画面・帳票サポートシステム XMAP3 実行ガイド


9.3.8 プリンタ内蔵半角フォントの指定

ESC/Pプリンタに印刷するときに,プリンタ内蔵の半角フォントを指定する機能について説明します。

〈この項の構成〉

(1) プリンタ内蔵半角フォントの指定の概要

XMAP3では,ESC/Pモードで半角文字を出力する場合,全角文字に変換し,半角文字の幅にして出力しています。つまり,標準では半角文字は,すべてプリンタ内蔵の全角フォントで出力されます。

プリンタ内蔵の半角フォントで半角文字を出力したい場合,プリンタ構成ファイル(Windows)または表示・印刷環境ファイル(UNIX)にプリンタ内蔵の半角フォントを指定します。

プリンタ内蔵半角フォントを指定できるシステム構成,印刷モード,および帳票の種類を次に示します。

表9‒15  プリンタ内蔵半角フォントを指定できるシステム構成,印刷モード,および帳票の種類

項目

Windows

UNIX※1

システム構成

  • スタンドアロン構成

  • C/S構成

  • OLTP構成

スタンドアロン構成※2

印刷モード

  • PDLスルー:ESC/P準拠シリアルインパクトプリンタ

  • PDLスルー:拡張ESC/P シリアルインパクトプリンタ

  • 日立ESC/P(A):用紙吸入量0mmのインサータプリンタ

  • 日立ESC/P(B):用紙吸入量19mmのインサータプリンタ

論理ハードコピーを含む。

ESC/P準拠プリンタ(ESCP_D)

帳票の種類

けい線帳票

けい線帳票

注※1

プリンタ内蔵半角フォントは,AIXでだけ指定できます。

注※2

OLTP構成またはC/S構成で,フォントが内蔵されたプリンタが接続されたクライアントで印刷する場合は,クライアントにPC版XMAP3 Server Runtime 05-14以降,またはPC版XMAP3 Client Runtime 05-14以降を導入し,クライアントのプリンタ構成ファイル(X3PPINF)に必要なオプションを指定してください。

(2) プリンタ内蔵半角フォントの指定方法

プリンタ内蔵半角フォントは,Windows版XMAP3とUNIX版XMAP3で指定できますが,設定するファイルが異なります。それぞれの設定を次に示します。

(a) Windows版XMAP3の場合

プリンタ構成ファイル(X3PPINF)で,「option」セクションに次に示す形式で指定します。

デバイス名.EscpPrinterFontH={DEF|0〜9|OFF}

設定値の説明を次に示します。

表9‒16 EscpPrinterFontHの設定値

設定値

意味

出力されるフォント

DEF

プリンタ内蔵半角フォントを利用します。どのフォントを利用するかはプリンタに依存します。

プリンタ依存(プリンタ内蔵半角フォント)

0

プリンタ内蔵半角フォントを利用します。指定したフォント(0〜9)で出力します。

ローマン

1

サンセリフ

2

クーリエ

3

プレステージ

4

スクリプト

5

OCR-B

6

OCR-A

7

Orator

8

Orator-S

9

スクリプトC

OFF

プリンタ内蔵半角フォントを利用しません。

プリンタ依存(プリンタ内蔵全角フォント)

上記以外

注※

出力されるフォントは,プリンタの機種に依存します。事前に指定したフォントがプリンタに内蔵されているかどうかを確認してから,指定することをお勧めします。

設定時の注意事項
  • マップ定義の[ます目設定]に「10CPI」または「12CPI」を設定している場合に使用できます。「15CPI」または「自由な設定」を設定していた場合は無効となります。

  • 対象となる半角文字は,縦拡大が無効となります。レイアウトが崩れるおそれがあるため,プリンタ内蔵半角フォントを使用する場合は,長体および倍角は使用しないでください。

  • 設定値が不正な場合は,項目が指定されていないものとみなし,設定は無効となります。

  • 同一の指定が複数ある場合は,ファイルの先頭に近い行の内容が有効となります。

  • デバイス名に「*」を指定すると,ESC/Pモードで出力する,すべてのサービスに適用されます。

    *」と「デバイス名」を両方指定した場合は,デバイス名の指定が有効となります。

  • 設定を変更した場合,次に示すタイミングで変更が反映されます。

    システム構成

    変更が反映されるタイミング

    スタンドアロン構成

    次回印刷実行時点

    C/S構成

    次回印刷サービス起動時点

設定例

デバイス「#PRT1」でプリンタ内蔵半角フォントをプリンタ依存で出力する場合の設定例を次に示します。

[option]
#PRT1.EscpPrinterFontH=DEF

(b) UNIX版XMAP3の場合

プリンタ内蔵半角フォントは,AIXでだけ指定できます。

表示・印刷環境ファイル(XPWconfig)で,次に示す形式で指定します。

印刷サービス名.PCEPFH={DEF|0〜9|OFF}

設定値の説明を次に示します。

表9‒17 PCEPFHの設定値

設定値

意味

出力されるフォント

DEF

プリンタ内蔵半角フォントを利用します。どのフォントを利用するかはプリンタに依存します。

プリンタ依存(プリンタ内蔵半角フォント)

0

プリンタ内蔵半角フォントを利用します。指定したフォント(0〜9)で出力します。

ローマン

1

サンセリフ

2

クーリエ

3

プレステージ

4

スクリプト

5

OCR-B

6

OCR-A

7

Orator

8

Orator-S

9

スクリプトC

OFF

プリンタ内蔵半角フォントを利用しません。

プリンタ依存(プリンタ内蔵全角フォント)

上記以外

注※

出力されるフォントは,プリンタの機種に依存します。事前に指定したフォントがプリンタに内蔵されているかどうかを確認してから,指定することをお勧めします。

設定時の注意事項
  • マップ定義の[ます目設定]に「10CPI」または「12CPI」を設定している場合に使用できます。「15CPI」または「自由な設定」を設定していた場合は無効となります。

  • 対象となる半角文字は,縦拡大が無効となります。レイアウトが崩れるおそれがあるため,プリンタ内蔵半角フォントを使用する場合は,長体および倍角は使用しないでください。

  • 印刷サービス名に「*」を指定すると,各印刷サービス名で共通のパラメタの設定値を一括で設定できます。

    *」と「印刷サービス名」を両方指定した場合は,印刷サービス名の指定が有効となります。

  • 行の先頭から1行に1項目を設定してください。

  • 行の先頭に「#」を付けた場合,その行はコメント行として扱われます。

  • 同一の指定が複数行ある場合,最終行の指定が有効になります。

  • 設定を変更した場合,xpwdaemonの再起動後に変更が反映されます。

設定例

印刷サービス「xpwPRT1」でプリンタ内蔵半角フォントをプリンタ依存で出力する場合の設定例を次に示します。

xpwPRT1.PCEPFH = DEF