JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 設計・構築ガイド

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4.9.4 対象がHA8000シリーズの場合のSVPの設定

管理対象がHA8000シリーズの場合にSVPを設定するには,SVP PCI設定ユティリティを使用します。設定方法は,対象サーバごとに異なります。対象サーバごとの参照先を示します。

Windowsサーバの場合
  • (1) SVP PCI設定ユティリティの起動(Windowsサーバ)
  • (2) SVPボードの設定(Windowsサーバ)

Linuxサーバの場合
  • (3) SVP設定メニュー,SVPマイクロプログラム設定メニューによる設定(Linuxサーバ)

注意
HA8000の致命的障害監視(アラート 0x13B0など)では,ウォッチドッグタイマを使用しません。HA8000の場合は,SVPボードとSVPドライバの相互監視を実施するため,Agentはウォッチドッグタイマをセットしません。
この項のウォッチドッグタイマとは,致命的障害監視のことを指しています。
<この項の構成>
(1) SVP PCI設定ユティリティの起動(Windowsサーバ)
(2) SVPボードの設定(Windowsサーバ)
(3) SVP設定メニュー,SVPマイクロプログラム設定メニューによる設定(Linuxサーバ)

(1) SVP PCI設定ユティリティの起動(Windowsサーバ)

SVPボードを設定する場合,SVP PCI設定ユティリティを使用します。SVPボードを搭載しているサーバで次の手順でSVP PCI設定ユティリティを実行してください。

注意
SVP PCI設定ユティリティを起動すると[ユーザーアカウント制御]ダイアログボックスが表示されることがあります。このダイアログボックスが表示されたら,[許可]ボタンまたは[はい]ボタンをクリックして処理を続行してください。
  1. [スタート]メニューから[プログラム]−[ServerConductor]−[Server Manager]−[SVP PCI設定ユティリティ]を選択する
    Server Coreの場合は,<ServerConductorのインストール先フォルダ>\Program\SetPci.exeを実行してください。

    [図データ]

(2) SVPボードの設定(Windowsサーバ)

SVP PCI設定ユティリティでは次の情報について設定します。

(a) 障害監視

サーバの致命的障害について監視するかどうかについて設定します。

  1. [障害監視をする]チェックボックスをONにする
  2. [詳細設定]ボタンをクリックする
    [障害監視 詳細設定]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  3. 次に示す情報を設定する

    表4-5 SVPマイクロプログラム 03-00-00以降のバージョンを利用する場合

    設定項目 デフォルト 設定内容
    監視周期 監視する3分または5分※1 ウォッチドッグタイマの監視間隔を分単位で設定します。設定範囲は3〜60です。ウォッチドッグタイマの監視は,ここで設定した監視周期で実行されます。
    障害発生時処理※2 何もしない OSハングアップ,サーバダウンによって,ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生した場合,自動的にどのように処理するかを設定します。障害発生時処理の設定とアラート通知の設定は共に有効です。
    ここでは,次のどれかを設定します。
    • 何もしない
      ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生しても,何も処理しません。
    • リセット
      サーバのRESETボタンを押したときと同じ処理をするときに設定します。なお,障害の状態によっては,正常にリセットできない場合があります。
    • 電源OFF
      ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生したときに電源をOFFにします。
    • 電源OFF→電源ON
      ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生したときに電源をOFFにして,すぐONにします。
    • NMI発行
      ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生したときにNMIを発生させます。メモリダンプ採取の設定がされている環境でNMIが発生すると,発生時点のメモリダンプが採取されます。この設定をする場合の注意事項については,「NMIを発生させる場合の注意事項」を参照してください。
    障害発生時処理で「リセット」または「電源OFF→電源ON」を指定した場合,リセットまたは電源ON処理が失敗したときに一定時間(タイムアウト時間)内でリトライします。
    これらのタイムアウト時間は次の値を使用します。
    • リセット
      リブート監視のタイムアウト値
    • 電源OFF→電源ON
      電源ON監視のタイムアウト値(電源ONの場合だけ監視)
    なお,リブート監視または電源ON監視が設定されていない場合はリトライしません。
    アラート通知 あり
    (障害通知)
    サーバで障害などのイベントが発生したときに,マネージャサービスにアラートとして通知するかどうかについて次のどれかを設定します。
    • なし
      アラートの通知をしません。
    • あり(障害通知)
      注意,警告,障害のイベントをアラートとして通知します。
    • あり(情報通知)
      情報のイベントだけをアラートとして通知します。
    • あり(全通知)
      すべてのイベントをアラートとして通知します。
    電源ON監視※3※4※5※6 監視しない10分 電源ONに失敗したときに,電源ONの処理を一定時間(タイムアウト時間)内でリトライするかどうかを設定します。
    リトライする場合は,このチェックボックスをONにします。タイムアウト時間の設定範囲は10〜60(分)です。
    電源OFF監視※4※6 監視しない10分 次のどちらかの処理の電源OFFに失敗したときに,電源OFFの処理を一定時間(タイムアウト時間)内でリトライするかどうかを設定します。
    • 電源制御スケジュール
    • エージェントサービスが実行するアラート発生時のサーバ動作
    リトライする場合は,このチェックボックスをONにします。タイムアウト時間の設定範囲は10〜60(分)です。
    リブート監視※4※6 監視しない20分 次の処理のリブートに失敗したときに,リブートの処理を一定時間(タイムアウト時間)内でリトライするかどうかを設定します。
    • エージェントサービスが実行するアラート発生時のサーバ動作
    リトライする場合は,このチェックボックスをONにします。タイムアウト時間の設定範囲は20〜60(分)です。

