スケーラブルデータベースサーバ HiRDB ファーストステップガイド(Windows(R)用)
データベースの障害に備えて,定期的にデータベースのバックアップを取得する必要があります。バックアップはpdcopyコマンド(データベース複写ユティリティ)で取得します。
ディスク障害などでデータベースを回復する必要が生じた場合,ここで取得したバックアップをpdrstrコマンド(データベース回復ユティリティ)の入力情報にしてデータベースを回復します。データベース回復の概要を図4-4に示します。
バックアップは次に示す単位で取得できます。バックアップの取得単位はpdcopyコマンドのオプションで指定できます。バックアップの取得単位を表4-4に示します。
表4-4 バックアップの取得単位
バックアップの取得単位 | 説明 | pdcopyコマンドの オプションの指定 |
---|---|---|
システム単位 | 全RDエリアを対象としてバックアップを取得します。次に示すRDエリアのバックアップも取得されます。 このマニュアルで実施しているアンロード状態のチェックを解除する運用の場合,システム単位のバックアップしか実行できません。
|
-a |
RDエリア単位 | RDエリアごとにバックアップを取得します。 | -r RDエリア名 |
pdcopyコマンドの-Mオプションでバックアップ取得モードを選択します。バックアップ取得モードを表4-5に示します。
表4-5 バックアップ取得モード
バックアップ取得モード (-Mオプション の指定値) |
モードの説明 |
データベースの 回復方法の違い |
---|---|---|
x | バックアップ取得中,バックアップ対象RDエリアの参照および更新ができません。バックアップ取得対象RDエリアをpdholdコマンドで閉塞かつクローズ状態にする必要があります。 別のモードでバックアップすると,アクセスが多いことが原因でバックアップに時間がかかる場合に使用すると便利です。 |
バックアップだけでデータベースをバックアップ取得時点に回復できます。 |
r | バックアップ取得中,バックアップ取得対象のRDエリアの参照はできますが,更新はできません。 システムログを使わないでデータベースの回復を行う運用の場合に便利です。 |
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s | バックアップ取得中,バックアップ取得対象RDエリアの参照および更新ができます。 RDエリアの参照業務および更新業務を続けながらバックアップを取得したい場合に便利です。 |
データベースを回復するときに,バックアップおよびバックアップ取得中のシステムログ※が必要になります。 |
この先行う演習ではバックアップファイルをデータベースと同じディスクに格納していますが,本番用のシステムではバックアップファイルをデータベースと異なるディスクに格納してください。同じディスクに格納すると,そのディスクに障害が発生した場合,データベースを回復できなくなります。
pdcopyコマンドを実行すると処理結果リストが出力されます。処理結果リストの出力先は,pdcopyコマンドの-pオプションで指定します。pdcopyコマンドの処理結果リストの出力例を図4-5に示します。
図4-5 pdcopyコマンドの処理結果リストの出力例
バックアップを取得する手順を図4-6に示します。
図4-6 バックアップを取得する手順
自動ログアンロード機能を使用する場合は,バックアップの取得手順が「(6)バックアップの取得手順」とは異なります。自動ログアンロード機能を使用する場合のバックアップの取得手順を図4-7に示します。
図4-7 自動ログアンロード機能を使用する場合のバックアップを取得する手順
自動ログアンロード機能を使用している場合は,システムログをスワップし,それが自動的にアンロードされるのを確認してからバックアップを取得します。
バックアップを取得したあとは,現用システムログに対するアンロードログを調べて,データベース回復時に使用するアンロードログをあらかじめ確認しておきます。
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