JP1 Version 8 JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)

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2.5.3 操作履歴の取得

クライアントで操作されるソフトウェアおよびファイルの情報を取得し,監視結果として配布管理システムに通知します。

操作履歴を取得したい場合は,取得するイベントを稼働監視ポリシーに設定する必要があります。操作履歴として取得できるイベントの種類を次の表に示します。

表2-12 操作履歴を取得できるイベントの種類

イベント 操作対象 説明
プロセスの起動 ソフトウェア プログラムの起動時のイベント
プロセスの停止 プログラムの停止時のイベント
キャプションの変更※1※2※3 ウィンドウタイトルの変更時のイベント
アクティブウィンドウの変更※1※2 アクティブウィンドウの切り替え時のイベント
マシンの起動/停止 PCの起動または停止時のイベント
ログオン/ログオフ※4 ログオンまたはログオフ時のイベント
Webアクセス Microsoft Internet ExplorerでのWebページのダウンロード終了時のイベント
印刷操作※5 ソフトウェアからの印刷実行時のイベント
外部メディア操作 外部メディアの接続および切断時のイベント
ファイル操作※1 ファイル Windowsのエクスプローラ上でのファイル操作のイベント
注※1
クライアントのOSがWindows Server 2008またはWindows Vistaの場合,最初にログインしたユーザの情報だけを取得できます。
注※2
クライアントのOSがWindows Server 2008またはWindows Vistaの場合,ユーザ権限が昇格されたプロセスのキャプションおよびアクティブウィンドウの変更イベントを取得できません。
注※3
JavaやVisual Basicで作成されたソフトウェアは,キャプションの変更イベントを取得できない場合があります。
注※4
クライアントのOSがWindows Server 2008またはWindows Vistaの場合,ログオフの操作履歴を取得するためには,「Terminal Services」サービスを停止しないでください。
注※5
仮想プリンタの場合,印刷抑止ログが出力されていても,印刷を抑止できていないことがあります。

次から,取得する情報の詳細について説明します。

<この項の構成>
(1) ソフトウェアの操作履歴として取得する情報
(2) Webアクセスの履歴として取得する情報
(3) 印刷操作の履歴として取得する情報
(4) 外部メディア操作の履歴として取得する情報
(5) ファイルの操作履歴として取得する情報
(6) 操作履歴格納ディレクトリの指定方法

(1) ソフトウェアの操作履歴として取得する情報

ソフトウェアの操作履歴は,発生したイベントによって取得する情報が異なります。取得する情報を次の表に示します。

表2-13 ソフトウェアの操作履歴として取得する情報

イベント 日時 種別 ログオンユーザ ウィンドウタイトル プログラム名 ファイルバージョン アカウント
プロセスの起動 ×
プロセスの停止 ×
キャプションの変更
アクティブウィンドウの変更
マシンの起動/停止 × × × × ×
ログオン/ログオフ × × × ×

(凡例)○:取得する ×:取得しない

注※
クライアントのOSがWindows Server 2008またはWindows Vistaの場合,最初にログインしたユーザの情報が取得されます。
また,ターミナルサービス,ユーザの簡易切り替え機能,およびリモートデスクトップを使用してログインした場合は取得されません。

(2) Webアクセスの履歴として取得する情報

Webアクセスの履歴として取得する情報を次に示します。

Webアクセスログを取得する場合の注意事項

(3) 印刷操作の履歴として取得する情報

印刷操作の履歴は,発生したイベントによって取得する情報が異なります。印刷操作の履歴として取得する情報を次の表に示します。

表2-14 印刷操作の履歴として取得する情報

イベント 実行日時 種別 ドキュメント名 ログオンユーザ 使用プリンタ名 結果
印刷 ×
印刷抑止 ×
印刷抑止解除 × ×

(凡例)○:取得する ×:取得しない


(4) 外部メディア操作の履歴として取得する情報

外部メディア操作の履歴として取得する情報を次に示します。

外部メディア操作の履歴を取得する場合の注意事項

(5) ファイルの操作履歴として取得する情報

「ファイル操作」のイベントは,ファイルまたはフォルダに対して次に示す操作を実行したときに発生します。

これらの操作は,それぞれで操作履歴として取得する情報が異なります。取得する情報を次の表に示します。

表2-15 ファイルの操作履歴として取得する情報

操作 日時 種別 ログオンユーザ ドライブ種別 ファイル名 変更後ドライブ種別 変更後ファイル名 プログラム名 アカウント
コピー
移動
名前の変更 ×
削除 × ×
作成 × ×
ファイルを開く × ×

(凡例)○:取得する ×:取得しない

注※ OSがWindows Server 2008またはWindows Vistaのクライアントの場合,ファイルを開く操作の履歴は取得できません。


(a) ファイルの操作履歴を取得する場合の注意事項

ファイルの操作履歴を取得するときは,次の点に注意してください。

(b) OSがWindows Server 2008またはWindows Vistaのクライアントからファイルの操作履歴を取得する場合の注意事項

OSがWindows Server 2008またはWindows Vistaのクライアントからファイルの操作履歴を取得する場合,(a)で説明した注意事項に加えて,次の注意事項があります。

また,履歴を取得できる操作ごとの注意事項を次に示します。

「コピー」の操作履歴を取得する場合の注意事項

「移動」の操作履歴を取得する場合の注意事項

「名前の変更」の操作履歴を取得する場合の注意事項

「削除」の操作履歴を取得する場合の注意事項

多数のファイルまたはフォルダの移動時に,ファイルの上書き確認で「移動して置換」,または「移動するが両方のファイルを保持する」を選択した場合,ファイルの移動の履歴ではなく,ファイルのコピーおよび削除,もしくはファイルのコピーとして履歴が取得されることがあります。

(6) 操作履歴格納ディレクトリの指定方法

取得するイベントの選択にも左右されますが,操作履歴はサイズが大きくなります。そのため,JP1/NETM/DM Managerのインストール時には,容量に余裕のあるドライブを,操作履歴を格納するディレクトリ(操作履歴格納ディレクトリ)に指定する必要があります。

また,操作履歴は,操作履歴格納ディレクトリに格納している操作履歴のサイズが指定した値を超えたら,ほかのディレクトリ(操作履歴退避ディレクトリ)に退避できます。

これらの,操作履歴格納ディレクトリおよび操作履歴退避ディレクトリには,ローカルドライブ(クラスタ環境での共有ディスクを含む)だけでなくWindows Powered NASなどのネットワークドライブを指定することもできます。アクセスする頻度の高い操作履歴格納ディレクトリには容量に余裕のあるローカルドライブを,アクセスする頻度の低い操作履歴退避ディレクトリには容量に余裕のあるネットワークドライブを指定することをお勧めします。

ただし,ネットワークドライブを指定する場合は,一つの認証情報でネットワークドライブに接続できる環境が必要です。次に示すすべての権限を持つ認証情報(ユーザIDおよびパスワード)を用意してください。

また,ネットワークドライブについては,JP1/NETM/DM Managerがインストールされているマシンと同じドメインまたはワークグループのドライブを指定することをお勧めします。それ以外の場合では,認証に時間が掛かるおそれがあります。