スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 コマンドリファレンス(Windows(R)用)

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19.4.2 オプションの説明

<この項の構成>
(1) -m〔ホスト名:〕マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名
(2) -b {〔ホスト名:〕バックアップファイル名〔,バックアップファイル名〕…|〔ホスト名:〕ポリシー名}
(3) -l 〔ホスト名:〕アンロードログファイル名〔,アンロードログファイル名〕…
(4) -L
(5) -d 〔ホスト名:〕アンロードログファイル格納ディレクトリ名〔,アンロードログファイル格納ディレクトリ名〕…
(6) -p 処理結果出力ファイル名
(7) -w ソート用ワークディレクトリ名
(8) -y ソート用ワークバッファサイズ
(9) -k {u|i|n}
(10) -U {バックアップ検索条件開始時刻,バックアップ検索条件終了時刻|,バックアップ検索条件終了時刻}
(11) -g 差分バックアップグループ名
(12) -K 差分バックアップ管理ファイルを格納するHiRDBファイルシステム領域名
(13) -Y 書き込みバッファサイズ
(14) -f 制御文ファイル名
(15) -a
(16) -c
(17) -u ユニット識別子〔,ユニット識別子〕…
(18) -s サーバ名〔,サーバ名〕…
(19) -r RDエリア名〔,RDエリア名〕…
(20) -T { 回復開始時刻,回復終了時刻|回復開始時刻|,回復終了時刻 }
(21) -z ログポイント情報ファイル名

(1) -m〔ホスト名:〕マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名

   〜<識別子:パス名>

マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名を指定します。マスタディレクトリ用RDエリアがあるホストの名称とパス名をコロン(:)で結んで指定してください。システム共通定義のpd_master_file_nameオペランドに指定した名称を指定します。

 
(例)-m host01:C:\sysarea\rdsys02\rdmast
 

<規則>
  • データベース回復ユティリティを実行したサーバマシン(pdrstrコマンドを入力したサーバマシン)にマスタディレクトリ用RDエリアがある場合は,ホスト名を省略できます。この場合は,パス名だけを指定します。
  • ホスト名を指定する場合は,システム定義のpdunitオペランドの-xオプションで指定したホスト名を指定してください。
  • 系切り替え機能を使用している場合は,必ず現用系のホスト名を指定してください。
  • HiRDBファイルシステム領域名は大文字と小文字の区別をしませんが,HiRDBファイル名は大文字と小文字の区別をします。
    C:\hirdb\rdarea\master\master01の場合,C:\hirdb\rdarea\masterについては大文字と小文字の区別をしません。master01については大文字と小文字の区別をします。

(2) -b {〔ホスト名:〕バックアップファイル名〔,バックアップファイル名〕…|〔ホスト名:〕ポリシー名}

   〜<識別子:パス名>((-k i指定時は167文字以内))

バックアップファイル名,又はNetBackupのポリシー名を指定します。

<規則>
  • データベース回復ユティリティを実行したサーバマシン(pdrstrコマンドを入力したサーバマシン)にバックアップファイルがある場合は,ホスト名を省略できます。この場合,パス名だけを指定します。
  • ホスト名を指定する場合は,システム定義のpdunitオペランドの-xオプションで指定したホスト名を指定してください。
  • データベース回復ユティリティを実行したサーバマシン(pdrstrコマンドを入力したサーバマシン)にNetBackupクライアントがある場合は,ホスト名を省略できます。
  • 系切り替え機能を使用している場合は,必ず現用系のホスト名を指定してください。ただし,実際のバックアップファイル又はNetBackupクライアントは,実行系になければなりません。
  • ログポイント情報ファイルの再作成の場合は,バックアップファイルが複数ファイル又は複数ボリュームの場合でも,先頭ファイル又は先頭ボリュームだけを指定します(複数ファイル又は複数ボリュームが指定されても先頭のものだけ参照します)。
  • RDエリア単位に個々に取得したバックアップファイルを,複数個同時に指定すると,最初のバックアップファイルだけ認識されます。2個目以降のバックアップファイルは認識されません。
  • バックアップファイルの入出力処理で使用するバッファサイズは,システム定義のpd_utl_file_buff_sizeオペランドで変更できます。
  • -bオプションは-kオプションと次に示す関係があります。
    -kオプションの指定 指定できるバックアップファイル名
    -k u ファイル名を指定できます。バックアップの取得時,一つのバックアップファイルが複数のファイルにわたって取得された場合,バックアップを構成するすべてのファイル名を作成順に指定してください。
    -k i "HiRDBファイルシステム領域名\HiRDBファイル名"で指定します。バックアップの取得時,一つのバックアップファイルが複数のファイルにわたって取得された場合,バックアップを構成するすべてのファイル名を作成順に指定してください。また,HiRDBファイルシステム名までは大文字,小文字の区別はしませんが,HiRDBファイル名の大文字,小文字の区別はします。
    -k n pdcopyで取得したNetBackupのポリシー名を指定します。ホスト名には,NetBackupクライアントがあり,HiRDBがあるホスト名を指定してください。HiRDBが取り出すNetBackupのバックアップは最新のものだけです。

