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HiRDB データ連動機能 HiRDB Datareplicator Version 10


6.7.3 反映側Datareplicator運用時の注意

反映側Datareplicatorを運用するときの注意を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) 更新についての注意

(2) 初期開始,部分初期開始についての注意

(3) イベントについての注意

(4) WITHOUT ROLLBACKオプションを指定している表についての注意

WITHOUT ROLLBACKオプションを指定している表のデータ連動には,前提条件と制限事項があります。

前提条件

次の前提条件をすべて満たす必要があります。前提条件を満たさない場合は,抽出側DBと反映側DBで不整合が発生することがあります。

  • 抽出側Datareplicatorと反映側Datareplicatorのバージョンが08-02以降である

  • 抽出側DBと反映側DBが共にHiRDBである

  • 抽出システム定義のsendcontrolオペランドにnodemstを指定している

  • 抽出側DBと反映側DBがパラレルサーバの場合は,WITHOUT ROLLBACKオプションを指定している表とそれに関連する表を,同じバックエンドサーバに格納している

制限事項

WITHOUT ROLLBACKオプションを指定している表のデータ連動には,次の制限事項があります。

  • 次の表はWITHOUT ROLLBACKオプションが指定されていると,データ連動できません。

    ・マージ表

    ・時系列情報表

    ・サーバ間横分割表

    ・イベント制御用テーブル

  • データ連動できるSQLはUPDATE文だけです。INSERT文はデータ連動できないため,反映側DBを初期作成するときはHiRDB Dataextractorなどを使用してください。

  • WITHOUT ROLLBACKオプションを指定している表では,マッピングキーに指定している列を更新できません。

  • 反映時エラーのスキップはできません。SQLコードを指定してスキップしてください。

  • データ連動回復機能は使用できません。個別に回復してください。

(a) 反映側DBを参照する場合の注意

WITHOUT ROLLBACKオプションを指定している表は,1回の更新を1トランザクションとして扱います。このため,WITHOUT ROLLBACKオプションを指定している表と指定していない表を同じトランザクション内で更新しても,反映側Datareplicatorには別々のトランザクションとして送信・反映されます。このとき,トランザクションがすべて反映される前に反映側DBを参照すると,抽出側DBと反映側DBで不整合が発生することがあります。このため,反映処理が完了したことを確認してから,反映側DBを参照してください。

また,反映側Datareplicatorで障害が発生してロールバックをする場合,WITHOUT ROLLBACKオプションを指定している表では,更新情報の反映処理を実行中に,表の内容が一時的に古くなることがあります。このため,反映処理が完了したことを確認してから,反映側DBを参照してください。

注※

hdsstateコマンドを実行して表示されるread positionとwrite positionが一致していることを確認してください。

(b) 送信環境定義sendintvlオペランドの指定

WITHOUT ROLLBACKオプションを指定している表は,1回の更新を1トランザクションとして扱うため,送信環境定義のsendintvlオペランドに0(トランザクション単位で更新情報を送信)を指定すると,WITHOUT ROLLBACKオプションを指定している表を更新するたびに送信処理が発生して,送信処理のオーバヘッドが大きくなります。このため,WITHOUT ROLLBACKオプションを指定している表をデータ連動する場合は,送信環境定義のsendintvlオペランドに0以外を指定することをお勧めします。

(5) COMPRESSEDオプションを指定している表についての注意

COMPRESSEDオプションを指定している表のデータ連動には,前提条件があります。

前提条件

次の前提条件をすべて満たす必要があります。前提条件を満たさない場合は,抽出側DBと反映側DBで不整合が発生する,又は,反映処理でSQL実行エラーとなることがあります。

  • 抽出側Datareplicatorと反映側Datareplicatorのバージョンが08-06以降である

  • 抽出側DBと反映側DBが共にHiRDBである

  • 抽出側DBと反映側DBのエンディアンが同じである

  • 抽出側と反映側の表の圧縮に関する指定が同じである