DPMで管理するネットワークが以下のハードウェア/ソフトウェア環境を満たしていることを確認してください。満たしていない場合は設定を変更してください。
- ハードウェア環境
| LAN構成 |
管理サーバと管理対象となるコンピュータ間が100Mbps以上のLANで接続されていること |
| その他 |
- 自己診断機能STP(Spanning Tree Protocol)をサポートしているスイッチ/ルータをご使用の場合は,コンピュータを接続するポートのSTPはOFFにしてください。一般的にSTPのチェックには30〜60秒程度の時間が必要となり,この期間はネットワーク通信ができません。電源をONにしてからネットワークブートするまでの間隔が短い機種の場合は,正しくネットワークブートすることができなくなります。
また,コンピュータ以外を接続しているポートにSTPを設定されている場合でも,ネットワーク障害等で運用中のLAN経路が切断されると,新たな経路を検索するのに同様の時間が必要になりますので,このタイミングでは通信ができなくなります。
- DPMは「Speed」「Duplex」は「Auto」の設定でネゴシエーションします。スイッチの設定も「Speed」「Duplex」は「Auto」の設定にしてください。
ただしBladeSymphony BS320 1GbpsLANおよびBS2000 1GbpsLANスイッチモジュールの「Speed」「Duplex」の設定については,LANスイッチモジュールで決められている設定内容にしてください。LANスイッチモジュールの設定内容についてはハードウェア添付のユーザーズガイドに記述されています。
- 管理サーバと管理対象コンピュータの通信経路上に,転送速度の異なるネットワーク機器(LANボード,スイッチングHUB)を接続する場合は,通信経路上の各ネットワーク機器のフロー制御を有効にしてください。
フロー制御が無効に設定されていると,転送速度の低下やシナリオ実行失敗を引き起こす場合があります。
- DPMではジャンボブレームは対応していません。
- DPMでは管理サーバと管理対象コンピュータ間のネットワークをVLANを使用して構築される場合,下記に示すVLAN構成で接続しているコンピュータを管理対象としてサポートします。
(1)ポートVLANを使用して接続している場合
(2)スイッチ間をTag-VLANを使用して接続している場合
- 管理サーバと管理対象コンピュータの間の通信装置(NIC,ネットワークスイッチやルータなど)にて,IPパケットサイズをイーサネットのMTU(Maximum Transmission Unit)である1500バイトより小さい値で,フィルタリングを設定しないようにしてください。管理サーバと管理対象コンピュータ間の通信が制限され,すべての機能が動作しなくなります。
|
- ソフトウェア環境
| DHCPサーバ |
DHCPサーバは必須になります。
「DHCPサーバを使用しない」設定を行わないでください。
サードパーティ製DHCPサーバソフトを管理サーバ for DPMと同じ装置にインストールして使用することはできません。同じ装置にDHCPサーバを設置する場合は,Windows標準のDHCPサーバを使用してください。 |
- 【重要!】
- DHCPサーバは,管理サーバ上に構築したものを使用することも,別のコンピュータに構築したものを使用することもできますが,管理サーバ上に構築したものを使用する場合は,そのDHCPサーバは同一ネットワーク内で唯一のDHCPサーバでなければなりません。別のコンピュータ上に構築したDHCPサーバを使用する場合は,同一ネットワーク内にDHCPサーバが何台構築されていても結構です。
- 【ヒント】
- DHCPサーバは管理サーバ for DPMをインストールする前に設定することをお薦めします。管理サーバ for DPMのインストール後にDHCPサーバを設定する場合は,「1.3.3 DHCPサーバの設定」をご覧ください。
- 【注意!】
- ネットワークに正しく接続していない場合,DPMのサービスが正しく開始できません。
- ネットワークにWINSサーバを構築している環境において,管理サーバで WINSサーバを使用する設定にする場合は,コンピュータ側でも同じくWINSサーバを使用する設定にしてください。この設定を行わない場合,管理サーバではコンピュータのアドレス解決が行えないため,シナリオ実行などが失敗する場合があります。
- 複数のLANボードに対して同一セグメントのIPアドレスを割り振る設定の場合,LANケーブルを接続していないLANボードがある状態では通信できなくなることがあります。LANケーブルを接続していないLANボードは,固定IPを割り当てずDHCP設定とするか,未設定とすることを推奨します。
- スイッチングHUB以外のHUB(スタッカブルHUBなど)を使用した場合に,他の管理対象コンピュータをバックアップ中にIPF版のコンピュータへバックアップまたは,リストアを行うと失敗する場合があります。
- 他のアプリケーション等により,TFTPポート,あるいは本章に示す通信ポートが使用中の場合,DPMが正常動作しない可能性があります。
DPMインストール前に,他のアプリケーションによるポートの使用状況を確認してください。
