Hitachi

HiRDB データ連動機能 HiRDB Datareplicator Version 10


6.11.1 ラージファイル運用の準備(UNIX版限定)

UNIX版でラージファイルを運用するための準備について説明します。

〈この項の構成〉

(1) システムで使用できるファイルサイズの最大値の設定

システムで使用できるファイルサイズはOSで制限されています。そのため,次のどちらかの方法で,システムで使用できるファイルサイズの最大値をラージファイルに対応させる必要があります。

なお,最大値を変更するために必要なOSのコマンド,及び操作手順については,OSのマニュアル,及びシェルのマニュアルを参照してください。

特に,AIX版は,デフォルトのファイルサイズ制限が1GBのため注意してください。各OSで使用できるファイルサイズの最大値は,limitコマンド又はulimitコマンドで確認できます。詳細については,各OSのマニュアル,及びシェルのマニュアルを参照してください。

注意

AIX版では,inetdから起動するプロセスが使用するファイルサイズの最大値は,管理者権限(スーパユーザ)と同じになります。抽出マスタプロセスはinetdから起動されるため,次の手順で,管理者権限(スーパユーザ)の最大値を変更してください。通信設定の詳細については,「2.5.1 抽出側Datareplicatorの通信環境の設定」を参照してください。

手順

設定内容

コマンド

1

抽出マスタプロセスと抽出ノードプロセスとの通信で使うサービス名とポート番号を追加します。

# vi /etc/services

2

inetdの通信環境を設定します。

# vi /etc/inetd.conf

3

管理者権限(スーパユーザ)のファイルサイズの最大値を設定します。

# vi/etc/security/limits

4

inetdを停止します。

# stopsrc -s inetd

5

inetdを起動します。

# startsrc -s inetd

注※

テキストエディタに制限はありません。

(2) Datareplicatorファイルシステム領域の最大長の設定

2GB以上のキューファイルをDatareplicatorファイルシステム領域に格納できるようにするために,hdsfmkfs -nコマンドに2GB以上の値を設定します。ただし,設定できる最大長がOSごとに異なるため,次の表の値を確認してください。

表6‒23 ラージファイル運用時のDatareplicatorファイルシステム領域の最大長

Datareplicatorの種類

条件

Datareplicatorファイルシステム領域の最大長

(単位:MB)

HP-UX版

ラージファイル未使用

通常ファイル

2,047

キャラクタ型スペシャルファイル

ラージファイル使用

通常ファイル

131,071

キャラクタ型スペシャルファイル

Solaris版

ラージファイル未使用

通常ファイル

2,047

キャラクタ型スペシャルファイル

ラージファイル使用

通常ファイル

1,048,575

キャラクタ型スペシャルファイル

AIX版

ラージファイル未使用

通常ファイル

2,047

キャラクタ型スペシャルファイル

ラージファイル使用

通常ファイル(JFS)

65,411

通常ファイル(JFS2)

1,048,575

キャラクタ型スペシャルファイル

Linux版

ラージファイル未使用

通常ファイル

2,047

キャラクタ型スペシャルファイル

ラージファイル使用

通常ファイル

1,048,575

キャラクタ型スペシャルファイル

注※

ラージファイルを運用する場合,JFSとJFS2でDatareplicatorファイルシステム領域として指定できる最大長が異なります。そのため,smitコマンドで,作成先ファイルシステムでラージファイルを使用できるように設定してください。

(3) リンクファイル設定時の注意点

リンク名称を用いてラージファイルを運用する場合,リンクのネストは一つまでしか指定できません。次の図のように,二つ以上ネストした場合,作成対象ファイルをラージファイルとして作成できません。

[図データ]

この例の場合,Linkname1ではなく,Linkname2を使用します。