    注※1
    使用するサーバの機種によって異なります。

    注※2
    障害発生時処理でリセットを設定する場合,Windowsが自動的に再起動しないように,Windowsのコントロールパネルのシステムアイコンで[起動/シャットダウン]ボタンをクリック後,[自動的に再起動する]チェックボックスをOFFにしてください。

    注※3
    SVP PCIボードを使用して電源ON監視をする場合,BIOS起動中にBIOS設定などをすると,設定したタイムアウト時間でリトライ(電源OFF→電源ON)します。電源ON監視をOFFに設定してからBIOS設定などをしてください。

    注※4
    管理対象サーバがSVPボードで動作している場合,電源ON監視をONに設定してJP1/ServerConductorをアンインストールすると,電源ON監視処理がアンインストール後も動作してしまいます。アンインストールするときは,電源ON監視,電源OFF監視,またはリブート監視をOFFに設定してからアンインストールしてください。

    注※5
    使用するサーバの機種によっては,設定できません。

    注※6
    電源ON監視,電源OFF監視,およびリブート監視のタイマ設定については各サーバによって起動時間やシャットダウン時間が異なります。事前に十分検証した上で設定してください。

    注意
    NMIを発生させる場合の注意事項
    NMI発生機能は,通常の運用ケースでは使用しないでください。
    NMI発生機能は,OSの不具合などでOSがハングアップした場合にダンプを出力させることを目的としています。この機能とは別に,OSには,メモリアクセス違反などの要因で発生したカーネルパニックまたはSTOPエラーを解析するために,自らメモリダンプを出力する仕組みが備わっています。NMI発生機能を有効にした場合,OSによって自動的にダンプが出力されている最中にNMIが発生すると,ダンプ出力が中断されてしまうことがあります。その結果,OSでメモリアクセス違反などの要因で発生したカーネルパニックまたはSTOPエラーによって処理が続行できなくなった場合の原因の究明が困難になることがあります。
    OSのハングアップが頻繁に発生しており,NMI発生によるダンプからOSのハングアップの原因を調査したい場合だけ設定してください。
     

