JP1/Automatic Job Management System 3 - SOA Option Webシステム呼び出し機能編
ユーザーWSジョブの実行がエラーになった場合,次の事項が原因と考えられます。
- CLASSPATH環境変数の設定に誤りがある(WindowsとUNIXに共通)
- ユーザーWSプログラム配置パスまたは実行クラス名に誤りがある(WindowsとUNIXに共通)
- ユーザーWSプログラムが異常終了している(WindowsとUNIXに共通)
- システム全体で使用できるソケットポートが枯渇している(Windows限定)
- (凡例)
- (WindowsとUNIXに共通):WSジョブ実行ホストのOSがWindowsでもUNIXでも考えられる原因を指します。
- (Windows限定):WSジョブ実行ホストのOSがWindowsの場合に考えられる原因を指します。
各原因の確認方法と対処方法について説明します。
- <この項の構成>
- (1) CLASSPATH環境変数の設定に誤りがある(WindowsとUNIXに共通)
- (2) ユーザーWSプログラム配置パスまたは実行クラス名に誤りがある(WindowsとUNIXに共通)
- (3) ユーザーWSプログラムが異常終了している(WindowsとUNIXに共通)
- (4) システム全体で使用できるソケットポートが枯渇している(Windows限定)
(1) CLASSPATH環境変数の設定に誤りがある(WindowsとUNIXに共通)
ユーザーWSプログラムが参照するjarファイルを,ユーザーWSプログラムとは異なる格納先に格納している場合に,jarファイルのパスをCLASSPATH環境変数に設定していないか,または設定値に誤りがあることが考えられます。
CLASSPATH環境変数の値を確認し,誤りがある場合は修正してください。
環境変数の詳細については,次の個所を参照してください。
- WSジョブ実行ホストのOSがWindowsの場合
- 「4.5 環境変数の設定」を参照してください。
- WSジョブ実行ホストのOSがUNIXの場合
- 「5.5 環境変数の設定」を参照してください。
(2) ユーザーWSプログラム配置パスまたは実行クラス名に誤りがある(WindowsとUNIXに共通)
ユーザーWSジョブの定義で指定したユーザーWSプログラム配置パスまたは実行クラス名に誤りがあることが考えられます。
ユーザーWSジョブの定義内容を確認し,誤りがある場合は修正してください。
ユーザーWSジョブの定義方法については,「10.3 ユーザーWSジョブの定義手順」を参照してください。
(3) ユーザーWSプログラムが異常終了している(WindowsとUNIXに共通)
エラーメッセージ「KNAW9206-E WSプログラムの例外を検出しました。」が出力された場合,ユーザーWSプログラムが異常終了しています。次の手順で対処してください。
- ユーザーWSジョブの場合,ユーザーWSプログラムのエラー情報から原因を特定し,ユーザーWSジョブの再実行やユーザーWSプログラムの入れ替えなどの対策をしてください。
- WebアプリケーションサーバがWebLogic Server 10以降の場合は,WebLogic Serverが提供するSOAPクライアントライブラリ(wseeclient.jar)をJP1/AJS3 - SOA Optionのインストール先フォルダに配置しているか確認してください。詳細は,次の個所を参照してください。
- WSジョブ実行ホストのOSがWindowsの場合
- 「4.4 WebLogic Server 10以降に必要な設定」
- WSジョブ実行ホストのOSがUNIXの場合
- 「5.4 WebLogic Server 11gを使用する場合に必要な設定」
- 1.および2.に該当しない場合,トラブルシュート資料を採取したあと,システム管理者に連絡してください。
(4) システム全体で使用できるソケットポートが枯渇している(Windows限定)
ユーザーWSジョブが終了コード182で終了し,エラーメッセージ「KNAW8101-E コントローラーが開始していないため,WSジョブを実行できません。または,コントローラーとの通信でエラーが発生しました。(エラー情報=20000050,00002740)」が出力された場合,システム全体で使用できるソケットポートが枯渇しているおそれがあります。
netstat -aコマンドを実行してシステムのソケットの状態を調べて,TIME_WAIT状態のソケットが多数あるかどうかを確認します。TIME_WAIT状態のソケットが多数ある場合は,一時的に空いているソケットポートが不足しているおそれがあります。通信エラーメッセージが出力される場合は,ソケット接続できないため,WSジョブの実行やジョブの状態確認に失敗しているおそれがあります。このような場合は,TIME_WAIT状態のソケットが少なくなってから,WSジョブを再実行してください。
なお,Windowsが管理するTIME_WAITポートの回復時間を早めることで,通信エラーを抑止する方法もあります。TIME_WAITポートの回復時間を早める手順を次に示します。
- 次のコマンドを実行して,レジストリエディタを起動する。
C:\> regedt32.exe- 次に示すTCP/IPのキーを開く。
\\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters- 次に示すレジストリ値を追加する。
名前:TcpTimedWaitDelay
データ型:REG_DWORD
データ:任意の値(10進数の値)
- Windowsを再起動する。
TcpTimedWaitDelayパラメーターに指定する値は任意です。運用環境に適した値を設定してください。なお,標準値は240秒,最小値は30秒です。
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