- 管理サーバとDHCPサーバをそれぞれ別のコンピュータに構築し,かつ管理サーバと管理対象コンピュータが別セグメントになる場合,ルータの設定によって,PXEブート,シナリオ実行が正常に行えない場合があります。
管理サーバからのユニキャストDHCPパケットが管理サーバ,ターゲット間で正常に通信できるように,ルータの設定を行ってください。
- IPアドレスがxxx.xxx.xxx.255に設定されている場合,OSの仕様によりTCP/IPプロトコルを使用した通信が不可能となり,DPM機能が正常に動作しない場合があるため,xxx.xxx.xxx.255以外のIPアドレスをご使用ください。なお,本注意事項はIPアドレスがDHCPサーバから割り当てられた場合も該当するため,DHCPサーバのスコープからはxxx.xxx.xxx.255を除外してください。
- 【ヒント】
- DHCPサーバやネットワーク構成に問題がある場合,ネットワークブート中に次のメッセージが数秒間表示され,DPMのシナリオ実行がエラーとなります。
- PXE-E51: No DHCP or proxyDHCP offers were received.
- このメッセージが表示された場合は,DHCPサーバがコンピュータに対してIPアドレスを割り振ることができるかを確認してください。特に以下の点に注意してください。
- DHCPサーバのスコープが正しく設定されているか
- DHCPサーバが管理するIPアドレスが枯渇していないか
- ルータやスイッチでSTPが設定されていないか
- DHCPサーバの設定方法
- Windows Server 2003上でのDHCPサービスの設定方法について説明します。
- <DHCP(動的ホスト構成プロトコル)のインストール手順>
- DHCPサービスがインストールされていない場合は,以下の手順で,DHCPサービスをインストールしてください。
- 「スタート」メニュー(または「スタート」メニュー→「設定」)→「コントロールパネル」→「プログラムの追加と削除」を選択します。
- 「Windowsコンポーネントの追加と削除」をクリックし,「Windowsコンポーネントウィザード」を起動します。
- 「ネットワークサービス」をクリックし,「詳細」をクリックします。
- 「動的ホスト構成プロトコル(DHCP)」にチェックを入れ,「OK」ボタンをクリックします。
- 「Windowsコンポーネントウィザード」に戻るので,「次へ」ボタンをクリックします。
インストールが開始されます。
- インストール終了後,「完了」ボタンをクリックします。
以上で,DHCPサービスのインストールは完了です。
- <DHCPの設定手順>
- 「スタート」メニュー(または「スタート」メニュー→「設定」)→「コントロールパネル」→「管理ツール」→「DHCP」を開きます。
- コンソールツリーでDHCPを右クリックして,「サーバの追加」をクリックします。
- 「サーバの追加」が開くので,DHCPサーバにしたいサーバのコンピュータ名を入力するか「参照」から選択し「OK」ボタンをクリックします。
- コンソールツリーに追加したサーバが表示されるので,追加したサーバを右クリックして「新しいスコープ」をクリックします。
- 「新しいスコープ」ウィザードが開くので,「次へ」ボタンをクリックします。
- 「スコープ名」が表示されるので,名前と説明を入力し「次へ」ボタンをクリックします。
- 「IPアドレスの範囲」が表示されるので,開始IPアドレスと終了IPアドレスを設定し「次へ」ボタンをクリックします。
- 【ヒント】
- サブネットマスクは,ネットワーク/サブネットIDとホストIDの数を変更したい場合に設定してください。
- このIPアドレスは,DPMでネットワークブートするとき(例えば,バックアップ時)に,一時的に使用するものです。
- IPアドレスはDPMで管理するコンピュータの台数分用意してください。DPMで管理するコンピュータ以外にもDHCPからIPを取得する場合は,その台数分も追加してください。
- 「除外の追加」が表示されるので,除外したいIPアドレスの範囲を入力して「次へ」ボタンをクリックします。
- 「リース期間」が表示されるので,IPアドレスをリースしたい期間を設定して「次へ」ボタンをクリックします。
- 【ヒント】
- 通常はデフォルトの8日間で問題ありません。
- なお,リース期間がシナリオ実行時間より短く設定されている場合は,シナリオ実行に失敗する可能性がありますので,デフォルトの8日間で使用されることを推奨します。
- 「DHCPオプションの構成」が表示されるので,このスコープのDHCPオプションを今すぐ構成する場合は,「今すぐオプションを構成する」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。後で構成する場合は,「後でオプションを構成する」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
- 【ヒント】
- 必要なオプションがある場合は,追加してください
以上でDHCPの設定は完了です。
- <DHCPサーバ構築時のご注意>
- Windows Server 2003,Windows Server 2008標準添付のDHCPサービス以外を使用してDHCPサーバを構築する場合は,次の点に注意してください。