    表4-6 SVPマイクロプログラム 03-00-00より前のバージョンを利用する場合

    設定項目 デフォルト 設定内容
    監視周期 監視する3分 ウォッチドッグタイマの監視間隔を分単位で設定します。設定範囲は3〜60です。設定した時間からさらに6分間OSから応答がない場合,障害を検出します。
    障害発生時処理 何もしない OSハングアップ,サーバダウンによって,ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生した場合,次のような要因でマネージャサービスに通知できないとき,自動的にどのように処理するか設定します。
    • アラート通知で「なし」を設定している
    • すべての通報先マネージャサービスに対するアラート通知が失敗した
    ここでは,次のどれかを設定します。
    • 何もしない
      ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生しても,何も処理しません。
    • リセット
      サーバについているRESETボタンを押したときと同じ処理をするときに設定します。なお,障害の状態によっては,正常にリセットできない場合があります。
    • 電源OFF
      ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生したときに電源をOFFにします。
    • 電源OFF→電源ON
      ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生したときに電源をOFFにして,すぐONにします。
    アラート通知 あり
    (障害通知)
    サーバで障害などのイベントが発生したときに,マネージャサービスにアラートとして通知するかどうかについて次のどれかを設定します。
    • なし
      アラートの通知をしません。
    • あり(障害通知)
      注意,警告,障害のイベントをアラートとして通知します。
    • あり(情報通知)
      情報のイベントだけをアラートとして通知します。
    • あり(全通知)
      すべてのイベントをアラートとして通知します。
    電源ON監視 この機能は無効です。
    電源OFF監視 この機能は無効です。
    リブート監視 この機能は無効です。

    (凡例)
    −:該当しない

    注※
    障害発生時処理でリセットを設定する場合,Windowsが自動的に再起動しないように,Windowsのコントロールパネルのシステムアイコンで[起動/シャットダウン]ボタンをクリック後,[自動的に再起動する]チェックボックスをOFFにしてください。

(b) SVPアドレス

SVPボードはTCP/IPを使用して通信します。SVPボードに搭載したLANボード(SVPボード機能のLAN設定)について設定します。

ここでは次の情報を設定します。

表4-7 LANの設定

設定項目 設定内容
IPアドレス SVPボードに設定するIPアドレスを設定します。
サブネットマスク サブネットマスクを設定します。
デフォルトゲートウェイ デフォルトゲートウェイのIPアドレスを設定します。

注意
このSVPアドレスは必ず設定してください。また,IPアドレスには,SVPボード専用のIPアドレスを設定してください。SVPボードを搭載しているサーバのLANボードのIPアドレスと同じアドレスは設定しないでください。
(c) 通報先

障害が発生したときに通知を送るマネージャサービスについて設定します。通報先は4台まで設定できます。

表4-8 マネージャサービスの設定

設定項目 設定内容
名称 マネージャサービスのホスト名などを設定します。
IPアドレス マネージャサービスのIPアドレスを設定します。
ポート マネージャサービスと通信するときのポート番号を設定します。デフォルトは20079です。

注意
通報先のIPアドレスには,必ずマネージャサービスのIPアドレスを設定してください。マネージャサービスのIPアドレスを設定しないと,SVPボードと通信できません。
(d) サーバ情報

サーバに関する情報を設定します。この情報はコンソールサービスから参照できます。

表4-9 サーバ情報の設定

設定項目 設定内容
管理者名 サーバを管理しているシステム管理者名を設定します。
設置場所 サーバを設置している場所を設定します。

SVPボードについて設定したら,内容を確認して,[設定]ボタンをクリックしてください。

(e) SVPマイクロ

SVPマイクロプログラムをバージョンアップする場合は,ダイアログボックスにある[SVPマイクロをロードする]チェックボックスをONにして,ロード元を指定してください。

注意
管理対象サーバがSVPボード機能をオンボードで標準搭載している場合,この項目は選択できません。

(3) SVP設定メニュー,SVPマイクロプログラム設定メニューによる設定(Linuxサーバ)

Linuxサーバで,障害発生時の通知に関する設定,電源制御に関する設定,Advanced Agentの通信に関する情報などを設定する場合はSVP設定メニューを使用します。SVPマイクロプログラムのパスを設定する場合はSVPマイクロプログラム設定メニューを使用します。これらのメニューはsmhaaeditコマンドを使用して設定します。smhaaeditコマンドのコマンド書式については,マニュアル「JP1 Version 9 JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 リファレンス」に記載されているsmhaaeditコマンド(Linuxサーバ)を参照してください。

