Cosminexus 機能解説

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17.10.2 性能解析トレースの仕組み

性能解析トレースでは,システム内部のイベント単位で,複数のノードおよびプロセス間にわたるトレース情報を取得できます。これによって,一連の処理の中で,どの処理がボトルネックになっているかをトレースできます。

イベント単位でトレースを取得するために,性能解析トレースでは,イベント単位の一連の処理に一貫したキーを設定して管理します。イベント内のトレース取得ポイントで出力するトレースには,キーの情報が付加されます。これによって,一連の処理がトレースできます。

図17-14 性能解析トレースによるトレース出力の概要

[図データ]

なお,トレースを出力するリダイレクタ,Webコンテナなどを,機能レイヤといいます。性能解析トレースでは,次の機能レイヤで性能解析情報を出力します。アプリケーションの実行環境と該当する機能レイヤを次の表に示します。

表17-9 アプリケーションの実行環境と該当する機能レイヤ

機能レイヤ アプリケーションの実行環境
J2EEアプリケーションの実行環境 バッチアプリケーションの実行環境
CTM
リダイレクタ
Webコンテナ
EJBコンテナ
Timer Service
JNDI
JTA
JCAコンテナ
DB Connector
RMI(通信処理)
OTS
標準出力/標準エラー出力/ユーザログ
DI
バッチアプリケーション実行機能

(凡例)○:該当する −:該当しない

注※ トレース情報は,バッチアプリケーションの実行直前(mainメソッドを呼ぶ直前),およびバッチアプリケーション終了直後に出力されます。cjexecjobコマンドおよびcjkilljobコマンドの実行では出力されません。


また,性能解析トレースでは,これらの機能レイヤのほかに,J2EEサーバの開始処理,終了処理,トランザクションタイムアウト発生時,およびセッションの生成/破棄でもトレースを出力します。

参考
これらの機能レイヤのほか,Application Serverの構成ソフトウェアおよび関連プログラムでも,次の機能レイヤでPRFトレースが取得できます。
  • Cosminexus Web Services - Base
  • uCosminexus TP1 Connector
  • TP1/Client/J
  • TP1/MQ Access
  • Cosminexus RM
  • HCSCサーバ
  • uCosminexus Service Adapter for Object Access
  • uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow
  • uCosminexus Service Adapter for Flat Files

トレース情報のキー情報は,次の要素で構成されています。

キー情報の構成
  • キー情報を取得したプロセスID
  • キー情報を取得したプロセスが起動しているホストのIPアドレス
  • PRFトレースのI/Oプロセス(PRFデーモン)単位で割り当てられる通信番号
    なお,PRFデーモンが起動していない場合は,通信番号として時刻が返却されます。ただし,この場合,通信番号の一意性を保てないおそれがあるので,PRFデーモンは必ず起動してください。

PRFトレースには,次の2種類のキー情報が付与されます。