 

(3) -l 〔ホスト名:〕アンロードログファイル名〔,アンロードログファイル名〕…

   〜<識別子:パス名>

バックアップファイルの取得時点以降のアンロードログファイルの名称を指定します。アンロードログファイルがあるホストの名称とパス名をコロン(:)で結んで指定してください。

 
  (例)-l host01:C:\hirdb\pdlogunld\unld01
 

<規則>
  • -lオプションを指定する場合は,-L,-c,及び-dオプションは指定できません。
  • データベース回復ユティリティを実行したサーバマシン(pdrstrコマンドを入力したサーバマシン)にアンロードログファイルがある場合は,ホスト名を省略できます。この場合,パス名だけを指定します。
  • 系切り替え機能を使用している場合は,必ず現用系のホスト名を指定してください。ただし,実際のアンロードログファイルは実行系になければなりません。
  • アンロードログファイルをHiRDBファイルで作成した場合は,アンロードログファイル名には"HiRDBファイルシステム領域名\HiRDBファイル名"を指定してください。このとき,"HiRDBファイルシステム領域名\HiRDBファイル名"は167文字以内にしてください。
  • pdstart -rコマンドでHiRDBを開始した場合に-lオプションを指定してpdrstrを実行するときは,回復できるのはマスタディレクトリ用RDエリアだけです。

<注意事項>
  • データベース複写ユティリティで-M s指定のバックアップファイルを-bオプションに指定した場合は,必ず-lオプションを指定してください。アンロードログファイルが複数ある場合,世代の古いものから順にアンロードログファイルの数だけ指定する必要があります。ただし,ホスト名は先頭に1回だけ指定してください。すなわち,すべてのアンロードログファイルは同一ホストになければなりません。
  • アンロードログファイルを使用して回復する場合,必要なアンロードログファイルをすべて指定する必要があります。必要なアンロードログファイルが足りない場合,メッセージ(KFPR16203-E,KFPR16301-E)が出力され,エラー終了します。

(4) -L

アンロードレスシステムログ運用の場合に指定します。この指定をすると,システムログファイルが入力情報になり,データベースを回復します。

<規則>
  • このオプションを指定した場合,-bオプションでバックアップファイル名を指定する必要があります。このバックアップファイルは,pdcopyコマンドで-zオプションを指定したファイルでなければなりません。
  • このオプションを指定する場合は,-l,-c,及び-dオプションは指定できません。

(5) -d 〔ホスト名:〕アンロードログファイル格納ディレクトリ名〔,アンロードログファイル格納ディレクトリ名〕…

   〜<識別子:パス名>

回復に必要なすべてのアンロードログファイルが格納されているディレクトリ名を指定します。アンロードログファイルがあるホストの名称とパス名をコロン(:)で結んで指定してください。

<適用基準>
回復に必要なアンロードログファイルの個数が多い場合に使用します(例えば,1回のpdrstr実行のコマンドラインに,すべてのアンロードログファイルを指定できないときなど)。