(a) SVP設定メニューによる設定

smhaaeditコマンドによるSVPの設定手順を次に示します。なお,各環境設定メニューの詳細については,マニュアル「JP1 Version 9 JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 リファレンス」に記載されているsmhaaeditコマンド(Linuxサーバ)を参照してください。

  1. smhaaeditコマンドをオプションなしで実行する
    次のようにコマンドを指定して実行します。
    /usr/sbin/smhaaedit
    Advanced Agent環境設定のメインメニューが表示されます。
     
    #### JP1/ServerConductor/Advanced Agent ####
    ####      Configuration Main Menu       ####
      1. Advanced Agent Configuration File
      2. Load SVPmicro Program
      3. SVP Setup
      4. SNMP Configuration File
    Command (1-4/Quit)>
     
  2. 「1.Advanced Agent Configuration File」を選択する
    Advanced Agent設定メニューが表示されます。
     
    #### JP1/ServerConductor/Advanced Agent ####
    #### Advanced Agent Configuration File  ####
      1. SVPAgentService              [Disabled]
      2. SNMPTranslatorAgentService   [Disabled]
    Command (1-2/Menu/Quit)>
     
  3. 「1. SVPAgentService」を選択し,「Enabled」に設定する
    Advanced Agent設定メニューの「1. SVPAgentService」が「Enabled」になります。
     
    #### JP1/ServerConductor/Advanced Agent ####
    #### Advanced Agent Configuration File  ####
      1. SVPAgentService              [Enabled]
      2. SNMPTranslatorAgentService   [Disabled]
    Command (1-2/Menu/Quit)>
     
  4. 「Quit」を選択する
    確認メッセージが表示されたら,「Yes」を選択します。
    Advanced Agent環境設定のメインメニューに戻ります。
  5. 「3. SVP Setup」を選択する
    SVP設定メニューが表示されます。
     
     #### JP1/ServerConductor/Advanced Agent ####
     ####              SVP Setup             ####
        # SVPmicroProgramVersion     [04-00-xx]
        1.ErrorWatching              [Enabled] 11.Destination2-Port [20079]
        2.ErrorWatchingDetailSetting ->        12.Destination3-Name [Mr.C   ]
     .............以下省略.............
     
     Command(1-19/Menu/Quit)>
     
    このメニューでは,障害発生時の通知に関する設定,電源制御に関する設定,Advanced Agentの通信に関する情報などについて設定します。
  6. 必要な項目を設定する
    SVP設定メニューでの設定項目を次に示します。[SVPAddress-IPAddress]と[SVPAddress-SubnetMask]は必ず設定してください。

    表4-10 SVP設定メニューでの設定項目

    設定項目 デフォルト 設定内容
    ErrorWatching Enabled ウォッチドッグタイマを設定します。
    • Enabled:する
    • Disabled:しない
    ErrorWatchingDetailSetting ウォッチドッグタイマによる障害監視の詳細情報を設定する場合に選択します。
    この項目を選択すると,ErrorWatchingDetailSettingサブメニューが表示されます。
    SVPAddress-IPAddress なし
    (設定必須)
    HA8000シリーズサーバでは,SVPボードに設定するIPアドレス(SVP用)を設定します。
    SVPAddress-SubnetMask なし
    (設定必須)
    HA8000シリーズサーバでは,接続したLANで使用されているサブネットマスクのIPアドレスを設定します。
    SVPAddress-DefaultGateway なし HA8000シリーズサーバでは,接続したLANのデフォルトゲートウェイのIPアドレスを設定します。
    DestinationX-Name
    X:1〜4)
    なし マネージャのホスト名などを半角の英数字で16文字以内(終了コードを含む)で設定します。
    DestinationX-IPAddress
    X:1〜4)
    なし マネージャのIPアドレスを設定します。
    DestinationX-Port
    X:1〜4)
    20079 マネージャと通信するときのポート番号を設定します。
    AdministratorName なし サーバを管理しているシステム管理者名を設定します。
    半角の英数字で128文字以内,日本語で入力する場合64文字以内で設定します。
    InstallationLocation なし サーバを設置している場所を設定します。
    半角の英数字で256文字以内,日本語で入力する場合128文字以内で設定します。

