システムの負荷分散と多重化を実現するためのシステム構成は次のとおりです。また，それぞれの構成を組み合わせることもできます。

ロードバランサを使用して処理の自動振り分けを行う構成

複数台の印刷管理サーバを設定し，ロードバランサによって処理を並列で実行させて負荷分散する構成です。印刷管理サーバへの処理の振り分けはロードバランサが自動的に行います。そのため，帳票の種類や業務によって特定の印刷管理サーバに処理を振り分けたい場合には適していませんが，手軽に負荷分散できます。

なお，一方の印刷管理サーバで障害が発生した場合，ロードバランサの設定変更によって処理を切り替えることができ，EUR Print Manager - Adapterの設定変更は必要ありません。

詳細については，「付録D.2　ロードバランサを使用した構成」を参照してください。

EUR Print Manager - AdapterのIPアドレス指定で処理の振り分けを行う構成

複数台の印刷管理サーバを設定し，処理を並列で実行させて負荷分散する構成です。

EUR Print Manager - Adapterで印刷管理サーバのIPアドレスを指定することで，印刷管理サーバへの処理の振り分けを行うため，帳票の種類や業務によって明示的に制御できます。

なお，一方の印刷管理サーバで障害が発生した場合，事前に業務アプリケーション側で設定しておくことにより，EUR Print Manager - Adapterのプロパティを変更して処理を切り替えられます。

詳細については，「付録D.3　IPアドレス指定で処理の振り分けを行う構成」を参照してください。

EUR Print Manager - Adapterのポート番号指定で処理の振り分けを行う構成

1台の印刷管理サーバでEUR Print Managerを複数起動する構成です。印刷管理サーバを1台で構成するため，処理の並列実行による負荷分散はできません。

EUR Print Manager - Adapterで印刷管理サーバのポート番号を指定することで，EUR Print Managerへの処理の振り分けを行うため，帳票の種類や業務によって明示的に制御できます。

なお，一方のEUR Print Managerで障害が発生した場合，事前に業務アプリケーション側で設定しておくことにより，EUR Print Manager - Adapterのプロパティを変更して処理を切り替えられます。

詳細については，「付録D.4　ポート番号指定で処理の振り分けを行う構成」を参照してください。

それぞれの構成の特徴を次の表にまとめて示します。

表D-1　システムの負荷分散と多重化の各構成の特徴

特徴		ロードバランサを使用した構成	IPアドレス指定で処理の振り分けを行う構成	ポート番号指定で処理の振り分けを行う構成
システム構成	印刷管理サーバの台数	複数台設定できます。	複数台設定できます。	1台の設定です。
	ロードバランサ	必要です。	不要です。	不要です。
負荷分散		○	○	×
印刷管理サーバでの明示的な処理の振り分け		×	○	○
障害時の切り替え		○	○※	○※

（凡例）

○：できます。

×：できません。

注※

事前に業務アプリケーション側で設定し，障害時にはEUR Print Manager - Adapterのプロパティを変更する必要があります。