JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 運用ガイド

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8.4.2 SNMP Trapの受信設定

SNMP Trapを受信するためには,[SNMP Trapの追加]ダイアログボックスまたはMIBファイルを使用して,受信するSNMP Trapを設定しておく必要があります。また,設定したSNMP Trapをアラートで通知するには,さらに別の設定が必要です。

次にそれぞれの方法について説明します。

<この項の構成>
(1) [SNMP Trapの追加]ダイアログボックスを使用して,受信するSNMP Trapを設定する
(2) MIBファイルを使用して,受信するSNMP Trapを設定する
(3) アラート通知の設定

(1) [SNMP Trapの追加]ダイアログボックスを使用して,受信するSNMP Trapを設定する

[SNMP Trapの追加]ダイアログボックスを使用して,受信するSNMP Trapを追加する場合の手順を次に示します。複数のSNMP Trapを追加する場合は,各SNMP Trapについてすべての手順を繰り返してください。

  1. [機器の追加]ダイアログボックスまたは[機器の変更]ダイアログボックスで,[Trap一覧]にある[追加]ボタンをクリックする
    [SNMP Trapの追加]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  2. 追加するSNMP Trapの名前を入力する
    半角で127文字まで入力できます。すでに登録されている名前と同じ名前は登録できません。
  3. SNMP Trapの種類を選択する
    追加するSNMP Trapの種類によって,[SNMPv1]ラジオボタンまたは[SNMPv2c]ラジオボタンをONにします。
    [SNMPv1]ラジオボタンをONにした場合の設定項目と[SNMPv2c]ラジオボタンをONにした場合の設定項目を次に示します。なお,すでにSNMP v1として登録されているSNMP TrapをSNMP v2cとして登録することはできません。逆の場合も同様です。SNMP v1とSNMP v2cの対応については,RFC3584を参照してください。

    表8-1 [SNMPv1]ラジオボタンがON(SNMP v1のSNMP Trapを追加)の場合の設定項目

    設定項目 設定内容
    エンタープライズ SNMP Trapのエンタープライズを半角数字または.(ピリオド)で入力します。.(ピリオド)は,先頭と終端,および連続して指定することはできません。半角で127文字まで入力できます。
    一般トラップ 一般トラップを選択します。デフォルトは「enterpriseSpecific」です。デフォルトの「enterpriseSpecific」以外のSNMP Trapは,同じ一般トラップを登録できません。
    固有トラップ番号 固有トラップ番号を入力します。入力できる範囲は,0〜2,147,483,647です。
    エンタープライズ,一般トラップ,固有トラップ番号の組み合わせが同じにならないように設定してください。設定する内容は,追加する機器のマニュアルを参照してください。

    表8-2 [SNMPv2]ラジオボタンがON(SNMP v2のSNMP Trapを追加)の場合の設定項目

    設定項目 設定内容
    snmpTrapOID トラップ識別子を半角数字および.(ピリオド)で入力します。.(ピリオド)は,先頭と終端,および連続して指定することはできません。半角で128文字まで入力できます。すでに登録されているトラップ識別子と同じ識別子は登録できません。
  4. SNMP Trapの説明(任意)を入力する
    半角で511文字まで入力できます。入力は任意ですので,入力しなくてもかまいません。
  5. [OK]ボタンをクリックする

(2) MIBファイルを使用して,受信するSNMP Trapを設定する

MIBファイルを読み込むことで,受信するSNMP Trapを追加できます。MIBファイルの読み込みによって追加されたSNMP Trapは,デフォルトが非通知の設定になります。

MIBファイルを読み込んでSNMP Trapを追加する場合の手順を次に示します。

  1. MIBファイルが次の規格に従って定義されていることを確認する
    SNMP v1の場合
    RFC1155またはRFC1215
    SNMP v2cの場合
    RFC2578,RFC2579,RFC2580,またはRFC3584
  2. [機器の追加]ダイアログボックスまたは[機器の変更]ダイアログボックスで,[Trap一覧]にある[ファイルから追加]ボタンをクリックする
  3. 該当するMIBファイルを選択する
  4. 追加したSNMP Trapをアラートとして通知したい場合は,[通知/非通知]のラジオボタンを[通知]に変更する