    (凡例)
    −:サブメニューが表示される項目であり,値は設定しない

  7. 障害監視の詳細情報を設定する場合,「2.ErrorWatchingDetailSetting」を選択する
    ErrorWatchingDetailSettingサブメニューが表示されます。
     
     #### JP1/ServerConductor/Advanced Agent ####
     ####    Error Watching Detail Setting   ####
        # SVPmicroProgramVersion     [04-00-xx]
        1.ErrorWatchingInterval      [3]
        2.ProcessAtError             [0]
        3.AlertNotification          [1]
        4.PowerOnWatching            [Disabled]
        5.PowerOnWatchingTimeout     [10]
        6.PowerOffWatching           [Disabled]
        7.PowerOffWatchingTimeout    [10]
        8.RebootWatching             [Disabled]
        9.RebootWatchingTimeout      [20]
     
     Command(1-9/Menu/Quit)>
     
    このメニューでは,障害発生時の通知に関する詳細情報を設定します。
  8. 必要な項目を設定する
    ErrorWatchingDetailSettingサブメニューでの設定項目を次に示します。

    表4-11 SVPマイクロプログラム 03-00-00以降のバージョンを利用する場合

    設定項目 デフォルト 設定内容
    ErrorWatchingInterval 3 ウォッチドッグタイマの監視間隔を分単位で設定します。設定範囲は3〜60です。
    ProcessAtError※1 0 OSハングアップ,サーバダウンによって,ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生した場合,自動的にどのように処理するかを設定します。
    ここでは,次のどれかを設定します。
    • 0:何もしない
      ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生しても,何も処理しません。
    • 1:リセット
      サーバのRESETボタンを押したときと同じ処理をするときに設定します。なお,障害の状態によっては,正常にリセットできない場合があります。
    • 2:電源OFF
      ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生したときに電源をOFFにします。
    • 3:電源OFFにしたあと電源ONにする
      ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生したときに電源をOFFにして,すぐONにします。
    • 4:ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生したときにNMIを発行する
      ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生したときにNMIを発生させます。メモリダンプ採取の設定がされている環境でNMIが発生すると,発生時点のメモリダンプが採取されます。この設定をする場合の注意事項については,「NMIを発生させる場合の注意事項」を参照してください。
    障害発生時処理で「1」または「3」を指定した場合,リセットまたは電源ON処理が失敗したときに一定時間(タイムアウト時間)内でリトライします。
    これらのタイムアウト時間は次の値を使用します。
    • 1:リセット
      リブート監視のタイムアウト値
    • 3:電源OFF→電源ON
      電源ON監視のタイムアウト値(電源ONの場合だけ監視)
    なお,リブート監視または電源ON監視が設定されていない場合はリトライしません。
    AlertNotification 1 サーバに障害などが発生した場合,マネージャサービスにアラートとして通知するかどうかを設定します。次の4つの設定項目から数値で設定します。
    • 0:なし
    • 1:あり(障害通知)
    • 2:あり(情報通知)
    • 3:あり(すべて通知)
    PowerOnWatching※2※3※4 Disabled 電源ONに失敗した場合,一定時間(タイムアウト時間)内でリトライするかどうかを設定します。
    • Enabled:リトライする
    • Disabled:リトライしない
    PowerOnWatchingTimeout※4※5 10 電源ONのリトライタイムアウト時間を設定します。「PowerOnWatching」がEnabledの場合だけ有効です。設定範囲は10〜60分です。
    PowerOffWatching※3 Disabled 次のどちらかの処理の電源OFFに失敗したときに,電源OFFの処理を一定時間(タイムアウト時間)内でリトライするかどうかを設定します。
    • 電源制御スケジュール
    • エージェントサービスが実行するアラート発生時のサーバ動作
    設定値を次に示します。
    • Enabled:リトライする
    • Disabled:リトライしない
    PowerOffWatchingTimeout※5 10 電源OFFのリトライタイムアウト時間を設定します。「PowerOffWatching」がEnabledの場合だけ有効です。設定範囲は10〜60分です。
    RebootWatching※3 Disabled 次の処理のリブートに失敗したときに,リブートの処理を一定時間(タイムアウト時間)内でリトライするかどうかを設定します。
    • エージェントサービスが実行するアラート発生時のサーバ動作
    設定値を次に示します。
    • Enabled:リトライする
    • Disabled:リトライしない
    RebootWatchingTimeout※5 20 リブートのリトライタイムアウト時間を設定します。「RebootWatching」がEnabledの場合だけ有効です。設定範囲は20〜60分です。

