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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 構造型データベース機能


5.9.3 常用常駐領域のSDBディレクトリ情報の不一致が発生したときの対処

常用常駐領域のSDBディレクトリ情報の不一致が発生したときの対処方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 実行系ユニットで不一致が発生した場合

次に示すどれかの原因によって,常用常駐領域のSDBディレクトリ情報が不一致となったおそれがあります。

  1. SDBディレクトリ情報を事前常駐領域に常駐していない。

  2. 事前常駐領域を常用常駐領域に切り替えていない。

  3. 変更後のSDBディレクトリ情報ファイルを配布していないユニットがある。

  4. 配布したSDBディレクトリ情報ファイルをpd_structured_directory_pathオペランドで指定したディレクトリ下に格納していない。

pdsdbarc -aコマンドの実行結果として表示される,KFPB31019-Iメッセージのkind=FILEの情報(SDBディレクトリ情報ファイルに関する情報)を確認してください。

kind=FILEの情報がほかのユニットと同じ場合は,上記の1.または2.が原因として考えられます。kind=FILEの情報がほかのユニットと異なる場合は,上記の3.または4.が原因として考えられます。

実行系ユニットでSDBディレクトリ情報の不一致が発生したときの対処手順を次の図に示します。

図5‒8 実行系ユニットでSDBディレクトリ情報の不一致が発生したときの対処手順

[図データ]

注※

4V FMBまたは4V AFMのSDBデータベースを使用している場合,この期間はTP1サーバの追加ができません。

手順
  1. pdsdbdefコマンドでSDBディレクトリ情報ファイルを作成し,全ユニットに配布します。SDBディレクトリ情報ファイルを作成済みの場合は,pdsdbdefコマンドで全ユニットへの配布だけを行ってください。

  2. pdsdbarc -eコマンドで,SDBディレクトリ情報を事前常駐領域に常駐化します。

  3. トランザクションを静止化します。

    ・4V FMBまたは4V AFMのSDBデータベースの場合

    TP1/FSPのeesvctl -sコマンドで,トランザクションを静止化します。

    eesvctl -sコマンドが正常終了して,完全にトランザクションが静止化したことを確認してから次の手順に進んでください。

    注意事項

    完全にトランザクションが静止化していない状態で次の手順を行った場合,データベース破壊やUAPの異常終了などが発生するおそれがあります。そのため,eesvctl -sコマンドが正常終了するまで,eesvctl -sを実行し続けてください。

    ・SD FMBのSDBデータベースの場合

    サービスを閉塞して,トランザクションを静止化します。サービスを閉塞するには,OpenTP1のスケジュール閉塞コマンドを実行します。詳細については,マニュアル「OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作」を参照してください。

    注意事項

    完全にトランザクションが静止化していない状態で次の手順を行った場合,データベース破壊やUAPの異常終了などが発生するおそれがあります。

  4. pdsdbarc -w -qコマンドで,事前常駐領域を常用常駐領域に切り替えます。

  5. 常用常駐領域のSDBディレクトリ情報が一致したことを確認します。

    5.9.1 常用常駐領域のSDBディレクトリ情報の確認方法(実行系ユニットの場合)」に示す方法で確認してください。

  6. トランザクションの静止化を解除します。

    ・4V FMBまたは4V AFMのSDBデータベースの場合

    TP1/FSPのeesvctl -rコマンドで,トランザクションの静止化を解除します。

    ・SD FMBのSDBデータベースの場合

    サービスの閉塞を解除して,トランザクションの静止化を解除します。サービスの閉塞を解除するには,OpenTP1のスケジュール閉塞解除コマンドを実行します。詳細については,マニュアル「OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作」を参照してください。

(2) 待機系ユニットで不一致が発生した場合

次に示すどちらかの原因によって,常用常駐領域のSDBディレクトリ情報が不一致となったおそれがあります。

待機系ユニットでSDBディレクトリ情報の不一致が発生したときの対処手順を次に示します。

手順
  1. pdsdbdefコマンドで,実行系ユニットと同じSDBディレクトリ情報ファイルを待機系ユニットに配布します。

  2. 不一致が発生した待機系ユニットを再起動します。

  3. 待機系ユニットの常用常駐領域のSDBディレクトリ情報が一致したことを確認します。

    5.9.2 常用常駐領域のSDBディレクトリ情報の確認方法(待機系ユニットの場合)」に示す方法で確認してください。