Hitachi

HiRDB データ連動機能 HiRDB Datareplicator Version 10


4.7.5 反映処理の停止方式の設計

反映処理の停止方式を設計します。反映処理の停止方式には,同時停止単独停止があります。

反映処理の停止方式と停止タイミングの関係を次の図に示します。

図4‒44 反映処理の停止方式と停止タイミングの関係

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) 同時停止

受信処理と反映処理の両方を停止し,反映側Datareplicatorを終了します。同時停止をすると,受信処理が停止されるため,抽出側システムから送信される更新情報を受信しません。反映側Datareplicatorが終了するタイミングは,終了モードによって次のように異なります。

(a) 終了モードが正常終了の場合

hdsstopコマンドの実行時に稼働中の,抽出側システムの稼働単位までの反映処理が完了した時点で,反映処理を停止し,反映側Datareplicatorは終了します。

抽出側DBがHiRDBの場合の稼働単位は,抽出側システム全体の正常開始から正常終了までです。抽出側DBがメインフレーム側DBの場合の稼働単位については,マニュアル「VOS3 XDMデータ連動機能 XDM/DS 解説・定義」を参照してください。

使用目的

抽出側システム又は反映側システムを正常終了する場合に使います。

抽出側システムでの設定,操作

抽出側システムを正常終了します。

コマンドの実行

hdsstopコマンドを実行します。

(b) 終了モードがイベント終了の場合

hdsstop -t eventコマンドを実行した後,抽出側システムから送信された何らかのイベントを検知した時点で,反映処理を停止し,反映側Datareplicatorは終了します。ただし,イベントを検知する前に,抽出側システムの稼働単位まで反映が完了した場合には,イベントを待たないで反映処理を停止します。

反映方式が表単位反映方式の場合には,動作中の反映処理のうち,最も遅いグループの反映が完了した時点で,反映処理を停止します。

イベント終了モードで反映側Datareplicatorを終了した場合,次回反映側Datareplicatorを開始すると,前回停止した時点の続きから反映処理を開始します。

使用目的

反映側システムを計画的に終了する場合に使います。

抽出側システムでの設定,操作

抽出側DBがHiRDBの場合には,抽出側Datareplicatorでhdeeventコマンドを実行します。抽出側DBがメインフレーム側DBの場合には,反映処理を停止する直前の,抽出対象のUAPをイベントとして設定します。

コマンドの実行

hdsstop -t eventコマンドを実行します。

(c) 終了モードが即時終了の場合

hdsstop -t immediateコマンドを実行した後,現在反映処理中の更新情報の反映が終了した時点で,反映処理を停止し,反映側Datareplicatorは終了します。

反映方式が表単位反映方式の場合には,動作中の反映処理のうち,最も反映の進んでいるグループから停止し,最も反映の遅れているグループの反映が,最も反映の進んでいるグループの停止地点に到達した時点で,反映処理が停止します。

コマンドの実行後から,最も反映の遅れているグループの反映が終了する時点までに更新情報を受信した場合には,更新情報が反映情報キューファイルに格納された時点で,受信処理が終了します。

使用目的

反映側システムを一時的に停止する場合,又は受信処理だけ実行中に反映処理を起動しないで停止する場合に実行します。

コマンドの実行

hdsstop -t immediateコマンドを実行します。

(d) 終了モードが強制終了の場合

hdsstop -t forceコマンドを実行した時点で直ちに,反映処理を停止し,反映側Datareplicatorは終了します。同期点処理を実行中の場合には,同期点処理が完了してから反映処理を停止します。強制終了モードの場合,反映側DBと抽出側DBとで不整合が生じることがあります。ただし,次回の反映側Datareplicatorの起動時に,反映側DBを自動的に回復します。

使用目的

反映側システムを緊急に停止する場合に使います。

コマンドの実行

hdsstop -t forceコマンドを実行します。

(2) 単独停止

受信処理を停止しないで,反映処理だけを単独で停止します。単独停止としても受信処理は継続されているため,抽出側システムから送信された更新情報は反映情報キューファイルに格納されます。

単独停止での停止方式には次の二つがあります。

(a) コマンド停止方式

hdsrfctlコマンドを実行した後,抽出側システムから送信された何らかのイベントを検知した時点で,反映処理を停止する方式です。

使用目的

反映側システムから反映処理の停止を要求する場合に使います。

コマンドの実行

hdsrfctlコマンドを実行します。

(b) イベント停止方式

抽出側システムから送信された反映処理停止イベントを検知した時点で,反映処理を停止する方式です。

使用目的

抽出側システムから反映処理の停止を要求する場合に使います。

抽出側システムでの設定,操作

抽出側DBがHiRDBの場合には,抽出側Datareplicatorでhdeeventコマンドを実行します。抽出側DBがメインフレーム側DBの場合には,反映処理を停止する直前の,抽出対象のUAPをイベントとして設定します。

反映環境定義の設定

eventspdオペランドで,抽出側システムで設定したイベントコードとの対応付けをします。

コマンドの実行

コマンドの実行は不要です。