- 固定アドレスの使用
例えばLinuxを使ってDHCPサーバを構築する場合,/etc/dhcpd.confに固定アドレスの指定が必要になる場合があります。
固定アドレスとは,管理対象となるコンピュータのMACアドレスと,リース予定のIPアドレスの組をあらかじめDHCPサーバに登録しておくことにより,コンピュータからのアドレス要求に対してDHCPサーバが固定のIPアドレスをリースする仕組みのことです。
固定アドレスの記述がない場合,DHCPサーバからの応答遅延が発生する場合があり,その場合PXE起動(ネットワーク起動)が失敗し,その影響でDPMが正常に動作できません。Linux以外のUNIX系OSについても,同様に固定アドレスが必要になる場合があります。
以下は,MACアドレス(12:34:56:78:9A:BC)のホストに固定アドレス(192.168.0.32)を指定した場合の/etc/dhcpd.confの例です。
subnet 192.168.0.0 netmask 255.255.255.0 {
...
...
host computer-name {
hardware ethernet 12:34:56:78:9A:BC;
fixed-address 192.168.0.32;
}
}
- 【注意!】
- サードパーティ製DHCPサーバソフトを「管理サーバ for DPM」と同じ装置にインストールして使用することはできません。別々の装置で使用する場合は,お使いになるDHCPサーバソフトがネットワークブート(PXEブート)に対してIPアドレスを正しくリースすることができるか事前に十分な確認を行ってください。
ルータを越えた複数のサブネットのコンピュータをDPMで管理するには,あらかじめルータかスイッチに以下の設定をしてください。
- Wake On LANをするために,ダイレクトブロードキャストをルーティングする。
- マルチキャスト配信を使用する場合は,マルチキャストルーティングプロトコルの設定をする。
- DHCPパケットがDHCPサーバにリレーされるようにルータ/スイッチのDHCPリレーエージェントを設定する(DHCPサーバと管理サーバが別装置の場合,管理サーバにもリレーされるようにルータ/スイッチの設定を行う)。
- DPMが通信に使用している以下のポートをルーティング,フォワーディングする。
- 【ヒント】
- ルータの設定はDPMのインストール後でも行うことができます。
- 別セグメントのコンピュータを管理する場合は,DHCPサーバで別セグメント用のIPアドレスをリースできるスコープを作成してください。
| 項目 |
プロトコル |
ポート番号 |
| 電源ON |
UDP |
5561 |
| シャットダウン |
TCP |
56010 |
| 生存確認(電源ON/OFF状態の確認) |
ICMP |
− |
| ネットワークブート |
UDP |
67,68,69,4011 |
| TCP |
56022,56030 |
| ディスク複製インストール※1※2※3 |
TCP |
56023 |
| リストア※1※3 |
TCP |
56020,56023 |
| UDP |
56021 |
| バックアップ※1※3 |
TCP |
56020,56023 |
| ディスク構成チェック※1※3 |
TCP |
56023 |
| リモートアップデートによるサービスパック/HotFix/Linuxパッチファイルの適用※3 |
TCP |
56000,56028 |
| UDP |
56001 |
| コンピュータのOS/HotFix情報取得,シナリオ実行終了検知 |
TCP |
56011 |
| 管理対象コンピュータからのシナリオ実行※1 |
UDP |
56040,56041 |
| 自動更新要求 |
TCP |
56024,56028 |
| 自動更新通知 |
TCP |
56025 |
| イメージビルダー(リモートコンソール) |
TCP |
56023 |
| WebコンソールとWebサーバの通信 |
HTTP |
8080 |
| Webサーバから管理サーバへのアクセス |
TCP |
56050 |
| 管理サーバからデータベースサーバへのアクセス |
TCP |
56070 |
| データベース動的ポート確認 |
TCP |
1433,1434 |
| UDP |
1433,1434 |
| コマンドライン用コンピュータとWebサーバの通信 |
HTTP |
8080 |
| Webサーバ(Tomcatの内部処理用のポート) |
TCP |
8005 |
| AJP |
8009 |
| HTTPS |
8443 |
- ※1 ネットワークブートの項目に記載されているプロトコルとポート番号も追加で必要となります。
- ※2 ディスク複製インストールの場合は,リストアの項目に記載されているプロトコルとポート番号も,追加で必要となります。
- ※3 管理サーバの詳細設定で「クライアントサービス for DPMを用いた運用を行う」にチェックした場合,コンピュータのOS/HotFix情報取得,シナリオ実行終了検知の項目に記載されているプロトコルとポートも追加で必要となります。
- 【注意!】
