Hitachi

HiRDB データ連動機能 HiRDB Datareplicator Version 10


4.7.4 反映処理の開始方式の設計

反映処理の開始方式を設計します。反映処理の開始方式には,同時開始遅延開始があります。反映処理の開始方式と開始タイミングの関係を次の図に示します。

図4‒43 反映処理の開始方式と開始タイミングの関係

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) 同時開始

反映側Datareplicatorを起動すると同時に反映処理を開始します。同時開始とすると,更新情報を受信した順に逐次,反映できます。

使用目的

更新情報を受信した順に逐次,反映する場合に有効です。

反映環境定義の設定

startmodeオペランドにtrn(トランザクション単位反映方式),又はtbl(表単位反映方式)を指定します。

コマンドの実行

hdsstartコマンドを実行します。

(2) 遅延開始

反映側Datareplicatorの起動時には,受信処理だけを開始し,任意のタイミングで反映処理を開始(遅延開始)します。反映処理を開始する前に,定義の変更,反映側DBのメンテナンスなどをする場合に使います。

遅延開始としても受信処理は開始されているため,抽出側システムから送信された更新情報は反映情報キューファイルに格納されます。

遅延開始での開始方式には次の三つがあります。

(a) 時間指定開始方式

ユーザが指定した時間間隔後に反映処理を自動的に開始する方式です。指定する時間は,反映側Datareplicatorの起動時からの時間です。

使用目的

反映側Datareplicatorの起動後に,定期的なデータベースのメンテナンスなどの作業をする場合に有効です。

反映環境定義の設定
  • startmodeオペランドにspdを指定します。

  • breaktimeオペランドに反映処理を開始する時間を指定します。

コマンドの実行

hdsstartコマンドを実行します。

(b) コマンド開始方式

コマンドを実行してから反映処理を開始する方式です。この方式で,反映側システムから反映処理の動作を制御できます。

使用目的

日々の運用で,反映を開始する時間が異なる場合に使います。

反映環境定義の設定

startmodeオペランドにspdを指定します。

コマンドの実行

hdsrfctlコマンドを実行します。

(c) イベント開始方式

抽出側システムから送信されたイベントを検知した時点で,反映処理を開始する方式です。この方式で,抽出側システムから,反映処理の動作を制御できます。

使用目的

抽出側システムの運用によって反映処理を制御する場合に使います。

抽出側システムでの設定

反映処理を開始する直前の,抽出対象のUAPをイベントとして設定します。

反映環境定義の設定

startmodeオペランドにspdを指定します。

eventretrn又はeventretblオペランドで,抽出側システムで設定したイベントコードと,イベント受信後の反映処理の方式との対応付けを指定します。