    注※1
    ProcessAtErrorで1:リセットを設定する場合,Linuxが自動的に再起動しないように,/proc/sys/kernel/panicの値を0に設定してください。

    注※2
    PowerOnWatchingをEnabledに設定している場合,BIOS起動中にBIOS設定などをすると,設定したタイムアウト時間でリトライ(電源OFF→電源ON)します。PowerOnWatchingをDisabledに設定してからBIOS設定などをしてください。

    注※3
    管理対象サーバがSVPボードで動作している場合,PowerOnWatchingをEnabledに設定してJP1/ServerConductorをアンインストールすると,PowerOnWatching処理がアンインストール後も動作してしまいます。アンインストールするときは,PowerOnWatching,PowerOffWatching,またはRebootWatchingをDisabledに設定してからアンインストールしてください。

    注※4
    使用するサーバの機種によっては,設定できません。

    注※5
    PowerOnWatchingTimeout,PowerOffWatchingTimeout,およびRebootWatchingTimeoutについては各サーバによって起動時間やシャットダウン時間が異なります。事前に十分検証した上で設定してください。

    注意
    NMIを発生させる場合の注意事項
    • Linux ES3,Linux ES4,Linux AS3,およびLinux AS4の場合
      NMI発生機能は,通常の運用ケースでは使用しないでください。
      NMI発生機能は,OSの不具合などでOSがハングアップした場合にダンプを出力させることを目的としています。この機能とは別に,OSには,メモリアクセス違反などの要因で発生したカーネルパニックまたはSTOPエラーを解析するために,自らメモリダンプを出力する仕組みが備わっています。NMI発生機能を有効にした場合,OSによって自動的にダンプが出力されている最中にNMIが発生すると,ダンプ出力が中断されてしまうことがあります。その結果,OSでメモリアクセス違反などの要因で発生したカーネルパニックまたはSTOPエラーによって処理が続行できなくなった場合の原因の究明が困難になることがあります。
      OSのハングアップが頻繁に発生しており,NMI発生によるダンプからOSのハングアップの原因を調査したい場合だけ設定してください。
      また,アラートID 0x1470をN+1コールドスタンバイ機能の自動切り替え対象アラートとして設定している場合,自動切り替え待ち時間にはダンプを採取するのに十分な時間を設定してください。N+1コールドスタンバイ機能の自動切り替え対象アラートについては,マニュアル「JP1 Version 9 JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 運用ガイド」のN+1コールドスタンバイ機能について記載されている章を参照してください。
      なお,IA32サーバモジュールでNMIが発生した場合,アラートID 0x1413が通知されます。
    • Linux 5およびLinux 6の場合
      NMI発生機能は,OSの不具合などでOSがハングアップした場合にダンプを出力させることを目的としています。この機能とは別に,OSには,メモリアクセス違反などの要因で発生したカーネルパニックまたはSTOPエラーを解析するために,自らメモリダンプを出力する仕組みが備わっています。NMI発生機能を有効にすることで,OSがハングアップした場合などのダンプ採取ができます。また,OS側でダンプ出力がされている最中にNMIが発生しても,OS側のダンプ出力が優先されます。
      アラートID 0x1470をN+1コールドスタンバイ機能の自動切り替え対象アラートとして設定している場合,自動切り替え待ち時間にはダンプを採取するのに十分な時間を設定してください。N+1コールドスタンバイ機能の自動切り替え対象アラートについては,マニュアル「JP1 Version 9 JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 運用ガイド」のN+1コールドスタンバイ機能について記載されている章を参照してください。
      なお,IA32サーバモジュールでNMIが発生した場合,アラートID 0x1413が通知されます。
     