- DPMは,コンピュータの生存確認やシナリオ実行を行うときに登録されたコンピュータ名から名前解決を行い,取得したIPアドレスを使ってTCP/IP通信を行います。そのため,コンピュータ名から名前解決ができるネットワーク環境が必要になります。
特にコンピュータ名が16文字以上の場合や,サブネットを越えてコンピュータが存在する場合はDNS(Domain Name System)サーバの構築やhostsファイルの設定が必要になります。また,管理対象コンピュータのOSがLinuxの場合もDNSサーバの構築やhostsファイルの設定が必要になります。
ただし,一度管理サーバからシナリオ実行やシャットダウンを実行した場合,またはコンピュータを起動することで管理サーバに自動登録された場合は名前解決が不要になります。これは,いったん管理サーバとコンピュータが通信できるとそれ以降はIPアドレスを使用して通信を行うためです。
- 管理するコンピュータにDPM01-XXの「クライアントサービス for DPM」がインストールされているか,または,どのバージョンもインストールされていない場合,生存確認(電源ON/OFF状態の確認),サービスパック/HotFix/Linuxパッチファイルの適用はDPMで登録されている「コンピュータ名」で通信を行います。
「コンピュータ名」で通信ができるようにネットワーク環境を設定してください。
また,「クライアントサービス for DPM」がDPM06-00以降の場合は,コンピュータが起動するタイミングで管理サーバにIPアドレスが登録され,IPアドレスによる管理が行われます。そのためIPアドレスで通信できるように設定してください。
- 【重要!】
- OSの種類によっては,エフェメラルポートの影響でDPMが使用するポートと,他のサービスやアプリケーションで使用するポートが競合し,DPMのサービスが起動できない場合があります。エフェメラルポートの確認方法と,対処方法を以下に記載します。
- ・Windows 2000/Windows Server 2003の場合
- IA32/EM64Tアーキテクチャマシンの場合,インストール時に,DPMで使用するポートを予約するためのレジストリを追加するため,作業は不要です。
- IPFアーキテクチャマシンの場合に以下を行ってください。
- [確認方法]
- 以下のレジストリの値を確認してください。
- 設定されている値が,DPMで使用するポートより大きい場合は[対処方法]を行ってください。
- 以下のレジストリが存在しない場合は,Windows OSの規定値5000が上限値として使用されるため本現象には該当しません。
- キー:HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters
- 名前:MaxUserPort
- [対処方法]
- DPMで使用するポートを予約するために,以下のレジストリを追加します。以下に示す手順で追加してください。
- キー:
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters
- 名前:ReservedPorts
- 値:56000-56070
- 種類:REG_MULTI_SZ
- DPMのプログラムのCD-ROM(1/2) をCD-ROM ドライブへ挿入してください。
- コマンドプロンプトを起動し,下記の「格納ディレクトリ」へ移動してください。
<CD-ROMドライブ>\TOOLS\PORT\IPF
- 格納ディレクトリに存在するポート予約モジュールの詳細を確認してください。
ポート予約モジュール詳細
| ポート予約モジュール |
ファイルサイズ |
ファイル作成日 |
| RsvPt.exe |
225,688バイト |
2008年8月20日 12:24:12 |
- 下記のコマンドを実行してください。
RsvPt.exe /C
- ポート予約モジュール実行後,マシンを再起動してください。
レジストリに予約を設定後,マシンをリブートすることで予約したポートをWindows標準サービスに割当てないようにします。
- ・Windows Server 2008の場合
- 以下のMicrosoft社KnowledgeBaseの方法を参考に,netshコマンドから確認と対処を行います。
- http://support.microsoft.com/kb/929851
- [確認方法]
- 以下のコマンドの出力結果から,DPMで使用するポートがエフェメラルポートに含まれるかを確認してください。
- netsh int ipv4 show dynamicport tcp
- netsh int ipv4 show dynamicport udp
- (例)
- Start Port :49152
- Number of Ports :16384
- 上記の場合は,エフェメラルポートとして49152から65536まで使用されるためDPMが起動できない可能性があります。
- [対処方法]
- エフェメラルポートの範囲にDPMで使用するポートが含まれないよう,エフェメラルポートの範囲を変更します。
- 以下のコマンドを実行し,DPMで使用するポートが含まれないよう調整します。
- netsh int ipv4 set dynamicport tcp start=XXXXX num=YYYYY
- netsh int ipv4 set dynamicport udp start=XXXXX num=YYYYY