<規則>
  • アンロードログファイル格納ディレクトリ名とディレクトリ下のファイル名を組み合わせたパス名の長さが,1,023バイトを超えないようにしてください。また,指定できるディレクトリ数は,最大128個です。
  • ディレクトリの直下には,アンロードログファイル以外のファイルは格納してないでください。アンロードログファイル以外のファイルがある場合,そのファイルは無視されます。
  • このオプションは,-l及び-Lオプションと組み合わせて指定できません。
  • このオプションを指定した場合,アンロードログファイルを作成順(システムログ割り当て時刻順)に入力するため,マシンの時刻を変更する前後に作成したアンロードログファイルを同一ディレクトリ下に混在させないでください。
  • このオプションにHiRDBファイルシステム領域は指定できません。
  • 指定したディレクトリ下のアンロードログファイルの入力開始位置(入力対象になるアンロードログファイル)は,バックアップ取得時のバックアップ取得モード,及び回復時のオプションの指定によって変わります。アンロードログファイルの入力開始位置を次に示します。
    条件 アンロードログファイルの入力開始位置
    更新可能モード(pdcopy -M s)で取得したバックアップファイルを使用する場合 ディレクトリ下のすべてのアンロードログファイルが入力対象となります。
    参照可能モード(pdcopy -M r)のバックアップファイル,又は参照・更新不可能モード(pdcopy -M x)のバックアップファイルを使用する場合 ディレクトリ下のアンロードログファイルのうち,バックアップファイル取得開始時刻が含まれるアンロードログファイル以降のログを入力対象とします。
    なお,時刻がマシン間で異なっていることによって,バックアップ取得開始時刻よりも前に入力が必要なアンロードログファイルがある場合は,-Tオプションで回復開始時刻を指定してください。指定する時刻は,バックアップ出力先ホストと回復対象ホストとの時間差で求めてください。
    バックアップファイルを使用しないで,アンロードログファイルだけを使用してRDエリアを回復する場合 ディレクトリ下のすべてのアンロードログファイルが入力対象となります。
    回復時に-Tオプションで回復開始時刻を指定している場合 回復開始時刻以降のアンロードログファイルが入力対象となります。
    インメモリRDエリアを回復する場合
    • インメモリRDエリアのバックアップとアンロードログファイルを使用して回復する場合
      インメモリデータバッファとインメモリRDエリアの同期を取った時刻以降のアンロードログファイルが入力対象となります。
      インメモリRDエリアが複数ある場合,その中で同期を取った時刻が一番古い時刻以降のアンロードログファイルが入力対象となります。
      例えば,バックアップファイル中にRDエリアRD01,RD02のバックアップがあり,RD01の同期時刻が2007年12月15日13時45分23秒で,RD02の同期時刻が同じ日の14時5分55秒の場合,2007年12月15日13時45分23秒以降のアンロードログファイルが入力対象となります。
    • バックアップファイルを使用しないで,アンロードログファイルだけを使用して回復する場合
      前記と同じです。
    • インメモリRDエリアとそうでないRDエリアを一緒に回復する場合
      ディレクトリ下のすべてのアンロードログファイルが入力対象となります。
  • 指定したディレクトリに,ログレスモード又は更新前ログ取得モードでUAPやユティリティを実行したときのアンロードログファイルがあるとエラーになります。この場合,ログレスモード又は更新前ログ取得モードでの実行以降に取得したバックアップ開始時刻を-Tオプションに指定して,ログレスモード又は更新前ログ取得モードのシステムログを除外する必要があります。

(6) -p 処理結果出力ファイル名

   〜<パス名>

データベース回復ユティリティの処理結果を出力するファイル名を指定します。

 
(例)-p C:\hirdb\pdrstr\list01
 

<規則>
  • データベース回復ユティリティを実行したサーバマシン(pdrstrコマンドを入力したサーバマシン)のパス名を指定します。
  • このオプションを省略した場合,データベース回復ユティリティを実行したサーバマシンの次に示すディレクトリに処理結果出力ファイルを作成します。
    -pオプションの指定 システム定義のpd_tmp_directoryオペランドの指定
    あり なし
    環境変数TMPの指定
    あり なし
    あり -pオプションに指定したディレクトリ
    なし pd_tmp_directoryに指定したディレクトリ TMPに指定したディレクトリ %PDDIR%\tmpディレクトリ

    注※ コマンド実行環境の環境変数の指定

    出力先はKFPR26222-Iメッセージに表示されます。
  • このオプションの指定に関係なくエラーメッセージはシステムログファイル及び標準出力に,最終処理結果は標準出力に出力されます。ただし,システムログファイルと標準出力に出力されるメッセージの順序は必ずしも同じではありません。

(7) -w ソート用ワークディレクトリ名

   〜<パス名>

-lオプション,-Lオプション,及び-dオプションを指定した場合に,一時ファイルを作成するディレクトリの名称を指定します。回復対象のRDエリアが複数のサーバマシンにある場合,指定したディレクトリが各サーバマシンになければなりません。省略した場合,次のディレクトリが仮定されます。

