JP1/ServerConductor/Deployment Manager

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1.2.5 クライアントサービス for DPMのインストール

クライアントサービス for DPMとは,管理するコンピュータの情報を取得するためのサービスです。

管理対象コンピュータのOSによりインストール方法が異なります。Windowsをご利用の場合は「(1) クライアントサービス for DPM(IA32/EM64T版Windows)」,または「(2) クライアントサービス for DPM(IPF版Windows)」を,Linuxをご利用の場合は「(3) クライアントサービス for DPM(Linux)」を参照してください。

クライアントサービス for DPMをインストールする際は,以下の点にご注意ください。

  1. インストールできるOSについては「1.1.5 DPMで管理対象となるコンピュータの前提条件について」を参照してください。
  2. 「クライアントサービス for DPM」をインストールするシステムに,管理者権限のあるユーザでログインし,インストールを行うために必要なディスク容量があることを確認してください。

クライアントサービス for DPMは,リモートアップデートサービスとエージェントサービスで構成されています。

【重要!】
クライアントサービス for DPMは必ず管理サーバと同じバージョンのものをお使いください。旧バージョンをご使用の場合は,「1.6.5 クライアントサービス for DPMの上書きインストール」を参照してアップグレードを行ってください。

【注意!】
次の場合は必ずクライアントサービス for DPMをインストールしてください。
  • Webコンソールで「詳細設定」の「クライアントサービス for DPMを用いた運用を行う」の項目にチェックをした場合

【ヒント】
クライアントサービス for DPMのインストールは必須ではありませんが,インストールしない場合は,以下の機能がご使用になれません。
  • サービスパック/HotFix/Linuxパッチファイルの適用
  • リモートシャットダウン
  • 管理サーバへのOS/サービスパック/HotFixの送信
  • シナリオ実行時の再起動の強制実行
<この項の構成>
(1) クライアントサービス for DPM(IA32/EM64T版Windows)
(2) クライアントサービス for DPM(IPF版Windows)
(3) クライアントサービス for DPM(Linux)

(1) クライアントサービス for DPM(IA32/EM64T版Windows)

クライアントサービス for DPM(Windows)のインストール手順について説明します。

  1. DPMのプログラムのCD-ROM(1/2)をCD-ROMドライブにセットします。「JP1/ServerConductor/Deployment Manager Setup」画面から「クライアントサービス for DPM」を選択します。

    [図データ]

  2. 確認画面が表示されます。「はい」ボタンをクリックします。

    [図データ]

  3. 「IPアドレス入力」画面が表示されるのでDPMがインストールされた管理サーバのIPアドレスを入力して「次へ」ボタンをクリックします。

    [図データ]

    【ヒント】
    管理サーバのIPアドレスが不明な場合や管理サーバのIPアドレスを後で変更する場合は,一時的なIPアドレスを設定してください。正しいIPアドレスは,Webコンソールを操作して管理サーバからシャットダウンまたはリモートアップデートによるシナリオを実行すると設定されます。
  4. 自動的に処理が進み,「InstallShield Wizardの完了」画面が表示されたら,「完了」ボタンをクリックします。

    [図データ]

    [図データ]

    【注意!】
    「プログラムの追加と削除」にはアプリケーションがインストールされているフォルダの容量が表示されます。クライアントサービス for DPMはシステムフォルダ配下にインストールされるため実際の容量より大きく表示されます。

    【ヒント】
    • Windows Firewallサービス,または,Windows Firewall/Internet Connection Sharing(ICS)サービスのどれかが起動している場合は,クライアントサービス for DPMに必要な以下のポートが自動的に開放されます。
      プロトコル ポート番号
      ICMP 8(Echo着信)
      TCP 56000
      TCP 56010
      TCP 56025
      UDP 56001
    • Windows Server 2008にクライアントサービス for DPMをインストールした後,イベントログに以下のメッセージが出力される場合がありますが,動作上,問題はありません。
      − DeploymentManager Agent Serviceサービスは,対話型サービスとしてマークされています。しかし,システムは対話型サービスを許可しないように構成されています。このサービスは正常に機能しない可能性があります。
      − DeploymentManager Remote Update Service Clientサービスは,対話型サービスとしてマークされています。しかし,システムは対話型サービスを許可しないように構成されています。このサービスは正常に機能しない可能性があります。

以上でクライアントサービス for DPM(IA32/x64版Windows)のインストールは完了です。

(2) クライアントサービス for DPM(IPF版Windows)

【重要!】
クライアントサービス for DPMで使用する以下のポートを開放してください。
プロトコル ポート番号
ICMP 8(Echo着信)
TCP 56000
TCP 56010
UDP 56001

【ヒント】
IPF装置は,JP1/ServerConductor/Deployment Manager Enterprise Editionだけサポートします。

クライアントサービス for DPM(IPF版Windows)のインストール手順について説明します。

  1. 「クライアントサービス for DPM(IPF版Windows)」で使用するポートをエフェメラルポートの対象から外します。手順は,「1.1.8 ネットワーク環境の設定について」に記載しているポート番号一覧の後の【注意!】を参照してください。
  2. DPMのプログラムのCD-ROM(1/2)をCD-ROMドライブにセットします。「JP1/ServerConductor/Deployment Manager Setup」画面から「クライアントサービス for DPM」を選択します。

    [図データ]

  3. 確認画面が表示されます。「はい」ボタンをクリックします。

    [図データ]

  4. 「クライアントサービスのインストール」画面が表示されますので「OK」ボタンをクリックします

    [図データ]

  5. 以下の画面が表示されますので,DPMがインストールされた管理サーバのIPアドレスを入力し,「OK」ボタンをクリックします。

    [図データ]

