAP3は,開発したAPの実行に必要なランタイムシステムを提供しています。AP実行時は,このランタイムシステムをあわせて使用する必要があります。したがって,開発したAPをほかのPCに移動するときは,このランタイムシステムやマップが必要になります。APとXMAP3ランタイムシステムに,PCやプリンタなどの機器を合わせたものを,XMAP3の実行環境といいます。

ランタイムシステムは,XMAP3のランタイムルーチン(例:XMAP3/NET Run Time System)か開発環境(例:XMAP3/NET)をインストールすることで組み込まれます。あらかじめインストールしたランタイムシステムをほかのPCへコピーすることはできません。

またXMAP3 印刷拡張機能をインストールすることで,帳票出力時のプリンタ給紙トレイの設定や,帳票中に指定された標準/明朝/ゴシックの書体に対する出力時のフォントを,それぞれの任意のフォントに変更できる機能をランタイムシステムで利用できます。

<この項の構成>
(1) ランタイムシステムとして提供されるコンポーネント
(2) XMAP3 印刷拡張機能で提供されるコンポーネント
(3) 実行環境の構成

(1) ランタイムシステムとして提供されるコンポーネント

ランタイムシステムとして提供されるコンポーネントを次の表に示します。

表5-1 ランタイムシステムとして提供されるコンポーネント

コンポーネント 概要
マッピングライブラリ(APインタフェース)※1 COBOL,C,VBなどのインタフェース
表示サービス・印刷サービス※1 表示・印刷の入出力サービス
XMAP3スタンドアロン※1
(表示サービス・印刷サービスを提供)
スタンドアロン構成での画面表示・帳票印刷の実行制御機能
XMAP3クライアント※1 ※2
(表示サービス・印刷サービスを提供)
C/Sシステムでの画面表示・帳票印刷の実行制御機能(XMAP3/REPORT3では提供されません)
XMAP3サーバ※1※2
(表示サービス・印刷サービスを提供)
C/Sシステムでの画面表示・帳票印刷の実行制御機能(XMAP3/REPORT3では提供されません)
表示・印刷セットアップ 画面,帳票,およびAP実行環境の設定ツール
C/Sセットアップ※2 XMAP3のC/Sシステム実行環境の設定ツール(XMAP3/REPORT3では提供されません)
ユティリティ 実行環境セットアップファイルを対象にした環境ファイル操作(バックアップ・リストア)機能
(XMAP3/REPORT3では提供されません)
ロギング支援 実行ログの採取と実行環境の確認ツール
ハードコピー 実行時の画面ハードコピーを採取するツール

注※1
これらのコンポーネントをまとめて「XMAP3実行支援」といいます。

注※2
ターミナルサービス構成の実行環境では利用できません。

(2) XMAP3 印刷拡張機能で提供されるコンポーネント

XMAP3 印刷拡張機能で提供されるコンポーネントを次の表に示します。

表5-2 XMAP3 印刷拡張機能で提供されるコンポーネント

コンポーネント 概要
印刷拡張セットアップ プリンタ給紙トレイや出力帳票のフォントの設定ツール

(3) 実行環境の構成

XMAP3の実行環境の構成とファイルの関連を次の図に示します。

図5-1 実行環境の構成とファイルの関連

[図データ]

この図に示すようなXMAP3を使った画面表示,および帳票印刷するときに扱うファイルを次の表に示します。なお,表中の入出力区分は,XMAP3ランタイムシステムから見た区分になります。

表5-3 XMAP3の実行環境で画面表示および帳票印刷時に扱うファイル

ファイル名 概要 入出力区分 関連コンポーネント
1 定義体 物理マップファイル(.pmp) 画面表示・帳票印刷の実行時に使用するマッピング情報を格納する 入力 表示/印刷サービス
書式イメージファイル(.fmp) 書式オーバレイ印刷の実行時に使用する書式情報を格納する 入力 印刷サービス
行制御データファイル(.pci) 書式オーバレイ印刷の実行時に使用する行データの配置情報を格納する 入力 印刷サービス
2 ユ|ザ
作成
ファイル
出力グラフィック用ファイル1 グラフィックデータを格納する 入力 表示/印刷サービス
FAX宛先ファイル
2
FAX宛先情報を格納する 入力 印刷サービス
ポップアップメニューファイル(.csv)3 ポップアップメニューデータを格納する 入力/
出力
ユティリティ,表示サービス
ウィンドウアイコンファイル(.ico)
4
ユーザ定義のウィンドウアイコンを格納する 入力 表示サービス
PDFファイル5 PDFファイル形式の帳票を格納する 出力 印刷サービス
3 実行環境セットアップファイル6 実行時の画面,帳票,AP,C/Sシステムのそれぞれの環境の設定情報を格納する 入力/
出力
表示・印刷セットアップ,C/Sセットアップ,印刷拡張セットアップ※7
4 ログ採取環境設定ファイル ロギング支援でのログ採取のための設定情報を格納する 入力/
出力
ロギング支援
ログファイル ロギング支援で採取されたログ情報を格納する 出力 ロギング支援
5 バックアップファイル(.sbk) バックアップされた実行環境セットアップファイルの情報を格納する 入力/
出力
ユティリティ

注※1
表示・印刷セットアップで,格納フォルダを指定します。出力グラフィック用ファイル名は,APから出力情報として指定されます。なお,APからの出力情報には,出力グラフィック用ファイルを使用する以外に,Windows上のクリップボードを使用する指定もできます。

注※2
表示・印刷セットアップで,格納フォルダを指定します。ファイル名は印刷するサービス名と同じです。

注※3
表示・印刷セットアップで,格納フォルダを指定します。ポップアップメニューファイル名は,APから出力情報として指定されます。なお,ポップアップメニューファイルはユティリティのポップアップメニューエディタで作成できます。

注※4
表示・印刷セットアップで,ファイルを設定します。

注※5
表示・印刷セットアップで,格納フォルダを指定します。PDFファイル名については,「7.3.6 帳票のPDFファイル出力」を参照してください。

注※6
表示・印刷セットアップおよびC/Sセットアップで扱う複数のファイルの総称です。実行環境セットアップファイルについては,「5.1.2 実行環境の設定概要」を参照してください。

注※7
印刷拡張セットアップでは,一部の実行環境セットアップファイルを使用します。