-wオプションの指定 システム定義のpd_tmp_directoryオペランドの指定
あり なし
環境変数TMPの指定
あり なし
あり -wオプションに指定したディレクトリ
なし pd_tmp_directoryに指定したディレクトリ TMPに指定したディレクトリ %PDDIR%\tmpディレクトリ

注※ 
システム環境変数の指定

ソート用ワークディレクトリ下の空き領域は,次の値以上にする必要があります。

 
a+(a÷130×36)
 

a:max{min(入力ログ総容量,1536000000),シンクポイントの最大間隔出力ログ量}(単位はバイト)

入力ログ総容量:
pdrstr実行時に指定するアンロードログファイル,又はシステムログファイルの総容量です。

シンクポイントの最大間隔出力ログ量:
前回のシンクポイントから新たに取得されるシンクポイントまでに出力されるログ量です。次の計算式で求められます。
シンクポイントダンプ有効化処理のスキップ回数の最大値
×(pd_log_sdintervalで指定したシステムログ出力量の値
×↑pd_log_max_data_sizeの値÷pd_log_rec_lengの値↑
×pd_log_rec_lengの値)

(8) -y ソート用ワークバッファサイズ

   〜<符号なし整数>((256〜2097151))《1024》

-lオプション,-Lオプション,及び-dオプションを指定したときに使用するワークバッファサイズを,キロバイト単位で指定します。この指定値が少ないと,KBLS300-Eメッセージが出力され,データベース回復プロセスが異常終了します。指定値の目安を次に示します。

[図データ]

a:max{min(入力ログ総容量,1536000000),シンクポイントの最大間隔出力ログ量}(単位はバイト)

入力ログ総容量:
pdrstr実行時に指定するアンロードログファイル,又はシステムログファイルの総容量です。

シンクポイントの最大間隔出力ログ量:
前回のシンクポイントから新たに取得されるシンクポイントまでに出力されるログ量です。次の計算式で求められます。
シンクポイントダンプ有効化処理のスキップ回数の最大値
×(pd_log_sdintervalで指定したシステムログ出力量の値
×↑pd_log_max_data_sizeの値÷pd_log_rec_lengの値↑
×pd_log_rec_lengの値)

(9) -k {u|i|n}

バックアップファイルの種別を指定します。

u :
ファイルのバックアップを入力する場合に指定します。

i :
HiRDBファイルシステム領域に取得したバックアップを入力する場合に指定します。実行系システムと待機系システムとでバックアップファイルを共用し,実行系システムで取得したバックアップを使用して待機系システムを回復する場合に有効です。

n :
NetBackupを使用してデータベースを回復する場合に指定します。この場合,-bオプションにはNetBackupのポリシー名を指定します。

(10) -U {バックアップ検索条件開始時刻バックアップ検索条件終了時刻|,バックアップ検索条件終了時刻}

同一ポリシー名で取得したバックアップ中の,任意の時点で取得したバックアップから回復したい場合に指定します。このオプションは,NetBackup連携機能使用時(-k n指定時)に指定します。それ以外の場合に指定しても無効となります。

バックアップ検索条件開始時刻,及びバックアップ検索条件終了時刻の両方を指定した場合,指定した期間内での最新のバックアップを使用して回復します。バックアップ検索条件終了時刻だけを指定した場合,終了時刻時点でのバックアップを使用して回復します。

<規則>
  • このオプションを省略した場合,同一ポリシー名で取得したバックアップ中の最新のバックアップを使用します。
  • バックアップの取得日時は,bpimagelistコマンド(-policyオプション指定)で参照できます。
  • バックアップ検索条件開始時刻及びバックアップ検索条件終了時刻は,日付と時刻を_(アンダースコア)で結んで指定します。形式を次に示します。時刻を省略した場合,開始時刻は000000が,終了時刻は235959が仮定されます。
     
     -U YYYYMMDD〔_hhmmss〕,YYYYMMDD〔_hhmmss〕
     
YYYY:年 〜<符号なし整数>((1990〜2037))
西暦で指定します。
MM :月 〜<符号なし整数>((01〜12))
DD :日 〜<符号なし整数>((01〜31))
hh :時 〜<符号なし整数>((00〜23))
mm :分 〜<符号なし整数>((00〜59))
ss :秒 〜<符号なし整数>((00〜59))
終了時刻だけを指定する場合は,コンマ(,)に続けて終了時刻を指定します。

