Cosminexus システム構築ガイド

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4.12 リソース枯渇監視の設定

リソースの監視間隔やしきい値を指定してリソースを監視し,しきい値を超えた場合にアラートを出力できます。また,リソース枯渇監視情報をファイルに出力できます。

リソース監視機能を使用できるのは,J2EEサーバまたはSFOサーバです。J2EEサーバの場合,監視対象にできるリソースは,メモリ,ファイルディスクリプタ,スレッド数,スレッドダンプ,HTTPリクエスト実行待ちキュー,セッション数,およびコネクションプールです。SFOサーバの場合,監視対象にできるリソースは,メモリ,ファイルディスクリプタ,スレッド数,スレッドダンプです。なお,Windows,AIXでは,ファイルディスクリプタは監視できません。また,Linuxではスレッド数を監視できません。

リソース枯渇監視機能を使用するためには,次の二つの設定が必要です。

この節では,これらのリソース枯渇監視機能を使用するための設定について説明します。

<この節の構成>
(1) リソース枯渇監視機能の有効化
(2) リソース種別ごとの監視の設定

(1) リソース枯渇監視機能の有効化

デフォルトの設定では,リソース枯渇監視機能は有効になっているので,設定は不要です。簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)または論理SFOサーバ(sfo-server)の<configuration>タグ内で,ejbserver.watch.enabledパラメタにtrue(リソース枯渇監視機能を有効にする)が指定されていて,すべてのリソースが監視されるようになっています。なお,リソース枯渇監視機能を無効にしたい場合には,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)または論理SFOサーバ(sfo-server)の<configuration>タグ内で,ejbserver.watch.enabledパラメタにfalse(リソース枯渇監視機能を無効にする)を指定してください。

(2) リソース種別ごとの監視の設定

デフォルトの設定では,監視対象となるすべてのリソースにしきい値や監視間隔の時間などが設定されています。また,監視結果のリソース枯渇監視ログファイルへの出力も有効になっています。リソース枯渇監視の設定を変更したい場合には,次の方法で設定を変更してください。

リソース種別ごとの監視の設定を次の表に示します。

表4-15 リソース種別ごとの監視の設定

リソース種別 設定個所 設定内容
メモリ 簡易構築定義ファイル J2EEサーバ単位またはSFOサーバ単位で,メモリ監視の設定をします。
論理J2EEサーバ(j2ee-server)または論理SFOサーバ(sfo-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.watch.memoryから始まるパラメタで,メモリ監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。また,ejbserver.logger.channels.defineから始まるパラメタで,ファイルの面数,サイズを指定します。※1
ファイルディスクリプタ J2EEサーバ単位またはSFOサーバ単位で,ファイルディスクリプタ監視の設定をします。
論理J2EEサーバ(j2ee-server)または論理SFOサーバ(sfo-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.watch.fileDescriptorから始まるパラメタで,ファイルディスクリプタ監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。また,ejbserver.logger.channels.defineから始まるパラメタで,ファイルの面数,サイズを指定します。
スレッド数 J2EEサーバ単位またはSFOサーバ単位で,スレッド数監視の設定をします。
論理J2EEサーバ(j2ee-server)または論理SFOサーバ(sfo-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.watch.threadから始まるパラメタで,スレッド数監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。また,ejbserver.logger.channels.defineから始まるパラメタで,ファイルの面数,サイズを指定します。
スレッドダンプ J2EEサーバ単位またはSFOサーバ単位で,スレッドダンプ監視の設定をします。
論理J2EEサーバ(j2ee-server)または論理SFOサーバ(sfo-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.watch.threaddumpから始まるパラメタで,スレッドダンプ監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。また,ejbserver.logger.channels.defineから始まるパラメタで,ファイルの面数,サイズを指定します。
HTTPリクエスト実行待ちキュー 簡易構築定義ファイル J2EEサーバ単位で,デフォルトの実行待ちキューの場合のHTTPリクエスト実行待ちキュー監視の設定をします。
論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.watch.defaultRequestQueueから始まるパラメタで,HTTPリクエスト実行待ちキュー監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。また,ejbserver.logger.channels.defineから始まるパラメタで,ファイルの面数,サイズを指定します。
サーバ管理コマンド J2EEアプリケーション単位で,Webアプリケーションごとの実行待ちキューの場合のHTTPリクエスト実行待ちキュー監視の設定をします。
WAR属性ファイルの<thread-control>タグの<resource-watcher>タグ下にある<watcher-enabled>,<watcher-threshold>,<watcher-interval>,<watcher-writefile-enabled>タグで,HTTPリクエスト実行待ちキュー監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。サーバ管理コマンドのcjgetapppropコマンドでWAR属性ファイルを取得し,ファイル編集後に,cjsetapppropコマンドで編集内容を反映させてください。
セッション数 サーバ管理コマンド J2EEアプリケーション単位でセッション数監視の設定をします。
WAR属性ファイルの<http-session>タグの<resource-watcher>タグ下にある<watcher-enabled>,<watcher-threshold>,<watcher-interval>,<watcher-writefile-enabled>タグで,セッション数監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。サーバ管理コマンドのcjgetapppropコマンドでWAR属性ファイルを取得し,ファイル編集後に,cjsetapppropコマンドで編集内容を反映させてください。
簡易構築定義ファイル J2EEサーバ単位で,リソース枯渇監視ログファイルの面数,サイズを指定します。
コネクションプール サーバ管理コマンド リソースアダプタ単位でコネクションプール監視の設定をします。
Connector属性ファイルの<property-name>タグとして指定する<WatchEnabled>,<WatchThreshold>,<WatchInterval>,<WatchWriteFileEnabled>タグで,コネクションプール監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。
リソースアダプタをデプロイしたあとで,サーバ管理コマンドのcjgetrarpropコマンドでConnector属性ファイルを取得し,ファイル編集後に,cjsetrarpropコマンドで編集内容を反映してください。※2
簡易構築定義ファイル J2EEサーバ単位で,リソース枯渇監視ログファイルの面数,サイズを指定します。

注※1 メモリ監視をする場合は,論理J2EEサーバ(j2ee-server)または論理SFOサーバ(sfo-server)の<configuration>タグ内で,JavaVM起動パラメタを定義します。JavaVM起動パラメタには,-XX:PermSizeと-XX:MaxPermSizeを指定し,メモリサイズは同じにすることをお勧めします。メモリサイズに異なる値を指定した場合,Permanent領域の領域拡張でもアラートが出力されることがあります。JavaVM起動パラメタの指定内容を次に示します。

<param-name>タグ
add.jvm.arg

<param-value>タグ

また,フルガーベージコレクションの予兆検知をするためには,JavaVMのOld領域,New領域のサイズをチューニングする必要があります。

注※2 リソースアダプタをデプロイする前にプロパティを定義する場合は,cjgetrespropコマンドとcjsetrespropコマンドを使用してください。


なお,リソース枯渇監視ログファイルのファイルの面数,サイズは,簡易構築定義ファイルの次に示すパラメタで指定します。

これらのパラメタの監視リソース名には,リソース種別ごとのチャネル名を指定します。