Cosminexus 機能解説
Application Serverを使用して構築したシステムはデータベースと連携できます。連携できるデータベースは次のとおりです。
- HiRDB
- Oracle
- SQL Server
- XDM/RD E2
Cosminexusではこれらのデータベースと接続するためのリソースアダプタを提供しています。
データベース接続については,「9. リソース接続とトランザクション管理」を参照してください。
Application Serverを使用して構築したシステムは,統合システム運用管理用ミドルウェアJP1と連携することで,さらに高い運用性を持つシステムになります。
JP1は,ジョブ管理,アベイラビリティ管理,ネットワーク管理など,システム運用に必要なさまざまな機能を統合管理できるミドルウェアです。JP1と連携すると,CosminexusシステムをJP1による統合運用管理の対象にできます。これによって,ほかの業務システムと統合した環境で,Cosminexusシステムの障害監視や稼働性能監視をしたり,サーバやアプリケーションの起動/停止を自動化したりできるようになります。
JP1と連携すると,次のような運用ができるようになります。
- システムの集中監視
JP1/IMと連携して,Cosminexusシステムを含めたシステム全体の監視ができるようになります。集中監視では,障害が発生した場合や,あらかじめ指定しておいたしきい値を超える事象が発生した場合などに,運用管理者に自動アクションで通知するように設定できます。
- システムの構成定義および管理
JP1/IM - CMと連携して,ユーザの視点で業務システムの構成を定義したり,定義した構成情報を管理したりできます。システム全体に散在する各種リソースの情報を集中して管理することで,システム構成に関する情報を統合管理できます。
なお,JP1/IM - CMと連携できるのは,Cosminexusで提供するSmart Composer機能を使用してシステムを構築する場合だけです。
- カスタムジョブによるシステムの自動運転
JP1/AJS2と連携して,Cosminexusシステムの論理サーバやJ2EEアプリケーションの起動や停止のスケジュールをカスタムジョブに定義することで,システムの運用を自動化できます。これによって,日常運用に掛かる手間を削減できるほか,システムが空いている時間に処理ができるようになります。
また,システムに負荷を掛ける処理については,夜間にバッチで実行するなどして,システムリソースを有効に活用できます。JP1/AJS2と連携して,Cosminexusシステムの論理サーバやバッチアプリケーションの開始のスケジュールをカスタムジョブに定義することで,バッチアプリケーションの自動実行ができます。これによって,バッチ処理に掛かる手間を削減できます。
- シナリオによるシステムの自動運転
JP1/AJS2 - SOと連携して,Cosminexusシステムの論理サーバやJ2EEアプリケーションの起動や停止のスケジュールをシナリオに定義することで,システムの運用を自動化できます。
なお,シナリオによるシステムの自動運転をする場合は,Smart Composer機能を使用して構築したシステムが前提となります。Cosminexusが提供するシナリオテンプレートを使用することで,Smart Composer機能を使用して構築したシステムの自動運転の定義が容易にできるようになります。
- 監査ログの収集と一元管理
JP1/NETM/Auditと連携して,Cosminexusが出力する監査ログを自動で収集,および一元管理できます。
JP1連携の詳細な内容については,「21. JP1と連携したシステムの運用」を参照してください。
Cosminexusシステムでは,クラスタソフトウェアと連携することで,Cosminexusシステムの信頼性や稼働率を向上できます。
クラスタソフトウェアは,システムを監視し,障害発生時などにサーバプログラムを含めたシステムの系切り替えを実行します。クラスタソフトウェアと連携すると,実行中のサーバシステムに障害が発生した場合,直ちに待機させておいたサーバシステムに自動的に切り替えることができます。これによって,障害によるサーバの不稼働時間を短縮でき,業務処理の中断を最小限に抑えることができます。
クラスタソフトウェアと連携すると,次の運用ができるようになります。
- 実行系と待機系を1:1で運用するシステム
実行系のサーバと待機系のサーバが1:1で対応しているシステムです。これを1:1系切り替えシステムといいます。Cosminexusでは,アプリケーションサーバの1:1系切り替えシステムでの運用と,運用管理サーバの1:1系切り替えシステムでの運用をサポートしています。
1:1系切り替えシステムでは,実行系サーバの障害発生時やサーバを保守するときなどに,実行中のサーバをあらかじめ待機させておいたサーバに切り替えることができます。切り替えは,オペレータが意識することなく,自動でできます。
- 相互スタンバイで運用するシステム
2台のアプリケーションサーバが現用系として動作しながら,互いの予備系になる構成です。どちらか一方のアプリケーションサーバに障害が発生すると,他方のアプリケーションサーバに自動的に処理が引き継がれます。これを相互系切り替えシステムといいます。Cosminexusでは,アプリケーションサーバの相互系切り替えシステムでの運用をサポートしています。
- 待機系をリカバリ専用サーバとして運用するシステム
クラスタ構成となっているN台の実行系アプリケーションサーバに対して,1台のリカバリ専用サーバを待機系として配置したシステムです。これをN:1リカバリシステムといいます。
N:1リカバリシステムでは,クラスタ構成の実行系のアプリケーションサーバで障害が発生したときに,障害が発生したアプリケーションサーバの仕掛かり中のトランザクションを,待機系のリカバリ専用サーバで決着することができます。
Cosminexusでは,Microsoft Cluster Service,またはHAモニタと連携したシステムの運用をサポートしています。Cosminexusがサポートするクラスタソフトウェアと実行環境のOSとの対応を次の表に示します。
表1-1 Cosminexusがサポートするクラスタソフトウェアと実行環境のOSとの対応
クラスタソフトウェア |
実行環境のOS種別 |
Windows※ |
AIX |
HP-UX |
Linux |
Solaris |
Microsoft Cluster Service |
○ |
× |
× |
× |
× |
HAモニタ |
× |
○ |
○ |
○ |
× |
(凡例) ○:使用できる ×:使用できない
注※ Microsoft Cluster Serviceと連携する場合,Windows Server 2003 Enterprise Edition,Windows Server 2003 R2 Enterprise Edition,Windows Server 2003 Enterprise x64 Edition,またはWindows Server 2003 R2 Enterprise x64 Editionが前提OSとなります。
クラスタソフトウェアとの連携の詳細な内容については,「22. クラスタソフトウェアと連携したシステムの運用」を参照してください。
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