(11) -g 差分バックアップグループ名

   〜<英数字>((1〜30))

差分バックアップ機能を使用する場合,pdcopyで指定した差分バックアップグループ名を指定します。

(12) -K 差分バックアップ管理ファイルを格納するHiRDBファイルシステム領域名

   〜<パス名>

差分バックアップ機能を使用する場合,pdcopyで指定した差分バックアップ管理ファイルを格納するHiRDBファイルシステム領域名を指定します。

"差分バックアップ管理ファイルを格納するHiRDBファイルシステム領域名\差分バックアップグループ名"が,167文字以内になるようにしてください。

(13) -Y 書き込みバッファサイズ

   〜<符号なし整数>((4〜131072))

データベースの回復時に,回復データを書き込むときのバッファサイズをキロバイト単位で指定します。このオプションを指定することで,一度に書き込むデータ量が増えるため,書き込み回数を削減できます。

<適用基準>
次の適用条件に該当する場合,性能改善が見込めるため,指定することをお勧めします。
回復に使用するデータ 適用条件
差分バックアップファイル 前回の差分バックアップ取得後のデータ更新が,追加(INSERT文)だけ,又は全データ削除(DELETE文,PURGE TABLE文)を行っている場合。
アンロードログファイル又はシステムログファイル データベースへの更新業務で,主なデータ更新が追加(INSERT文)の場合。

<指定値の目安>
指定値として,1024〜2048を指定することをお勧めします。
指定値の目安は,データベースの回復対象となる全RDエリアのページ長の公倍数となります。

<規則>
  1. このオプションを省略した場合,次の値が仮定されます。
    ・差分バックアップファイル,又はアンロードログファイル若しくはシステムログファイルを使用した回復の場合は,各回復対象RDエリアのページ長
    ・上記以外の場合は60
  2. 回復対象RDエリア中の最大ページ長より小さい値を指定した場合,その指定は無視され,オプション省略時の仮定値が適用されます。

(14) -f 制御文ファイル名

   〜<パス名>

制御文ファイル名を指定します。

 
(例)-f C:\hirdb\pdrstr\cont01
 

制御文ファイルには(3)〜(5),及び(16)〜(21)のオプションを指定できます。なお,これらのオプションは,pdrstrコマンド中に直接指定することもできます。

<制御文ファイルの形式>
 
 {{-l フラグ引数|-L|-d フラグ引数}|{-a|-c|-u フラグ引数|-s フラグ引数|-r フラグ引数}〔-T フラグ引数〕}
 〔{{-l フラグ引数|-L|-d フラグ引数}|{-u フラグ引数|-s フラグ引数|-r フラグ引数}〔-T フラグ引数〕}〕
 〔{{-l フラグ引数|-L|-d フラグ引数}|{-u フラグ引数|-s フラグ引数|-r フラグ引数}〔-T フラグ引数〕}〕
                 ・
                 ・
                 ・
 

<注意事項>
  • 制御文ファイルは,データベース回復ユティリティを実行したサーバマシン(pdrstrコマンドを入力したサーバマシン)に作成してください。
  • 制御文ファイル中には,回復対象のRDエリアを指定するオプションと-Tオプションの組み合わせを1行で指定してください。
  • 制御文ファイルの1行は,32,768バイト以内で指定してください。
  • 各オプションフラグについては,それぞれ対応するオプションの説明を参照してください。
  • -u,-s,又は-rオプションを複数行指定する場合は,1行目に指定したオプションフラグだけ2行目以降も指定できます(-a及び-cオプションは除きます)。例えば,1行目に-uオプションを指定した場合,2行目以降は-uオプションだけ指定できます。
  • -lオプションを複数行指定した場合,最後の指定が有効となります。また,-dオプションも同様です。
  • コマンドライン中に指定したオプションは,制御文ファイル中には指定できません。ただし,-Tオプションはコマンドライン及び制御文ファイルの両方に指定できます。この場合,制御文ファイル中で-Tオプションを指定していない項目に対しては,コマンドラインの-Tオプションの指定が有効となります。
  • コマンドライン中に指定したオプションの組み合わせによっては,制御文ファイルを指定できないことがあります。オプションの組み合わせと制御文ファイルの指定可否を次に示します。
    -l,-L,又は-dオプションの指定 -a,-c,-u,-s,又は-rオプションの指定
    なし あり
    なし ※1 ※2
    あり ※3 ×
(凡例)
○:指定できます。
×:指定できません。
注※1
制御文ファイルに指定できるオプションを,すべて指定できます。
注※2
-l,-L,又は-dオプションを指定できます。
注※3
-a,-c,-u,-s,又は-rオプションと,-Tオプションを指定できます。