- ※ XXXXXにはエフェメラルポートの開始ポート(指定できる最小値は1025),YYYYYにはエフェメラルポートとして使用するポート数を指定します。
- 指定するポートの範囲は,他アプリケーションが使用するポート番号を考慮して決定する必要があります。
- ・Linux OSの場合
- [確認方法]
- 以下のファイルの内容を確認してください。
- ファイルの内容にDPMで使用するポートが含まれている場合は,[対処方法]を実施してください。
- /proc/sys/net/ipv4/ip_local_port_range
- (例)
- # cat /proc/sys/net/ipv4/ip_local_port_range 32768 61000
- 上記の出力結果の場合は32768から61000がエフェメラルポートとして使用されるため,DPMが起動できない可能性があります。
- [対処方法]
- エフェメラルポートの範囲を変更する方法と,DPMの起動順番を変更する方法があります。
- エフェメラルポートの範囲を変更する方法
起動時にエフェメラルポートを自動で変更するように設定を変更します。sysctlの使用方法についてはOSのドキュメントなどを参照してください。
<手順>
1. /etc/sysctl.conf ファイルに以下の行を追加します。
無ければ作成します。
net.ipv4.ip_local_port_range = XXXXX ZZZZZ
※ XXXXXにはエフェメラルポートの開始ポート,ZZZZZにはエフェメラルポートの終了ポート番号を設定します。設定するポートの範囲は,他デーモンが使用するポート番号を考慮して決定する必要があります。
- DPMの起動順番を変更する方法
クライアントサービス for DPMの起動順番を以下の方針で変更します。
・network(起動順番10)とsyslogデーモン(起動順番12)より後
・エフェメラルポートを使用する他のデーモンより前
<手順>
1. 以下のファイルを編集します。
/etc/init.d/depagt
編集前:# chkconfig: 35 99 99
編集後:# chkconfig: 35 xx 99
※ xxの箇所が,起動順位となります。変更する起動順位を入力してください。数値の小さい順に起動されます。
2. 以下のコマンドを実行します。
chkconfig depagt reset
- 【ヒント】
- ルータとスイッチの設定については,購入元にお問い合わせください。
以下にDPMが通信で使用するプロトコル,ポート番号の詳細を示します。
以降の表では上部から下部へ通信が流れる様子を記述しています。
- 電源ON
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
5561 |
UDP |
DirectBroadcast※2 |
← |
※1 |
管理サーバ |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられる。
- ※2 管理サーバと同じセグメントのコンピュータに対しては255.255.255.255宛となる。
- 管理サーバと別セグメントの場合はダイレクトブロードキャストとなる。
- (例)
- 192.168.0.0(MASK=255.255.255.0)セグメントの場合
- → 192.168.0.255宛になる
- シャットダウン
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
56010 |
TCP |
Unicast |
← |
※1 |
管理サーバ |
| 56010 |
TCP |
Unicast |
→ |
※1 |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられます。
- 生存確認(電源ON/OFF状態の確認)
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
8※1 |
ICMP Echo request |
Unicast |
← |
−※1 |
管理サーバ |
| −※1 |
ICMP Echo Reply |
Unicast |
→ |
0※1 |
- ※1 ICMPではポート番号を指定した通信は行わないが,ICMPのTypeフィールド値を使ってルーティングする。
- ネットワークブート
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
68 |
DHCP |
Broadcast※1 |
→ |
67 |
DHCPサーバ |
| 68 |
DHCP |
Broadcast※1 |
← |
67 |
| コンピュータ |
68 |
DHCP |
Broadcast※1※2 |
→ |
67 |
管理サーバ |
| 68 |
DHCP |
Broadcast※1 |
← |
67 |
| 68 |
UDP |
Unicast |
→ |
4011 |
| 68 |
DHCP |
Unicast |
← |
67 |
| 4011 |
UDP |
Unicast |
→ |
4011 |
| 4011 |
DHCP |
Unicast |
