JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド
JP1/IMは,言語環境が混在したシステムでも運用できます。例えば,JP1/Baseに登録されているJP1イベントの言語コードが混在していても,JP1/IM - Viewでは正常に表示できます※。
注※ 言語環境の混在には関係なく,外字,特殊な文字,および特定の制御コードについては,画面表示で文字が化けることや,その文字として処理されないことがあります。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 画面リファレンス」の「1.3 画面操作上の注意事項」を参照してください。
ただし,幾つかの条件がありますので,システム構成や運用を検討してください。
- <この項の構成>
- (1) システム単位での条件
- (2) サーバ単位での条件
(1) システム単位での条件
JP1/IMのシステム単位(マネージャーとエージェントによるJP1/IM全体)では,次の条件があります。
- 自動アクションを設定する場合に2バイト文字が含まれていたときは,文字化けが発生します※。また,機種依存文字を指定した場合は,正しく動作しないことがあります。
注※ 第一水準,第二水準の文字コードについては問題なく動作します。
- エージェントに UTF-8ロケール環境のホストが存在する場合,次のことに注意してください。
- UTF-8ロケール環境のJP1/Baseをバージョン8以降にする必要があります。また,イベント転送先のJP1/Baseをバージョン8以降にする必要があります。
- マネージャー上のJP1/IM - Manager,JP1/Baseをバージョン8以降にする必要があります。
- バージョン7のJP1/IM,JP1/Baseがシステム内に混在している場合,UTF-8ロケール環境で発行されたJP1イベントを正しく処理できません(JP1イベントの表示や自動アクションの実行など,正しく処理されなくなります)。
この場合,UTF-8環境のJP1/Baseをバージョン8以降にし,JP1/Baseを互換モードで動作するように設定する必要があります。設定の詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のセットアップ前の作業の説明を参照してください。
- 日本語環境のホスト※1と英語環境のホスト※2が混在するシステムでは,次の条件があります。
注※1 日本語版のOS,製品がインストールされ,環境変数LANGの設定が日本語に設定されたホスト
- 統合マネージャーおよび拠点マネージャーとして構成できるのは,日本語環境のホストだけです。
- 英語環境のエージェントの上位に構成するマネージャーとしては,日本語環境のホストだけが使用できます。
- マネージャーで動作するJP1/IM - ManagerとJP1/Baseは,日本語環境で運用してください。また,JP1/IM - Viewもインストールする場合は,日本語環境のJP1/IM - Viewをインストールしてください。
- セントラルコンソールによる監視を行う場合は,日本語環境のJP1/IM - Viewから日本語環境のJP1/IM - Manager(JP1/IM - Central Console)に接続して運用してください。
- WWWページ版のJP1/IM - Viewによるイベント監視を行う場合は,日本語版OS上の日本語版WWWブラウザーから日本語環境のJP1/IM - Manager(JP1/IM - Central Console)に接続して運用してください。
- クラスタシステム内では,日本語環境のJP1/IM - Managerと日本語環境のJP1/Baseを使用してください。
- 日本語環境のホストと英語環境のホストが混在するシステムとして構築できるシステム構成の例を次に示します。
注※2 英語版のOS,製品がインストールされたホスト,または日本語版のOS,製品がインストールされ,環境変数LANGの設定が英語に設定されたホスト
図12-1 日本語環境のホストと英語環境のホストが混在するシステムの構成例
- 注意事項
日本語環境のホストと英語環境のホストが混在するシステムについての注意事項を次に示します。
- 定義ファイルおよび設定ファイルについて
英語環境のJP1/Base上に配置する定義ファイル名,設定ファイル名,およびこれらのファイル内で使用する文字,属性値などについては,英数字(ASCII)で統一してください。JP1/IM - Manager上でこれらのファイルを作成し配布する場合は,2バイト文字を含めたファイルを配布しないようご注意ください。
- 自動アクションについて
英語環境のJP1/Baseを自動アクションの実行先ホストとした場合,次の注意事項があります。
- 2バイト文字を含むアクションは指定しないでください。指定した場合は,アクション結果が文字化けするなどの不正な表示をしたり,アクション実行に失敗したりすることがあります。
- 自動アクション定義で使用する変数に,2バイト文字を含むイベント情報を指定しないでください。指定した場合は,アクション結果が文字化けするなどの不正な表示をしたり,アクション実行に失敗したりすることがあります。
- 自動アクションで使用する環境変数定義ファイルの名称およびその内容に,2バイト文字を指定しないでください。指定した場合は,アクション結果が文字化けするなどの不正な表示をしたり,アクション実行に失敗したりすることがあります。
- 2バイト文字を含む結果を出力する自動アクションは指定しないでください。指定した場合は,アクション結果が文字化けするなど不正な表示をすることがあります。
- JP1/IM - Viewからのコマンド実行について
英語環境のJP1/Baseをコマンド実行の実行先ホストとした場合,次の注意事項があります。
- 2バイト文字を含むコマンドを指定しないでください。指定した場合は,コマンド実行結果が文字化けするなどの不正な表示をしたり,コマンドの実行に失敗したりすることがあります。
- コマンド実行で使用する環境変数ファイルの名称およびその内容に,2バイト文字を指定しないでください。指定した場合は,コマンド実行結果が文字化けするなどの不正な表示をしたり,実行に失敗したりすることがあります。
- 2バイト文字を含む結果を出力するコマンドは指定しないでください。指定した場合は,コマンド実行結果が文字化けするなど不正な表示をすることがあります。
- イベント検索について
英語環境のJP1/Baseに対して,2バイト文字を含む条件でイベント検索しないでください。2バイト文字を指定した場合は,正しく検索できません。
(2) サーバ単位での条件
サーバ単位(1台のマシンで実行する物理ホストおよび論理ホストのすべて)では,次の条件があります。
- JP1/IMおよびJP1/Baseを,日本語版または英語版どちらかに統一してください。
- JP1/IMおよびJP1/Baseの言語コード(環境変数LANGなどのロケールの設定)を統一してください(UNIXの場合)。JP1/IMの言語コードの設定方法については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 構築ガイド」の「2.18.2 JP1/IMの環境変数の設定」を参照してください。
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