<正しい制御文の例>
 
 -r pdbuser1 -T 20040809,20040810
 -r pdbuser2 -T 20040809
 -l C:\hirdb\unldlog\unld01,C:\hirdb\unldlog\unld02,
 C:\hirdb\unldlog\unld03,C:\hirdb\unldlog\unld04
 
アンロードログファイルunld01,unld02,unld03,及びunld04に格納されているデータベース更新履歴を使用してデータベースを回復します。このとき,RDエリアpdbuser1は,2004年8月9日0時0分0秒から2004年8月10日24時59分59秒までのデータベース更新履歴を使用して回復します。また,RDエリアpdbuser2は,2004年8月9日0時0分0秒以降のデータベース更新履歴を使用して回復します。

<誤った制御文の例1>
 
 -r pdbuser1 -T 20040809,20040810
 -r pdbuser2 -T 20040809 -l C:\hirdb\unldlog\unld01,C:\hirdb\unldlog\unld02   ←エラー
 
-l,-L,又は-dオプションを指定した行に,ほかのオプションは指定できません。

<誤った制御文の例2>
 
 -r pdbuser1 -T 20040809,20040810
 -r pdbuser2 -T 20040809
 -l C:\hirdb\unldlog\unld01
 ,C:\hirdb\unldlog\unld02   ←エラー
 
1行に指定できる文字列長には上限(改行コードを含んで32,768バイト)があるため,-l,又は-dオプションの引数が長くなる場合には,オプションの途中で改行ができます。ただし,改行ができる箇所は,アンロードログファイルのパス名を区切っているコンマ(,)の後だけとなります。-l,又は-dオプションを指定した行がコンマ以外で終わっている場合,そこを1行の終わりと判断します。

(15) -a

全RDエリア(ただし,リスト用RDエリアを除きます)を回復する場合に指定します。

<規則>
  • 制御文ファイルに指定する場合,-aオプションを指定したときは,制御文は1行しか指定できません。

(16) -c

-bオプションで指定したバックアップファイル中の全RDエリア(ただし,リスト用RDエリアを除きます)を回復する場合に指定します。

<規則>
  • 制御文ファイルに指定する場合,-cオプションを指定したときは,制御文は1行しか指定できません。
  • -cオプションを指定する場合は,必ず-bオプションも指定してください。ただし,差分バックアップ機能を使用する場合は,-bオプションを指定する必要はありません(-bオプションを指定すれば手動回復となり,-bオプションを省略すれば自動回復となります)。
  • -cオプションを指定する場合は,-lオプションは指定しないでください。
  • pdcopyで-Jオプションを指定してバックアップを取得した場合にKFPR26063-Iメッセージが出力されているときは,そのバックアップを使用して回復しても正常終了しません(処理がスキップされたRDエリアも回復対象となるため)。

(17) -u ユニット識別子〔,ユニット識別子〕…

   〜<識別子>((4文字))

ユニット下の全RDエリア(ただし,リスト用RDエリアを除きます)を回復する場合に,回復対象のユニット識別子を指定します。

<規則>
  • ユニット識別子を複数指定する場合は,重複しないようにしてください。
  • 制御文ファイルに指定する場合,ユニット識別子は制御文全体で一意にしてください。

(18) -s サーバ名〔,サーバ名〕…

   〜<識別子>((最大8文字))

サーバ単位で回復を行う場合は(サーバ下の全RDエリア回復する場合)に,バックアップ取得対象のバックエンドサーバ名またはディクショナリサーバ名を指定します。

<規則>
  • サーバ名を複数指定する場合は,重複しないようにしてください。
  • 制御文ファイルに指定する場合,サーバ名は制御文全体で一意にしてください。

(19) -r RDエリア名〔,RDエリア名〕…

   〜<識別子>((最大30文字))