注意
次の場合,同一のSNMP Trapと見なされ上書きされます。
  • SNMP v1で一般トラップが「enterpriseSpecific」以外のSNMP Trapのとき,すでに同一の一般トラップが登録されている。
  • SNMP v1で一般トラップが「enterpriseSpecific」のSNMP Trapのとき,エンタープライズと固有トラップの組み合わせが同じ。
  • SNMP v2cですでに同一のsnmpTrapOIDが登録されている。

(3) アラート通知の設定

ここでは,アラート通知を設定する場合の手順,デフォルトでサポートされている設定内容,および[通知アラート]ウィンドウに表示される項目について説明します。

(a) 設定の手順

アラート通知を設定する場合の手順を次に示します。

  1. アラートIDを選択する
    アラート通知のIDを,0x4080〜0x4089から選択してください。
  2. 発生部位を選択する
    筐体,電源,ファン,ネットワーク,ディスク,今まで登録された発生部位から選択してください。入力する場合は,半角で31文字まで入力できます。
  3. アラートレベルを選択する
    インフォメーション,注意,警告,障害から選択してください。
  4. 内容(任意)を入力する
    アラート通知の内容を入力します。半角で255文字まで入力できます。入力は任意ですので,入力しなくてもかまいません。
(b) デフォルトでサポートされている設定内容

デフォルトでサポートされているSNMP Trapの設定は次のとおりです。

SNMP Trapの名前 通知/非通知 アラートID 発生部位 アラートレベル 内容
coldStart 通知 0x4080 筐体 インフォメーション 電源断から起動しました。
warmStart 通知 0x4081 筐体 インフォメーション 管理機器がリスタートしました。
linkDown 通知 0x4082 筐体 警告 回線障害を検出しました。
linkUp 通知 0x4083 筐体 インフォメーション 回線障害が回復しました。
authenticationFailure 非通知 0x4084 筐体 インフォメーション コミュニティ名の一致しないSNMPメッセージを受信しました。
egpNeighborLoss 非通知 0x4085 ネットワーク インフォメーション 外部ゲートウェイ・プロトコル(EGP)隣接が失われました。
(c) [通知アラート]ウィンドウに表示される項目

[機器の追加]ダイアログボックスまたは[機器の変更]ダイアログボックスで通知するアラートの内容を設定した場合,設定した内容が[通知アラート]ウィンドウに表示されます。[通知アラート]ウィンドウに表示される各項目と[機器の追加]ダイアログボックスまたは[機器の変更]ダイアログボックスでの設定内容を,次の表に示します。

表8-3 [通知アラート]ウィンドウに表示される各項目と[機器の追加]ダイアログボックスまたは[機器の変更]ダイアログボックスでの設定内容

項番 [通知アラート]ウィンドウの表示項目 [機器の追加]ダイアログボックスまたは[機器の変更]ダイアログボックスでの設定内容 表示形式
1 発生日時
2 発生ホスト
  • [名前]
  • [SNMP管理]の[IPアドレス]
名前(IPアドレス)
3 アラートレベル
  • [SNMP管理]の[アラート]の[アラートレベル]
アラートレベル
4 内容
  • [SNMP管理]の[アラート]の[内容]
  • [SNMP管理]の[Trap一覧]のSNMP Trap名
  • [SNMP管理]の[エンタープライズ]
  • [SNMP管理]の[固有トラップ番号]
内容(SNMP Trap名,エンタープライズ,固有トラップ番号)
5 確認状態
6 アラートID
  • アラートID
アラートID
7 発生部位
  • 発生部位
発生部位

(凡例)
−:[機器の追加]ダイアログボックスまたは[機器の変更]ダイアログボックスでは設定しない

通知アラートについては,「2.3.1 通知アラートを表示する」を参照してください。