画面・帳票サポートシステム XMAP3 実行ガイド


3.1.2 XMAP3 Cosminexus連携機能を利用したWebシステムの形態(Java)

開発言語にJavaを使う場合の,XMAP3 Cosminexus連携機能を利用したWebシステムの形態について説明します。Java環境でのXMAP3 Cosminexus連携機能では,次に示すWebシステムを構築できます。

〈この項の構成〉

(1) CosminexusベースのWebシステム構成(XMAP3 Cosminexus連携機能 Java)

CosminexusベースのWebシステム構成の開発から実行までの手順を次の図に示します。

図3‒1 CosminexusベースのWebシステム構成の開発から実行までの手順(Java)

[図データ]

  1. Webクライアントには,XMAP3 ActiveXコントロールを事前にインストールしておきます。Webクライアントへのインストールについては,「1.5.1 XMAP3の新規インストール」のWebクライアントへのインストールの説明を参照してください。

  2. XMAP3開発環境(XMAP3 Developer)で「C言語」用の画面または帳票を作成します(または,既存のマップ定義を使用します)。

  3. 画面または帳票の定義終了時に,「C言語」用の論理マップおよび物理マップが作成されます。

  4. XMAP3開発環境で作成済みの動的変更テーブルおよび2.で作成された入力/出力論理マップを,Java言語用ツールを使用してそれぞれ動的変更用XML文書,入力/出力データ用XML文書,および定数用XML文書に変換します。

  5. Java開発環境(WTP,MyEclipse,Eclipse,JBuilderなど)で作成したユーザプログラム,3.で変換した四つのXML文書,物理マップなどをEARファイルにまとめ,実行環境(Cosminexus アプリケーションサーバ)にデプロイします。

  6. WebクライアントのWebブラウザから起動HTMLをブラウズします。

    ブラウズを完了すると,業務を実行できます。

(a) CosminexusベースのWebシステムの動作

CosminexusベースのWebシステムの動作とWebシステムを構成するプログラムについて説明します。画面入出力業務を例に,CosminexusベースのWebシステムの動作を次の図に示します。

図3‒2 CosminexusベースのWebシステムの動作(Java)

[図データ]

Webクライアントには,XMAP3 ActiveXコントロールを事前にインストールしておきます。Webクライアントへのインストールについては,「1.5.1 XMAP3の新規インストール」のWebクライアントへのインストールの説明を参照してください。

  1. Webブラウザから起動HTMLの読み込み

    Webクライアント側でWebブラウザを起動し,起動HTMLのURLを入力してサーバ上にある起動HTMLを読み込みます。

  2. 業務サーブレットの呼び出し

    XMAP3 ActiveXコントロールは,起動HTMLに指定された業務サーブレットを呼び出します。呼び出された業務サーブレットは,初期表示する画面や帳票の識別子(物理マップ名),仮想端末名などの通信制御情報,および出力論理データをXMAP3実行クラスライブラリのメソッドを利用して設定します。

  3. XMAP3実行クラスライブラリの呼び出し

    XMAP3実行クラスライブラリから必要なデータを,環境管理ファイル,入力/出力データ用XML文書,定数用XML文書,動的変更用XML文書,および通信制御用XML文書から参照します。

  4. データの取得

    XMAP3実行クラスライブラリは,仮想端末名および通信制御情報を業務サーブレットに送信します。

  5. 業務サーブレットのデータ送信

    業務サーブレットは,XMAP3実行クラスライブラリから取得した受信データを,Webブラウザ側のXMAP3 ActiveXコントロールに送信します。

  6. 画面・帳票出力に必要な物理マップや環境設定ファイルのダウンロード

    業務サーブレットから取得した受信データに関連して,出力に必要な物理マップ,ポップアップメニューファイル,および環境設定ファイルがWebクライアント側にダウンロードされます。

    Webの実行に必要な環境設定ファイルについては,「15.1 サーバ側の環境設定」を参照してください。

  7. 業務サーブレットの呼び出し

    XMAP3 ActiveXコントロールは,入力データを処理する業務サーブレットを呼び出します。

    業務サーブレットは,ユーザの操作に応じて発生した入力データや動作結果を表すエラーコードを受け取り,入力データ用の業務処理を実行します。実行結果を表示する画面や帳票の識別子(物理マップ名)や仮想端末名などの通信制御情報,および出力論理データなどの送信データをXMAP3実行クラスライブラリのメソッドを利用して設定および参照します。

以降は業務を終了するまで3.〜7.が繰り返されます。

(b) Webシステムを構成するプログラム

XMAP3 Cosminexus連携機能を利用したWebシステムは,XMAP3 Cosminexus連携機能が提供するプログラムや,ユーザが作成するプログラムなどで構成されています。これらのWebシステムを構成するプログラムについて説明します。

XMAP3 Cosminexus連携機能の起動HTML

XMAP3 Cosminexus連携機能を利用したWebシステムの運用を開始するためのHTMLファイルです。

XMAP3/Web for Cosminexusでは起動HTMLおよび起動HTML用スクリプトファイルのサンプルを提供しています。開発するWebシステムに合わせて,起動HTMLをカスタマイズしてください。カスタマイズ方法については,「16.4.1 起動HTMLのカスタマイズ」を参照してください。

XMAP3 ActiveXコントロール(XMAP3/Web Client for Cosminexus)

Webブラウザ上で,XMAP3の画面の表示や帳票の印刷を制御するためのプログラムです。実行制御部では,Webクライアントとサーバ間でやり取りする送受信データを処理します。

Webクライアントでインストーラを実行して,XMAP3 ActiveXコントロールをインストールします。

XMAP3 ActiveXコントロールは,XMAP3/Web for Cosminexusが提供するプログラムで,新規で作成したりカスタマイズしたりする必要はありません。

業務サーブレット

Webサーバ側で動作する,業務用Javaプログラムです。

Webクライアントとの通信,画面遷移,業務処理などを実行します。Webクライアントとの通信および受信/送信データの制御は,XMAP3実行クラスライブラリを利用します。

処理方法については,開発するWebアプリケーションシステムに合わせて画面遷移や業務用にクラスを利用するなど,任意に編集できます。

XMAP3実行クラスライブラリ(xmap3server.jar)

XMAP3 Cosminexus連携機能が提供するクラスライブラリです。ユーザは,受信/送信データをXMAP3実行クラスライブラリのメソッドを利用して取得し,業務サーブレットを作成します。