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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 構造型データベース機能


5.18.2 例題1(全RDエリアをバックアップ取得時点に回復する場合)

例題

システム用RDエリアを含む全RDエリアをバックアップ取得時点に回復します。

例題中のコマンドおよびコマンドのオプションの詳細については,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) HiRDBを正常終了する

 pdstop

pdstopコマンドでHiRDBを正常終了します。正常終了できない場合は,pdstop -fコマンドで強制終了してください。

(2) HiRDBを開始する

 pdstart -r

pdstart -rコマンドでHiRDBを開始します。マスタディレクトリ用RDエリアを回復する場合は,pdstart -rコマンドでHiRDBを開始する必要があります。

系切り替え機能を使用している場合で,HiRDBの開始と同時に共有リソース(共有ディスク,IPアドレスなど)の活性化を行うときは,pdstart -r -tコマンドを実行してください。

(3) RDエリアを回復する

 pdrstr -m /rdarea/mast/mast01 -b /pdcopy/backup01 -a

pdrstrコマンドで全RDエリアをバックアップ取得時点に回復します。

[オプションの説明]

-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名を指定します。

-b:バックアップファイル名を指定します。

-a:全RDエリアの回復を指定します。

(4) HiRDBを終了する

 pdstop

pdstopコマンドでHiRDBをいったん終了します。pdstart -rコマンドでHiRDBを開始した場合,pdcopyコマンドおよびpdrstrコマンド以外は実行できません。そのため,HiRDBをいったん終了させる必要があります。

(5) HiRDBを正常開始する

 pdstart

pdstartコマンドでHiRDBを正常開始します。

注意事項

(1)のときにHiRDBが正常終了していない場合は(HiRDBが異常終了した,HiRDBを強制終了したなど),ステータスファイルを初期化してからHiRDBを開始してください。ステータスファイルを初期化すると,HiRDBの開始モードが正常開始になります。

ステータスファイルを初期化するには,pdstsrmコマンドでステータスファイルをいったん削除してから,pdstsinitコマンドでステータスファイルを再作成します。

(6) SDBディレクトリ情報ファイルを再作成して配布する

 pdsdbdef /usr/control_def_file

pdsdbdefコマンドで,SDBディレクトリ情報ファイルを再作成して全ユニット(高速系切り替え機能を使用している場合は待機系ユニットも含む)に配布します。SDBディレクトリ情報ファイルの配布方法の詳細については,「5.8.1 SDBディレクトリ情報ファイルを作成して配布する場合」を参照してください。

(7) HiRDBを正常終了する

 pdstop

pdstopコマンドでHiRDBを正常終了します。

(8) pd_structured_shmpool_dicsizeオペランドの指定値を変更する

次に示す場合は,システム共通定義のpd_structured_shmpool_dicsizeオペランドの指定値を変更してください。

SDBディレクトリ情報の合計長は,(6)でpdsdbdefコマンドを実行した際に出力されるKFPB61231-Iメッセージ(sizeに表示されます)で確認できます。

(9) HiRDBを正常開始する

 pdstart

pdstartコマンドでHiRDBを正常開始します。

(10) 全ユニットのSDBディレクトリ情報が一致していることを確認する

pdsdbarc -cコマンドを実行して,SDBディレクトリ情報の最終更新日時のチェックを行い,全ユニットのSDBディレクトリ情報が一致していることを確認してください。

チェックの結果,問題がある場合は,全ユニットに同じSDBディレクトリ情報ファイルが配布されていません。この場合,「(6) SDBディレクトリ情報ファイルを再作成して配布する」の作業から再実行してください。