JP1/Cm2/SNMP System Observer
SNMP定義ファイルには,SSOが発行するSNMPのリクエストについて定義します。なお,このファイルを変更した場合は,次のどちらかの処理を実行してください。
- ssoapcomおよびssocollectdコマンドの-rオプションを指定して再読み込みを実行する。
- ssoapmonおよびssocollectdデーモンプロセスを再起動する。
- <この項の構成>
- (1) 書式
- (2) 定義内容
- (3) 定義例
(1) 書式
SNMP定義ファイルには,対象となるSNMPエージェントごとの定義を1行で指定します。各項目は,「(2) 定義内容」の表の記載順序に従って「:(コロン)」で区切って記述してください。
(2) 定義内容
定義内容を,次の表に示します。
項目 値 カテゴリ名
大文字・小文字は区別されません。
- リソース収集の場合
対象リソースのカテゴリ名を指定します。SSOが提供したリソースを収集する場合は,「sso」または「sso-ex」,拡張リソースおよびユーザリソースを収集する場合はそのカテゴリ名を指定します。カテゴリ名が指定されていない場合は,「sso」と指定した定義が有効になります。
- プロセスおよびサービス監視の場合
「process」と指定した定義が有効になります。「process」の定義がない場合は,「sso」と指定した定義が有効になります。「process」,「sso」のどちらの定義もない場合は,デフォルト値を使用します。
IPアドレス 対象エージェントのIPアドレスを,「n.n.n.n」の形式で指定します。nには,0〜255の値,またはワイルドカードの「*(アスタリスク)」を指定できます。定義のないエージェントには,各項目のデフォルト値が設定されます。 Getコミュニティ名
《public》((255バイト以内の文字列))対象エージェントに対してSNMPのGet/Get-Nextリクエストを発行する場合のコミュニティ名を設定します。「:(コロン)」は指定できません。 Setコミュニティ名
《Getコミュニティ名》((255バイト以内の文字列))対象エージェントに対してSNMPのSetリクエストを発行する場合のコミュニティ名を設定します。「:(コロン)」は指定できません。 応答監視時間
《20》((1〜990))対象エージェントに対してSNMPリクエストを発行した場合の応答監視時間を,1/10秒単位で指定します。 リトライ回数
《3》((0〜99))対象エージェントに対してSNMPリクエストを発行した場合のリトライ回数を指定します。 ポート番号
《161》((1〜65535))対象エージェントに対してSNMPリクエストを発行する場合のポート番号を指定します。 SNMPプロキシのIPアドレス※1 対象エージェントに対してSNMPリクエストを発行する場合のプロキシのIPアドレスを,「n.n.n.n」の形式で指定します。nには,0〜255の値を指定します。 SNMPバージョン《1》※2,※3 リソース収集対象エージェントに対するSNMPリクエスト発行時のSNMPバージョンを指定します。指定できる値は1または2です。
なお,このキーの設定は「sso」と「process」の二つのカテゴリでは,省略するか1を設定してください。1以外を設定した場合,その設定は無効となり,1が設定されたものとして動作します。また,「sso-ex」のカテゴリでは2を設定してください。2以外を設定した場合,その設定は無効となり,2が設定されたものとして動作します。
- 注※1
- SNMPプロキシのIPアドレスおよびそれに続くSNMPバージョンの指定を省略する場合,区切り文字(:)を含めて省略できます。
- 注※2
- SNMPバージョンを省略する場合,指定値の末尾に付ける区切り文字(:)を含めて省略できます。
- 注※3
- 「sso」と「process」の二つのカテゴリでのSNMPバージョンは1固定です。ユーザリソースの収集でCounter64型のMIB値を取得する場合は,該当する収集対象エージェントのIPアドレス,ポートに対して必ず2を指定してください。
- また,収集対象エージェントがSNMPバージョン1をサポートしていない場合,2を指定することでユーザリソースの収集はできますが,リソース参照およびカテゴリ「sso」のリソース収集は実行できません。
SNMP定義ファイルを作成する場合の注意事項を次に示します。
- ファイル内に「カテゴリ名」と「IPアドレス」の組み合わせが同じ定義が複数ある場合,先に記述されている定義を有効とし,以降に記述されている定義は無視します。
- ファイル内に,「カテゴリ名」が同じで,かつ,共通のIPアドレスに該当する「IPアドレス(ワイルドカード使用時を含む)」の定義が複数ある場合,先に記述されている定義がそのIPアドレスに対して有効になります。したがって,対象エージェントのIPアドレスに「*.*.*.*」を指定した定義が先頭にある場合,その定義に従ったSNMPリクエストがすべてのエージェントに発行されます。
- ファイル内に同一「IPアドレス」に対するカテゴリの定義が複数ある場合,両者の記述は順不同です。例えば,同一IPアドレスに対して「sso」の定義と「oracle」の定義が定義されている場合,どちらを先に記述しても,もう片方が無効になることはありません。
- SNMPリクエストを発行するリソースのカテゴリおよびターゲットの定義が存在しない場合,カテゴリ名「sso」の定義が有効になります。
- SNMPリクエストを発行するプロセス監視のカテゴリ「process」およびターゲットの定義が存在しない場合,カテゴリ名「sso」の定義が有効になります。
- リソース収集対象サーバとの間にファイアウォールがある場合は,次のSNMPの設定が必要です。
Getコミュニティ名:収集対象サーバのIPアドレス
SNMPプロキシのIPアドレス:JP1/Cm2/IGSのIPアドレス
JP1/Cm2/IGSでの設定については,マニュアル「JP1/Cm2/Internet Gateway Server」を参照してください。
- プロセス・サービス監視対象サーバとの間にファイアウォールがある場合は,次のSNMPの設定が必要です。
Getコミュニティ名:監視サーバのIPアドレス
Setコミュニティ名:監視サーバのIPアドレス
SNMPプロキシのIPアドレス:JP1/Cm2/IGSのIPアドレス
JP1/Cm2/IGSでの設定については,マニュアル「JP1/Cm2/Internet Gateway Server」を参照してください。
また,APMが通知するイベント送信先の設定については,「7.4.3 JP1/Cm2/IGSあて先定義ファイル(apmproxy.conf)」を参照してください。
(3) 定義例
SNMP定義ファイルの定義例を次に示します。
この例では,ターゲット100.100.100.2に対してOracleリソースを収集する場合,「oracle:*.*.*.*:public:public:8:2:8161::」の定義が有効になります。このターゲットに対して,juniperリソースを収集する場合は,「sso:*.*.*.*:public:public:80:2:161::」の定義が有効になります。
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