Cosminexus システム構築ガイド

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6.2.2 SFOサーバの設定

テキストエディタなどを使用して,Smart Composer機能の簡易構築定義ファイルを編集することで,SFOサーバとして使用するJ2EEサーバの動作設定を変更できます。SFOサーバが使用するネーミングサービス,PRFデーモン,ログ,セキュリティなどの基本設定や,SFOサーバのJavaVMの起動オプションの設定を変更する場合に,必要に応じて実施してください。

注意
CTMを使用している場合,CTMを使用したリクエストのスケジューリングを無効にする必要があります。論理SFOサーバ(sfo-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.ctm.enabledで「true」が指定されている場合,「false」に変更してください。
<この項の構成>
(1) SFOサーバの基本設定
(2) SFOサーバの起動オプションの設定

(1) SFOサーバの基本設定

SFOサーバの設定で編集できる簡易構築定義ファイルのパラメタを次の表に示します。なお,ここで説明していないパラメタは編集しないでください。

表6-2 SFOサーバの設定で編集できる簡易構築定義ファイルのパラメタ

分類 簡易構築定義ファイルのパラメタ 説明
CORBAネーミングサービス※1 ejbserver.naming.port 利用するCORBAネーミングサービスのポート番号を指定します。
EJBコンテナ※1 ejbserver.container.remove.scan.interval Stateful Session Beanのタイムアウトやプールの状態を監視するスレッドの起動間隔を指定します。
Webサーバ※1
  • ejbserver.http.port
  • webserver.connector.http.permitted.hosts
  • webserver.connector.http.bind_host
簡易Webサーバのポート番号,簡易Webサーバへのアクセスを許可するホストや,簡易Webサーバで使用するホストを指定します。

  • webserver.connector.ajp13.port
  • webserver.connector.ajp13.bind_host
  • webserver.connector.ajp13.max_threads※2
Webサーバとの通信ポート番号や,Webサーバ連携で使用するホストを指定します。
PRFデーモン※1 ejbserver.server.prf.PRFID 利用するPRFデーモンを指定します。
リソース枯渇監視※1
  • ejbserver.watch.enabled
  • ejbserver.watch.memory.enabled
  • ejbserver.watch.memory.interval
  • ejbserver.watch.memory.threshold
  • ejbserver.watch.memory.writefile.enabled
  • ejbserver.watch.fileDescriptor.enabled※3
  • ejbserver.watch.fileDescriptor.interval※3
  • ejbserver.watch.fileDescriptor.threshold※3
  • ejbserver.watch.fileDescriptor.writefile.enabled※3
  • ejbserver.watch.thread.enabled
  • ejbserver.watch.thread.interval
  • ejbserver.watch.thread.threshold
  • ejbserver.watch.thread.writefile.enabled
  • ejbserver.watch.threaddump.enabled
  • ejbserver.watch.threaddump.interval
  • ejbserver.watch.threaddump.threshold
  • ejbserver.watch.threaddump.writefile.enabled
  • ejbserver.watch.defaultRequestQueue.enabled※4
  • ejbserver.watch.defaultRequestQueue.interval
  • ejbserver.watch.defaultRequestQueue.threshold
  • ejbserver.watch.defaultRequestQueue.writefile.enabled※4
リソース枯渇監視機能の使用の有無,リソースの監視間隔やしきい値を指定します。
リソース枯渇監視機能の設定については,「4.12 リソース枯渇監視の設定」を参照してください。
SFOサーバのログ※1
  • ejbserver.logger.enabled.*
  • ejbserver.logger.channels.define.<チャネル名>※5.filenum
  • ejbserver.logger.channels.define.<チャネル名>※5.filesize
  • ejbserver.logger.systemlog.enabled
SFOサーバのログのファイル面数,ファイルサイズや,ログレベルを指定します。また,SFOサーバのログのイベントログ(UNIXの場合,syslog)への出力の有無を指定します。
スレッドダンプ出力※1 ejbserver.server.threaddump.filenum J2EEサーバが障害を検知して自発的にスレッドダンプを出力する場合の
スレッドダンプのファイル数の上限を指定します。
Cosminexus TPBrokerのトレース
  • vbroker.orb.htc.comt.entryCount※1
  • vbroker.orb.htc.comt.fileCount※6
  • vbroker.orb.htc.tracePath※6
Cosminexus TPBrokerのトレースファイルの出力先,ファイル数や,エントリ数を指定します。
Cosminexus TPBrokerのオプション※1
  • vbroker.se.iiop_tp.host
  • vbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.port
EJBコンテナの通信ポート,およびIPアドレスを固定する場合に,任意の値を指定します。

注※1
簡易構築定義ファイルの,SFOサーバ用のユーザプロパティに設定します。

注※2
SFOサーバではWebアプリケーションでリクエストを処理することがないため,このパラメタに指定する値を小さくすることでSFOサーバが作成するスレッド数を減らすことができます。値に最小値「1」を設定することをお勧めします。

注※3
UNIXの場合に指定できるパラメタです。

注※4
SFOサーバではWebアプリケーションを実行しないため,HTTPリクエスト実行待ちキュー監視は不要です。値に「false」を設定して監視を無効にすることをお勧めします。

注※5
チャネル名には,種別ごとのチャネル名を指定します。
MessageLogFile,MaintenanceLogFile,ExceptionLogFile,ConsoleLogFile,EJBContainerLogFile,MemoryWatchLogFile,FileDescriptorWatchLogFile,ThreadWatchLogFile,RequestQueueWatchLogFile

注※6
簡易構築定義ファイルの,SFOサーバのJavaVMのシステムプロパティに設定します。

これらのパラメタは,簡易構築定義ファイルで,論理SFOサーバ(sfo-server)の<configuration>タグ内に定義します。簡易構築定義ファイルの詳細については,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」を参照してください。

(2) SFOサーバの起動オプションの設定

SFOサーバでは,Webアプリケーションのグローバルセッション情報の冗長化を開始する前に,グローバルセッション情報を格納するために必要な領域を確保します。このとき確保したメモリは,Webアプリケーションのグローバルセッション情報の冗長化が終了するまで解放されないで,JavaVMのTenured領域に格納されます。

JavaVMでは,Tenured領域の使用状態や,New領域の最大値に対するTenured領域の空き容量などを基に,フルガーベージコレクションを発生させます。SFOサーバでは,フルガーベージコレクションの発生を防ぐために,Webアプリケーションのグローバルセッション情報の冗長化で使用するTenured領域メモリサイズや,SFOサーバが使用するTenured領域のメモリサイズなど,Tenured領域に格納されるオブジェクトのメモリサイズを基に,JavaVMのTenured領域,New領域のサイズをチューニングする必要があります。

JavaVMのTenured領域,New領域のサイズは,簡易構築定義ファイルの論理SFOサーバ(sfo-server)の<configuration>タグ内に,JavaVM起動パラメタで定義します。JavaVM起動パラメタの指定内容を次に示します。

<param-name>タグ
add.jvm.arg

<param-value>タグ
  • -Xmx(設定値)
  • -XX:NewRatio=(設定値)
    注意
    JavaVMの領域をチューニングする場合は,JavaVMのガーベージコレクションログを確認して,SFOサーバの運用でフルガーベージコレクションが発生しないことを確認してください。

Webアプリケーションのグローバルセッション情報の冗長化で使用するTenured領域のメモリサイズ,およびSFOサーバが使用するTenured領域のメモリサイズの見積もり式を次に示します。