← |
67 |
| ※3 |
UDP(TFTP) |
Unicast |
→ |
69 |
| ※3 |
UDP(TFTP) |
Unicast |
← |
69 |
| 56030 |
TCP |
Unicast |
→ |
56030 |
| 56030 |
TCP |
Unicast |
← |
56030 |
| 56022 |
TCP |
Unicast |
→ |
56022 |
| 56022 |
TCP |
Unicast |
← |
56022 |
- ※1 DHCPリレーによりリレーされたパケットの宛先はUnicastになる場合がある。
- ※2 DHCPサーバと管理サーバが別装置の場合だけ。
- ※3 装置添付のLANボードROMに依存する。
- ディスク複製(ネットワークブートに以下を追加)
管理サーバの詳細設定で「クライアントサービス for DPMを用いた運用を行う」にチェックした場合,コンピュータのOS/HotFix情報取得,シナリオ実行終了検知の項目に記載されているプロトコルとポートも追加で必要となります。
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
※1 |
TCP |
Unicast |
→ |
56023 |
管理サーバ |
| ※1 |
TCP |
Unicast |
← |
56023 |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられます。
- バックアップ(ネットワークブートに以下を追加)
管理サーバの詳細設定で「クライアントサービス for DPMを用いた運用を行う」にチェックした場合,コンピュータのOS/HotFix情報取得,シナリオ実行終了検知の項目に記載されているプロトコルとポートも追加で必要となります。
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
※1 |
TCP |
Unicast |
→ |
56023 |
管理サーバ |
| ※1 |
TCP |
Unicast |
← |
56023 |
| 56020 |
TCP |
Unicast |
→ |
56020 |
| 56020 |
TCP |
Unicast |
← |
56020 |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられます。
- リストア・マルチキャスト(ネットワークブートに以下を追加)
管理サーバの詳細設定で「クライアントサービス for DPMを用いた運用を行う」にチェックした場合,コンピュータのOS/HotFix情報取得,シナリオ実行終了検知の項目に記載されているプロトコルとポートも追加で必要となります。
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
※1 |
TCP |
Unicast |
→ |
56023 |
管理サーバ |
| ※1 |
TCP |
Unicast |
← |
56023 |
| 56020 |
TCP |
Unicast |
→ |
56020 |
| 56020 |
TCP |
Unicast |
← |
56020 |
| 56021 |
UDP |
Multicast |
← |
56021 |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられます。
- リストア・ユニキャスト(ネットワークブートに以下を追加)
管理サーバの詳細設定で「クライアントサービス for DPMを用いた運用を行う」にチェックした場合,コンピュータのOS/HotFix情報取得,シナリオ実行終了検知の項目に記載されているプロトコルとポートも追加で必要となります。
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
※1 |
TCP |
Unicast |
→ |
56023 |
管理サーバ |
| ※1 |
TCP |
Unicast |
← |
56023 |
| 56020 |
TCP |
Unicast |
→ |
56020 |
| 56020 |
TCP |
Unicast |
← |
56020 |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられます。
- ディスク構成チェック(ネットワークブートに以下を追加)
管理サーバの詳細設定で「クライアントサービス for DPMを用いた運用を行う」にチェックした場合,コンピュータのOS/HotFix情報取得,シナリオ実行終了検知の項目に記載されているプロトコルとポートも追加で必要となります。
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
※1 |
TCP |
Unicast |
→ |
56023 |
管理サーバ |
| ※1 |
TCP |
Unicast |
← |
56023 |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられます。
- リモートアップデートによるサービスパック/Hotfix/Linuxパッチファイルの適用
