Cosminexus 機能解説

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17.10.1 性能解析トレースの概要

性能解析トレースは,クライアントからデータベースなどのEISに至るまで,およびその処理結果がクライアントに返却されるまでのリクエストの一連の処理で出力されるトレース情報を基に,システムの性能を検証する機能です。システムのボトルネックを解析したり,障害が発生した場合にリクエストの処理がどこまで到達したかを調べてトラブルシュートの効率向上を図ったり,セッションやグローバルセッション情報のライフサイクルを把握したりできます。

Cosminexusシステムでは,処理性能の解析に,Cosminexus Performance Tracerという構成ソフトウェアを使用します。

性能解析トレースのトレース情報収集の概要を,次の図に示します。

図17-13 性能解析トレースのトレース情報収集の概要

[図データ]

WebクライアントまたはEJBクライアントからリクエストが送信された場合に,Webサーバ,J2EEサーバおよびCTMでは決まった処理のポイントでトレース情報を出力します。出力した情報は,PRFデーモンによって,トレースファイル(PRFトレースファイル)に出力されます。トレースが出力されるポイントを,トレース取得ポイントといいます。

Management Serverを利用して運用している場合,各ホストに出力されたトレースファイルの内容は,Management Serverの運用管理コマンド(mngsvrutil)で,管理サーバに一括収集できます。なお,PRFデーモンが出力したPRFトレースファイルは,バイナリ形式のファイルです。Management Serverでは,運用管理エージェントに指示を出し,PRFトレースファイルをテキスト(CSV)形式のファイルに編集して,それを圧縮したものを収集します。Management Serverで収集できるのは,運用管理ドメイン内のホストで出力されたPRFトレースです。

なお,テキスト形式に編集したトレースファイルを性能解析トレースファイルといいます。

運用管理者は,収集した性能解析トレースファイルを基に,運用管理ドメイン内全体の性能解析およびボトルネックの分析ができるようになります。

運用管理コマンドの詳細については,マニュアル「Cosminexus リファレンス コマンド編」を参照してください。また,性能解析トレースの運用については,マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」を参照してください。