Hitachi

DABroker


6.5.2 拡張データベースアクセストレース機能

〈この項の構成〉

(1) 機能概要

拡張データベースアクセストレースでは,従来のDABrokerのデータベースアクセストレースと比較して,次の機能が拡張されています。

(2) 適用範囲

拡張データベースアクセストレース機能は,次のような場合に有効です。

(3) DABroker動作環境定義

拡張データベースアクセストレースを取得する設定は,DABroker動作環境定義ファイルで設定します。

DABroker動作環境定義ファイルでの設定方法については,「4.5 DABroker環境設定項目」を参照してください。

(4) 出力形式

拡張データベースアクセストレースのファイル出力形式を次に示します。

Oracle19cでOracle7接続の場合,Oracle12c以前とは出力するイベントが変わるなど,出力内容が異なります。

DRV

DABrokerのデータベースアクセスドライバの種別に従い,次の識別子が出力されます。

HiRDB接続の場合

HiRDB Driver

Oracle8i接続の場合

ORACLE8i Driver(Oracle Call Interface 8iを使用)

Oracle7接続の場合

ORACLE7 Driver(Oracle19c以外でOracle Call Interface 7を使用している場合,又はOracle19cでOracle Call Interface 8iを使用している場合)

SQL Anywhere接続の場合

SQLAnywhere

ODBC3.0接続の場合

ODBC30

RDA Link for Gateway経由メインフレーム系データベース接続の場合

RDALink Driver

Database Connection Server経由メインフレーム系データベース接続の場合

DBS

注※

DABroker for JavaからOracle8iの機能を使用する場合だけ出力されます。

Date

ファイル作成日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss.nnnnnn)が出力されます。

  • YYYY:西暦年,MM:月,DD:日

  • hh:時,mm:分,ss:秒,nnnnnn:マイクロ秒

DABroker Connect ID

データベース接続識別子が出力されます。

Process ID

実行プロセスIDが出力されます。

UserID

接続ユーザIDが出力されます。

DABroker for JavaでORACLEのOS認証機能を使用した場合は,「OS authority」となります。

Client Name

UAP名称が出力されます。名称が設定されていない場合は空白になります。

(DB別出力情報)

接続データベースによって異なる情報が出力されます。出力内容について,表6-3に示します。

表6‒3 接続データベースごとのトレース出力内容

接続データベース

出力内容

説明

HiRDB

PDHOST:

HiRDB接続時のPDHOSTの設定内容です。未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。

PDNAMEPORT:

HiRDB接続時のPDNAMEPORTの設定内容です。未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。

Oracle

SQLNET:

Oracleリスナー名が出力されます。未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。

SQL Anywhere

ODBC Data Source:

ODBC設定のデータソース名が出力されます。未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。

ODBC Key Word:

ODBC設定の接続情報が出力されます。未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。

ODBC3.0

ODBC Data Source:

ODBC設定のデータソース名が出力されます。未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。

ODBC Key Word:

ODBC設定の接続情報が出力されます。未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。

RDA Link

Access DataBase:

RDA Linkで接続しているホストDB名称が出力されます。

VOS3 XDM RD E2接続の場合:VOS3 XDM/RD E2

VOS1 RDB1 E2接続の場合:VOS1 RDB1 E2

VOSK SQL/K接続の場合:VOSK SQL/K

未設定の場合:Unknown DBMS

Node Name:

データベース識別子の情報が出力されます。未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。

Databease Connction Server

Access DataBase:

接続しているホストDB名称が出力されます。

VOS3 XDM RD E2接続の場合:VOS3 XDM/RD E2

VOS3 XDM SD E2接続の場合:VOS3 XDM/SD E2

VOS1 RDB1 E2接続の場合:VOS1 RDB1 E2

VOS1 PDMII E2接続の場合:VOS1 PDM2 E2

VOSK SQL/K接続の場合:VOSK SQL/K

VOSKスプールファイル接続の場合:VOSK SPOOL

未設定の場合:Unknown DBMS

Node Name:

データベース識別子の情報が出力されます。未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。

Lang Mode

実行言語モードが出力されます。

THREAD-ID

実行スレッドIDが出力されます。

CID

カーソル番号が出力されます。

EVT

DABrokerがデータベースに要求した処理の内容です。

出力するイベントの種類は任意に選択できます。

選択できるイベントについては,「4.5.1(9) データベースアクセストレースの取得(DABSQL_TRCSIZE」を参照してください。ただし,データベースアクセストレースを取得していない場合は,DABroker動作環境定義ファイルを直接編集します。また,拡張データベースアクセストレースで出力イベントの種類を変更すると,従来のデータベースアクセストレースの出力イベントの種類も変更されます。

