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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 構造型データベース機能


13.1.1 レコードのアンロード

データベースに格納されているレコードをアンロードデータファイルに出力できます。この機能をレコードのアンロードといいます。レコードのアンロードの概要を次の図に示します。

図13‒1 レコードのアンロードの概要

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) アンロードの際に準備するファイル

アンロードを実行する前に,次に示すファイルを準備しておきます。

(2) アンロードの際に作成されるファイル

アンロードの際,HiRDB/SDは次に示すファイルを作成します。これらのファイルは通常ファイル上に作成されます。

(3) SDBデータベースが横分割されている場合のアンロード

SDBデータベースが複数のRDエリアに横分割されている場合,RDエリア単位にアンロードを実行します。例えば,4つのRDエリアにSDBデータベースが横分割されている場合,アンロードを4回実行します。SDBデータベースが横分割されている場合のアンロードを次の図に示します。

図13‒2 SDBデータベースが横分割されている場合のアンロード

[図データ]

(4) アンロードの主な利用方法

アンロードの主な利用方法を次に示します。

(a) SDBデータベースを再編成するときに利用する

レコードの追加や削除を繰り返すと,レコードの配置が乱れてレコードのアクセス効率や格納効率が低下します。このような場合,pdsdbrogコマンドでレコードをいったんアンロードしてアンロードデータファイルを作成します。そのアンロードデータファイルを入力データファイルにしてpdsdblodコマンドでデータロードを行います。レコードを再格納することによって,レコードの配置が適正化され,レコードのアクセス効率や格納効率が改善されます。この一連の処理をSDBデータベースの再編成といいます。SDBデータベースの再編成の概要を次の図に示します。

図13‒3 SDBデータベースの再編成の概要

[図データ]

(b) 既存のSDBデータベースを横分割するときに利用する

既存のSDBデータベースを横分割する場合,pdsdbrogコマンドでレコードをいったんアンロードしてアンロードデータファイルを作成します。レコード型の定義を変更したあとに,アンロードデータファイルを入力データファイルにしてpdsdblodコマンドでデータロードを行います。既存のSDBデータベースを横分割する場合の流れを次の図に示します。

図13‒4 既存のSDBデータベースを横分割する場合の流れ

[図データ]

(c) ほかのHiRDBシステムにSDBデータベースを移行するときに利用する

ほかのHiRDBシステムにSDBデータベースを移行する場合,pdsdbrogコマンドでレコードをいったんアンロードしてアンロードデータファイルを作成します。そのアンロードデータファイルを入力データファイルにしてpdsdblodコマンドでほかのHiRDBシステムのデータベースにデータロードを行います。ほかのHiRDBシステムにSDBデータベースを移行する場合の流れを次の図に示します。

図13‒5 ほかのHiRDBシステムにSDBデータベースを移行する場合の流れ

[図データ]

なお,ほかのHiRDBシステムにSDBデータベースを移行する場合は,次に示す条件をすべて満たす必要があります。

  • 移行元と移行先で,バイトオーダ,文字コード,HiRDBのバージョン,およびHiRDBのアドレッシングモードが同じであること

  • 移行元と移行先のSDBデータベース定義およびSDBデータベース格納定義が同じであること

    注※ 次に示す条件を除きます。

    • RDエリア名およびRDエリア数(シーケンシャルインデクス用,格納レコード用,二次インデクス用)

    • SDBデータベースの横分割条件

上記の条件を満たしていない場合,移行先のHiRDBシステムでSDBデータベースを正しく格納できません。ただし,移行先のHiRDBシステムでデータロードする際に,論理エラーのチェックが行われるため,論理エラーと判定されたレコードは格納されません。

参考

HiRDBシステム内でデータを移行することはできません。

(d) アンロードデータファイルをUAPの入力情報として利用する

アンロードデータファイルのプリフィックス部に,データベースキー値,キーのサイズ,およびユーザデータサイズなどの情報を出力できます。プリフィックス部に出力されるこれらの情報をTMS-4V/SP情報といいます。

アンロードデータファイルをUAPの入力情報として利用する場合などは,TMS-4V/SP情報を使用してください。

アンロードデータファイルをUAPの入力情報として利用する場合の流れを次の図に示します。

図13‒6 アンロードデータファイルをUAPの入力情報として利用する場合の流れ

[図データ]

ここで説明している運用方法は,TMS-4V/SPから移行したUAPを使用することを想定した運用方法です。

アンロードデータファイルのプリフィックス部にTMS-4V/SP情報を出力するかどうかは,unload文のunldkindオペランドで指定します。

また,4V DAMのSDBデータベースの場合は,afmtypeオペランドで出力形式を選択できます。