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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


付録D.9 系切り替え機能

系切り替え機能を使用する場合,次に示す機能を使用することをお勧めします。これらの機能を使用すると,系の切り替え時間を短縮できるため,業務停止時間を最小限に抑えられます。

〈この項の構成〉

(1) 高速系切り替え機能

待機系HiRDBのサーバプロセス及びシステムサーバをあらかじめ起動しておいて,系の切り替え時にサーバプロセス及びシステムサーバの起動処理をしません。これを高速系切り替え機能といいます。系の切り替え時にサーバプロセス及びシステムサーバの起動処理がない分,系の切り替え時間を短縮できます。高速系切り替え機能については,「高速系切り替え機能」を参照してください。

(2) スタンバイレス型系切り替え機能

待機系HiRDBを準備するスタンバイ型系切り替え機能とは異なり,スタンバイレス型系切り替え機能では待機系HiRDBを準備する必要がありません。障害が発生した場合は待機系HiRDBに系を切り替えるのではなく,稼働中のほかのユニットに処理を代行させます。これをスタンバイレス型系切り替え機能といいます。稼働中のユニットを利用するため,系の切り替え時間を短縮できます。

(3) トランザクションキューイング機能

バックエンドサーバ又はディクショナリサーバがあるユニットで系切り替えが発生すると,系の切り替えが完了するまでこのバックエンドサーバ又はディクショナリサーバはトランザクションを受け付けられない状態になります。そのため,系切り替え中のバックエンドサーバ又はディクショナリサーバで処理するトランザクションがエラーになります。

これらのトランザクションをエラーにしないで,系切り替えが完了するまでフロントエンドサーバでトランザクションをキューイングします。これをトランザクションキューイング機能といいます。これによって,系切り替え時のトランザクションエラーを少なくできます。トランザクションキューイング機能については,次の箇所を参照してください。

●計画系切り替え時のトランザクションキューイング機能の利用

pdtrnqingコマンドでトランザクションキューイングを開始できます。計画系切り替えを行うときにpdtrnqingコマンドでトランザクションキューイングを開始しておくと,計画系切り替え中も新規トランザクションがキューイングされるため,計画系切り替え中にUAPを実行してもエラーになりません。

トランザクションキューイング機能を使用した計画系切り替えについては,次の箇所を参照してください。

・スタンバイ型系切り替え(モニタモード)の場合:「計画系切り替え

・スタンバイ型系切り替え(サーバモード)の場合:「計画系切り替え

・1:1スタンバイレス型系切り替えの場合:「計画系切り替え

・影響分散スタンバイレス型系切り替えの場合:「計画系切り替え