    表4-12 SVPマイクロプログラム 03-00-00より前のバージョンを利用する場合

    設定項目 デフォルト 設定内容
    ErrorWatchingInterval 3 ウォッチドッグタイマの監視間隔を分単位で設定します。設定範囲は3〜60です。
    ProcessAtError 0 OSハングアップ,サーバダウンによって,ウォッチドッグタイマのタイムアウトが発生した場合,どのように処理するかを設定します。次の4つの設定項目から数値で設定します。
    • 0:何もしない
    • 1:リセット
    • 2:電源OFF
    • 3:電源OFFにしたあと電源ONにする
    AlertNotification 1 サーバに障害などが発生した場合,マネージャサービスにアラートとして通知するかどうかを設定します。次の4つの設定項目から数値で設定します。
    • 0:なし
    • 1:あり(障害通知)
    • 2:あり(情報通知)
    • 3:あり(すべて通知)
    PowerOnWatching この機能は無効です。
    PowerOnWatchingTimeout この機能は無効です。
    PowerOffWatching この機能は無効です。
    PowerOffWatchingTimeout この機能は無効です。
    RebootWatching この機能は無効です。
    RebootWatchingTimeout この機能は無効です。

    (凡例)
    −:該当しない

    注※
    ProcessAtErrorで1:リセットを設定する場合,Linuxが自動的に再起動しないように,/proc/sys/kernel/panicの値を0に設定してください。

  9. 「Quit」を選択する
    SVP設定メニューに戻ります。
  10. 「Quit」を選択する
    確認メッセージが表示されたら,「Yes」を選択します。
    Advanced Agent環境設定のメインメニューに戻ります。
  11. 「Quit」を選択する
    smhaaeditコマンドを終了します。
(b) SVPマイクロプログラム設定メニューによる設定

smhaaeditコマンドによるSVPマイクロプログラムの設定手順を次に示します。なお,各環境設定メニューの詳細については,マニュアル「JP1 Version 9 JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 リファレンス」に記載されているsmhaaeditコマンド(Linuxサーバ)を参照してください。

注意
SVPボードを搭載していないLinuxサーバの場合は設定できません。
  1. smhaaeditコマンドをオプションなしで実行する
    次のようにコマンドを指定して実行します。
    /usr/sbin/smhaaedit
    Advanced Agent環境設定のメインメニューが表示されます。
     
    #### JP1/ServerConductor/Advanced Agent ####
    ####      Configuration Main Menu       ####
      1. Advanced Agent Configuration File
      2. Load SVPmicro Program
      3. SVP Setup
      4. SNMP Configuration File
     
    Command (1-4/Quit)>
     
  2. 「2. Load SVP micro Program」を選択する
    SVPマイクロプログラム設定メニューが表示されます。
     
     #### JP1/ServerConductor/Advanced Agent ####
     ####       Load SVPmicro Program        ####
      # SVPmicroProgramVersion [04-00-xx]
      1.SVPmicroProgramLocation[/mnt/floppy/SVPEO/…]
     
     Command(1/Menu/Quit)>
     
    このメニューでは,設定するSVPマイクロプログラムのパスを設定します。
  3. 必要な項目を設定する
    SVPマイクロプログラム設定メニューでの設定項目を次に示します。

    表4-13 SVPマイクロプログラム設定メニューでの設定項目

    設定項目 デフォルト 設定内容
    SVPmicroProgramLocation "/mnt/floppy/SVPEO/SVPEO.EXE" 設定するSVPマイクロプログラムのパスを半角の英数字で,255文字以内で設定します。
  4. 「Quit」を選択する
    確認メッセージが表示されたら,「Yes」を選択します。
    SVPマイクロプログラムがロードされ,Advanced Agent環境設定のメインメニューに戻ります。
  5. 「Quit」を選択する
    smhaaeditコマンドを終了します。