J2EEアプリケーションの運用機能の概要について説明します。
- J2EEアプリケーションのリクエストの同時実行数の動的変更
Webアプリケーション単位の同時実行数とCTMの同時実行数を,J2EEサーバ起動後,J2EEアプリケーションの運用中に動的に変更できます。
- J2EEアプリケーション実行時間の監視とキャンセル
J2EEアプリケーションの実行時間の監視では,EJBおよびWebアプリケーションのリクエスト実行時間を監視します。この機能によって,J2EEアプリケーションで障害を検知すると,一定時間内に終了しなかったメソッド処理をタイムアウトしたり,メソッド処理をキャンセルしたりできます。
- J2EEアプリケーションのサービスの閉塞
J2EEアプリケーションのサービスを閉塞することで,業務時間外やシステムのメンテナンス時にサービスを停止できます。
- J2EEアプリケーションの停止
J2EEアプリケーションの停止には,通常停止と強制停止があります。処理中のリクエストが終了しないなどの原因で通常停止ができない場合,強制停止を実行すると処理中のリクエストが終了するので,通常停止ができるようになります。
- J2EEアプリケーションの入れ替え
J2EEアプリケーションを入れ替えるには,Webアプリケーションのサービスを部分的に閉塞して入れ替える方法と,リデプロイ機能を使用して入れ替える方法,リロード機能を使用して入れ替える方法があります。これらの方法を利用することで,サービスを停止することなく,またはサービスの停止期間を最小限に抑えて,J2EEアプリケーションを入れ替えることができます。
- J2EEアプリケーションのテスト機能
テストモードとは,J2EEアプリケーション実行の動作モードの一つです。テストモードでJ2EEアプリケーションを実行すると,稼働中のJ2EEサーバ上でテスト用としてJ2EEアプリケーションを動作させることができるので,本番環境と同じ環境でテストを実施できます。また,テスト後は容易に本番環境に移行できます。
J2EEアプリケーションの運用機能の目的,およびJ2EE標準との対応について,次の表に示します。
表2-14 J2EEアプリケーションの運用機能の目的およびJ2EE標準との対応
機能名 |
目的 |
J2EE標準への準拠 |
参照先 |
信頼性 |
性能 |
運用・
保守 |
拡張性 |
そのほか |
J2EE標準 |
拡張 |
J2EEアプリケーションのリクエストの同時実行数の動的変更 |
− |
○ |
− |
− |
− |
− |
○ |
19.2 |
J2EEアプリケーション実行時間の監視とキャンセル |
− |
− |
○ |
− |
− |
− |
○ |
19.3 |
J2EEアプリケーションのサービスの閉塞 |
− |
− |
○ |
− |
− |
− |
○ |
19.4 |
J2EEアプリケーションの停止 |
− |
− |
○ |
− |
− |
○ |
○ |
19.5 |
J2EEアプリケーションの入れ替え |
− |
− |
○ |
− |
− |
○ |
○ |
19.6 |
J2EEアプリケーションのテスト機能 |
− |
− |
○ |
− |
− |
− |
○ |
19.7 |
(凡例) ○:対応する −:対応しない
- 注
- 表中の項目「J2EE標準」と「拡張」の両方に○が付いている機能は,J2EE標準の機能にApplication Server独自の機能が拡張されていることを示します。「拡張」だけに○が付いている機能はApplication Server独自の機能であることを示します。
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