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
56000 |
TCP |
Unicast |
← |
※1 |
管理サーバ |
| 56000 |
TCP |
Unicast |
→ |
※1 |
| 56001 |
UDP |
Multicast |
← |
※1 |
| ※1 |
TCP |
Unicast |
→ |
56028 |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられます。
- 自動更新(管理サーバからの通知による)でパッケージの適用
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
56025 |
TCP |
Unicast |
← |
※1 |
管理サーバ |
| ※1 |
TCP |
Unicast |
→ |
56024 |
| ※1 |
TCP |
Unicast |
→ |
56028 |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられます。
- 自動更新(管理対象コンピュータからの要求による)でパッケージの適用
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
※1 |
TCP |
Unicast |
→ |
56024 |
管理サーバ |
| ※1 |
TCP |
Unicast |
→ |
56028 |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられます。
- コンピュータのOS/Hotfix情報取得
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
※1 |
TCP |
Unicast |
→ |
56011 |
管理サーバ |
| ※1 |
TCP |
Unicast |
← |
56011 |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられます。
- 管理対象コンピュータからのシナリオ実行(ネットワークブートに以下を追加)
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
56041 |
UDP |
Broadcast |
→ |
56040 |
管理サーバ |
| 56041 |
UDP |
Broadcast |
← |
56040 |
- イメージビルダー(リモートコンソール)
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
※1 |
TCP |
Unicast |
→ |
56023 |
管理サーバ |
| ※1 |
TCP |
Unicast |
← |
56023 |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられます。
- WebコンソールとWebサーバの通信
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| Webコンソール |
※1 |
HTTP |
Unicast |
→ |
8080※2 |
Webサーバ |
| ※1 |
HTTP |
Unicast |
← |
8080※2 |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられます。
- ※2 Tomcatが,内部処理用にポート(TCP:8005,AJP:8009,HTTPS:8443)を使用します。Webサーバでは,このポートを使用できるようにしてください。
- Webサーバから管理サーバへのアクセス
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| Webサーバ |
※1 |
TCP |
Unicast |
→ |
56050 |
管理サーバ |
| ※1 |
TCP |
Unicast |
← |
56050 |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられます。
- 管理サーバからデータベースサーバへのアクセス
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| 管理サーバ |
※1 |
TCP |
Unicast |
→ |
56070 |
データベースサーバ |
| ※1 |
TCP |
Unicast |
← |
56070 |
| ※1 |
UDP |
Unicast |
→ |
1434 |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられます。
- コマンドライン用コンピュータとWebサーバの通信
| |
ポート番号 |
プロトコル |
宛先指定 |
データ向き |
ポート番号 |
|
| コンピュータ |
※1 |
HTTP |
Unicast |
→ |
8080 |
Webサーバ |
| ※1 |
HTTP |
Unicast |
← |
8080 |
- ※1 ポートは自動的に割り当てられます。