    【ヒント】
    管理サーバのIPアドレスが不明な場合や管理サーバのIPアドレスを後で変更する場合は,一時的なIPアドレスを設定してください。正しいIPアドレスは,Webコンソールを操作して管理サーバからシャットダウンまたはリモートアップデートによるシナリオを実行すると設定されます。
  6. クライアントサービスのインストールが完了すると,以下のメッセージが表示されますので「OK」ボタンをクリックします。

    [図データ]

以上でクライアントサービス for DPM(IPF版Windows)のインストールは完了です。

(3) クライアントサービス for DPM(Linux)

クライアントサービス for DPM(Linux)のインストール手順について説明します。

【重要!】
  • 本サービスを動作させるためには以下のライブラリが必要となります。
    ・libpthread.so.0
    ・libc.so.*(*は数値が入ります。)
    ・ld-linux.so.2(IA32版/EM64T版の場合に必要です)
    ・ld-linux-ia64.so.2(IPF版の場合に必要です)
  • 管理対象コンピュータがx64 Editionの場合は,以下のライブラリが必要となります。以下のライブラリがない場合はマルチキャストによるリモートアップデートを行うことができません。
    ・/lib/libgcc_s.so.1
    なお,/lib/x64配下に同名ライブラリが存在する場合でも別途必要です。ライブラリは以下のrpmパッケージをインストールしてください。リモートアップデートで行う場合はユニキャスト配信で行ってください。
    ・libgcc-X.X.X-X.i386.rpm
  • 既にLinux OSをインストール済みの管理対象コンピュータにクライアントサービス for DPMをインストールする場合は,クライアントサービス for DPMで使用するポートを次の手順で開放してください。
    プロトコル ポート番号
    TCP 56000
    TCP 56010
    UDP 56001
  1. ファイアウォールの設定ファイル(/etc/sysconfig/iptables)をvi等で開いてください。
    ※ 設定ファイルがない場合には,クライアントサービスが使用するポートは既に有効になっています。以降の処理は必要ありません。
  2. COMMIT 行の前に以下の行を登録してください。
    -A RH-Firewall-1-INPUT -m state --state NEW -m tcp -p tcp --dport 56000 -j ACCEPT
    -A RH-Firewall-1-INPUT -m state --state NEW -m tcp -p tcp --dport 56010 -j ACCEPT
    -A RH-Firewall-1-INPUT -m state --state NEW -m udp -p udp --dport 56001 -j ACCEPT
  3. ファイルを保存後,以下の手順をコンソール上で実行してサービスを再起動します。
    #/etc/rc.d/init.d/iptables restart

【注意!】
以降の記述におけるマウントポイントおよび,mountコマンドの引数は,お使いの環境にあわせ読み替えて作業を進めてください。
本書では,マウントポイントを/mnt/cdromとした場合を例に記述します。
また,デバイス名を省略してマウントできる環境を例に記述します。

  1. 「クライアントサービス for DPM」で使用するポートをエフェメラルポートの対象から外します。詳細は,「1.1.8 ネットワーク環境の設定について」に記載しているポート番号一覧の後の【注意!】を参照してください。
  2. クライアントサービス for DPMをインストールするコンピュータに,rootアカウントでログインします。
  3. DPMのプログラムのCD-ROM(1/2)をCD-ROMドライブにセットしてください。
  4. CD-ROMをマウントしてください。
     
    # mount -o exec /mnt/cdrom
     
  5. カレントディレクトリを以下へ移動してください。
     
    # cd /mnt/cdrom/Linux/ターゲットコンピュータのアーキテクチャ/bin/agent

    【ヒント】
    「ターゲットコンピュータのアーキテクチャ」フォルダのフォルダ名は以下のようになります。
    IPFアーキテクチャマシンの場合:ia64
    IA32,EM64Tアーキテクチャマシンの場合:ia32
  6. depinst.shを実行してください。
     
    # ./depinst.sh
     
  7. 管理サーバのIPアドレスの入力要求が出力されます。
     
    Enter the IP address of the management server.
    >
     
  8. 管理サーバのIPアドレスを入力してEnterキーを押してください。

    【注意!】
    “unzip”をインストールしていない場合は,以下のメッセージがコンソール上に表示されますので,“unzip”をインストールしてください。
    The unzip command is required in order to support remote update.
    Please install a unzip package.
    This unzip package is attached to installation CD of Linux OS.
    Installation of client service was completed.

以上でクライアントサービス for DPM(Linux)のインストールは完了です。

【ヒント】
  • システムを再起動する必要はありません。
  • LinuxのコンピュータがX Windowシステムで動作している場合,クライアントサービス for DPM(Linux)をインストールすると管理サーバからのシャットダウン,リモートアップデートを行った場合のメッセージを表示するために,ログイン時にコンソールが自動的に起動するようになります。コンソールを終了させると,メッセージが確認できなくなります。誤ってコンソールを終了させてしまった場合は,コンソールを再度起動してください。
  • クライアントサービス for DPMのインストール時に以下のメッセージが表示される場合があります。
    Warning: This program is an suid-root program or is being run by the root user. The full text of the error or warning message cannot be safely formatted in this environment. You may get a more descriptive message by running the program as a non-root user or by removing the suid bit on the executable.
    /usr/X11R6/bin/xterm Xt error: Can't open display: %s

このメッセージは以下のどれかの場合に表示されます。
  • 管理対象コンピュータにXサーバがインストールされていない状態でインストールを行った。
  • 管理対象コンピュータにXサーバがインストールされているが,Xサーバが起動されていない状態でインストールを行った。
  • 管理対象コンピュータにtelnetよりrootユーザアカウントでログインして,インストールを行った。

これはクライアントサービス for DPMに関するメッセージが表示できないことによるものです。実際の運用に影響はありません。

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