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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 構造型データベース機能


5.12.2 オンライン再編成の手順

インナレプリカ機能を使用したオンライン再編成の手順を例題形式で説明します。

なお,例題の説明は,インナレプリカ機能についての知識があることを前提にしています。インナレプリカ機能については,マニュアル「インナレプリカ機能 HiRDB Staticizer Option」を参照してください。

例題

オリジナルRDエリアに格納されているSDBデータベースをオンライン再編成します。レコード型およびインデクスを格納しているRDエリアは次のとおりです。

[図データ]

再編成対象のレコード型およびインデクスを格納しているRDエリアは,すべて同じ世代である必要があります。上記の構成の場合,RD01_1とRD02_1の世代が同じである必要があります。

  1. オリジナルRDエリアを参照可能バックアップ閉塞状態にする

     pdhold -r RD01,RD02 -q 0 -b

    pdholdコマンドでオリジナルRDエリアを参照可能バックアップ閉塞状態にします(オリジナルRDエリアを静止化します)。

    [図データ]

  2. ペアボリュームを解除する

    ペアボリュームを解除して,ハードウェアまたはソフトウェアのミラーリング機能で,オリジナルRDエリアからレプリカRDエリアにデータを複写します。

  3. レプリカRDエリアの閉塞を解除してオープン状態にする

     pdrels -r RD01,RD02 -q 1 -o

    pdrelsコマンドでレプリカRDエリアの閉塞を解除してオープン状態にします。

    [図データ]

  4. レプリカRDエリアを参照可能閉塞状態にする

     pdhold -r RD01,RD02 -q 1 -i

    pdholdコマンドでレプリカRDエリアを参照可能閉塞状態にします。

    SDBデータベースの再編成が完了するまでの間,オリジナルRDエリアとレプリカRDエリアの間でデータの不一致が発生しないように,業務で利用するレプリカRDエリアを更新抑止状態にする必要があるため,レプリカRDエリアを参照可能閉塞状態にします。

    [図データ]

  5. カレントRDエリアをレプリカRDエリアに変更する

     pddbchg -r RD01,RD02 -q 1

    pddbchgコマンドで,カレントRDエリアをオリジナルRDエリアからレプリカRDエリアに変更します。これによって,UAPはこのレプリカRDエリアにアクセス(参照だけ)します。

    [図データ]

  6. オリジナルRDエリアの閉塞を解除する

     pdrels -r RD01,RD02 -q 0

    pdrelsコマンドでオリジナルRDエリアの閉塞を解除します。

    [図データ]

  7. 全ユニットの常用常駐領域のSDBディレクトリ情報が一致しているかどうかを確認する

     pdsdbarc -a

    pdsdbrogコマンドを実行する前にpdsdbarcコマンドを実行して,全ユニットの常用常駐領域のSDBディレクトリ情報が一致しているかどうかを確認してください。確認方法については,「5.9.1 常用常駐領域のSDBディレクトリ情報の確認方法(実行系ユニットの場合)」を参照してください。

  8. オリジナルRDエリアのレコードをアンロードする

     pdsdbrog /usr/control_rog_file

    pdsdbrogコマンドで,オリジナルRDエリアのレコードをアンロードします。

    pdsdbrog制御文のenvironment文のgenerationオペランドに0を指定(オリジナルRDエリアを処理対象にする指定)してください。

    4V FMBのSDBデータベースの場合のpdsdbrog制御文の指定例については,「13.10.2 4V FMBのSDBデータベースのアンロードおよびデータロード(インナレプリカ機能を使用したオンライン再編成の場合)」を参照してください。

    ページ切り替えフラグの指定,または事前割り当てページ数の指定値の変更が必要な場合は,アンロードの完了後,アンロードデータファイルを直接修正して,ページ切り替えフラグまたは事前割り当てページ数を設定してください。ページ切り替えフラグを設定する場合は,「13.8 ページ切り替えフラグの扱い【4V FMB,4V AFM】」を参照してください。

  9. オリジナルRDエリアにレコードをデータロードする

     pdsdblod /usr/control_lod_file

    pdsdblodコマンドで,オリジナルRDエリアにレコードをデータロードします。

    pdsdblod制御文のenvironment文のgenerationオペランドに0を指定(オリジナルRDエリアを処理対象にする指定)してください。

    4V FMBのSDBデータベースの場合のpdsdblod制御文の指定例については,「13.10.2 4V FMBのSDBデータベースのアンロードおよびデータロード(インナレプリカ機能を使用したオンライン再編成の場合)」を参照してください。

  10. オリジナルRDエリアのバックアップを取得する

     pdcopy -m /hirdb/rdarea/rdmast/rdmast01 -M -r RD01,RD02 -q 0
            -b /usr/hirdbsd/backup01 -p /usr/hirdbsd/list01

    pdcopyコマンドでオリジナルRDエリアのバックアップを取得します。

  11. カレントRDエリアをオリジナルRDエリアに変更する

     pddbchg -r RD01,RD02 -q 0

    pddbchgコマンドで,カレントRDエリアをレプリカRDエリアからオリジナルRDエリアに変更します。

    [図データ]

  12. レプリカRDエリアを閉塞かつクローズ状態にする

     pdhold -r RD01,RD02 -q 1 -c

    pdholdコマンドでレプリカRDエリアを閉塞かつクローズ状態にします。

    [図データ]

  13. ペアボリュームを生成する

    オリジナルRDエリアを正ファイルとして,レプリカRDエリアとのペアボリュームを生成します。

    これでオリジナルRDエリアおよびレプリカRDエリアの状態が最初の状態に戻ります。