すべてのイベント出力をOFFにした場合はヘッダだけが出力されます。

次のイベントは,既存のデータベースアクセストレースにはありません。また,イベント出力を一つでもONにした場合,GET_DIAGイベントの出力を抑止できません。

ATTACH:サーバとのアクセスパス作成要求を実行します。

ATTRGET:ハンドル属性の取得要求を実行します。

ATTRSET:ハンドル属性の設定要求を実行します。

AUTOCOMOFF:AUTO COMMITモードの解除要求を実行します。

AUTOCOMON:AUTO COMMITモードの設定要求を実行します。

BIND:パラメタのバインド要求を実行します。

CHARFORM:キャラクタセットフォームの取得要求を実行します。

CHARID:キャラクタセットIDの取得要求を実行します。

DEFINE:パラメタの定義要求を実行します。

DESALLOC:記述子の領域確保を実行します。

DESC_OUT:前処理したSQLの出力情報を返します。

DESC_IN :前処理したSQLの入力情報を返します。

DESCANY:オブジェクトの記述要求を実行します。

DESFREE:記述子の領域解放を実行します。

DETACH:データベースアクセスパス削除要求を実行します。

ENVCREATE:環境作成要求を実行します。

ERRGET:エラー情報取得要求を実行します。

EXECDIRECT:SQLの前処理後の実行処理です。

GET_DIAG:エラー詳細情報の取得処理を実行します。

GETINFO:接続後の動作情報の取得要求を実行します。

GETPIECE:ピース情報の取得要求を実行します。

HDLALLOC:ハンドルの領域確保を実行します。

HDLFREE:ハンドルの領域解放を実行します。

LOBCLOSE:BFILEデータのクローズ要求を実行します。

LOBLEN:LOBデータの長さ取得要求を実行します。

LOBOPEN:BFILEデータのオープン要求を実行します。

LOBREAD:LOBデータの読み込み要求を実行します。

LOBWRITE:LOBデータの書き込み要求を実行します。

PARAMGET:パラメタ情報の取得要求を実行します。

SESBEGIN:セション開始要求を実行します。

SESEND:セション終了要求を実行します。

SETINFO:接続後の動作情報の設定要求を実行します。

SETPIECE:ピース情報の設定要求を実行します。

START-TIME

アクセス開始日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss.nnnnnn)が出力されます。

  • YYYY:西暦年,MM:月,DD:日

  • hh:時,mm:分,ss:秒,nnnnnn:マイクロ秒

END-TIME

アクセス終了日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss.nnnnnn)が出力されます。

  • YYYY:西暦年,MM:月,DD:日

  • hh:時,mm:分,ss:秒,nnnnnn:マイクロ秒

RETCODE

データベースから返されるリターンコードが出力されます。

BLOCKCNT

FETCH時の行取得件数が出力されます。

HiRDB_CONNECTION_ID

コネクションID(aaaa:bbbb:cccc)が出力されます。

  • aaaa:フロントエンドサーバ名(HiRDB/Parallel Server使用時),又はシングルサーバ(HiRDB/Single Server使用時)

  • bbbb:aaaaで示すサーバの接続通番

  • cccc:aaaaで示すサーバのプロセスID,及びコネクションID

    プロセスIDとコネクションIDは,HiRDBクライアントのバージョンが07-01以降で,サーバがHiRDBの場合だけ出力されます。HiRDBクライアントのバージョンが07-01未満で,サーバがHiRDBの場合は,ヘッダ(HiRDB_CONNECTION_ID)だけが出力され,コネクションIDは出力されません。また,サーバがXDM/RDの場合は,ヘッダ(HiRDB_CONNECTION_ID),及びコネクションIDは出力されません。なお,この情報は,CONNECT,COMMIT,ROLLBACK,PREPARE,EXECUTE,又はDIRECTを実行したときに,最新の情報に更新されます。

(SQL)

クライアントから要求のあったSQLの内容が出力されます。この項目は,必要に応じて出力されます。

(Windows QueryPerformance Counter)

高分解パフォーマンス情報が表示されます。

(5) ファイル名称

拡張データベースアクセストレースのファイルは,次のディレクトリに作成されます。

DABroker運用ディレクトリ\spool\db_access

拡張データベースアクセストレースのファイル名称は,次の規則に従います。

spdb_XXXXXXXX_YYYYYYYY_****ZZZZZ.IIIIII

****:接続データベース名称
HiRDBの場合

HiRDB

Oracle8i接続の場合

ORACLE8i

Oracle7接続の場合

ORACLE7

SQL Anywhereの場合

SQLAnywher

ODBC3.0の場合

ODBC30

RDA Link for Gateway経由メインフレーム系データベースの場合

RDALink

Database Connection Server経由メインフレーム系データベースの場合

DBS

注※

DABroker for JavaからOracle8iの機能を使用する場合だけ出力されます。

XXXXXXXX:実行プロセスID

YYYYYYYY:データベース接続識別子

ZZZZZ:識別順序番号

同じプロセスIDで,かつ同じデータベース接続識別子のファイルがある場合に,00000から32767までの番号を付加します。

IIIIII:ファイル拡張子

log:最新のトレースファイル

logold:1世代前のトレースファイル

(6) ファイルの運用方法