回復対象のRDエリア名を指定します。

<規則>
・直接指定したRDエリア名が重複した場合
次のように指定すると,KFPR26007-Eエラーになります(太字が重複部分です)。
 
   -r LOB1,USER1 -T 20081125_000000,20081125_240000
   -r DDIC,USER1 -T 20081126_000000,20081126_240000
 
・一括指定したRDエリア名が重複した場合
次のように指定すると,最初に指定した値が有効になります(太字が重複部分です)。
 
   -r LOB1,USER* -T 20081125_000000,20081125_240000…有効
   -r DDIC,USER* -T 20081126_000000,20081126_240000
 
・直接指定したRDエリア名と一括指定したRDエリア名が重複した場合
次のように指定すると,USER1に対しては直接指定での指定値が有効になります(太字が重複部分です)。
 
   -r LOB1,USER1 -T 20081125_000000,20081125_240000…有効
   -r DDIC,USER* -T 20081126_000000,20081126_240000
 
  • リスト用RDエリアは指定できません。

(20) -T { 回復開始時刻回復終了時刻|回復開始時刻|,回復終了時刻 }

範囲指定の回復をする場合に指定します。

-l,-d,又は-Lオプションを指定した場合に,データベース回復時の回復対象となる先頭のログの出力時刻と最終のログの出力時刻を指定します。

<規則>
  • -l,-d,又は-Lオプションを指定した場合にこのオプションを省略したときは,システムログファイル又はアンロードログファイルの最初のログの出力時刻と最終のログの出力時刻が仮定されます。
  • -l,-d,又は-Lオプションを指定していない場合,このオプションを指定しても無視されます。ただし,差分バックアップ機能を使用する場合は指定すると有効となります。
  • 回復開始時刻は,回復終了時刻よりも前の時刻を指定してください。回復終了時刻よりも後の時刻を指定した場合はエラーとなり,処理を終了します。また,このオプションを指定した場合は回復開始時刻又は回復終了時刻のどちらかは必ず指定してください。
  • 回復開始時刻及び回復終了時刻は,日付と時刻を_(アンダースコア)で結んで指定します。形式を次に示します。時刻を省略した場合,回復開始時刻は000000が,回復終了時刻は235959が仮定されます。
     
     -T YYYYMMDD〔_hhmmss〕,YYYYMMDD〔_hhmmss〕
     
YYYY:年 〜<符号なし整数>((1990〜2037))
西暦で指定します。
MM :月 〜<符号なし整数>((01〜12))
DD :日 〜<符号なし整数>((01〜31))
hh :時 〜<符号なし整数>((00〜23))
mm :分 〜<符号なし整数>((00〜59))
ss :秒 〜<符号なし整数>((00〜59))
回復終了時刻だけを指定する場合は,コンマ(,)に続けて回復終了時刻を指定します。また,回復開始時刻だけを指定する場合は,回復開始時刻の後にコンマを指定しないでください。
<注意事項>
  1. 範囲指定の回復をする場合,サーバマシンによって時間が異なるので,範囲指定をするRDエリアがあるサーバマシンの時刻を指定してください。
  2. バックアップファイルを使用して範囲指定の回復をする場合,回復開始時刻は指定する必要はありません。指定した場合は無視され,バックアップ開始時刻が仮定されます。また,回復終了時刻にはバックアップ取得終了時刻以降の値を指定してください。
  3. 一つのトランザクションが更新した複数のRDエリアを,RDエリア単位の範囲指定の回復をする場合,回復終了時刻にはトランザクション終了時刻(同期点)以降の値を指定してください。トランザクション終了時刻より前の値を指定した場合はエラーとなります。この場合,再度正しい時刻(トランザクション終了時刻以降)を指定する必要があります。
  4. -Tオプションと,制御文ファイル中の-rオプションに-Tオプションを指定した例を次に示します。

<コマンドの指定>
 
 pdrstr …
     -T X1,Y1
     …
     -f 制御文ファイル1
 

<制御文ファイル1の内容>
 
 -r pduser1
 -r pduser2 -T X2,Y2
 -r pduser3 -T X3
 -r pduser4 -T ,Y4
 
[図データ]

(21) -z ログポイント情報ファイル名

   〜<パス名>

ログポイント情報ファイルを再作成する場合,そのファイル名を指定します。このファイルはpdrstrコマンドを入力したホスト上に作成されます。

<規則>
  • このオプションを指定した場合,-bオプションでバックアップファイル名を指定する必要があります。この時に指定するバックアップファイルはpdcopyコマンドで-zオプションを指定して取得したものでなければなりません。
  • 既にファイルがある場合,ユティリティはこのファイルを削除してから再作成します。