JP1 Version 8 JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)
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(1) ジョブを実行してインベントリ情報を取得する
配布管理システムから次に示すジョブを実行して,システム情報,ソフトウェア情報,およびユーザインベントリ情報を取得できます。
- 「システム情報の取得」ジョブ
システム情報(システム情報およびレジストリ情報),およびユーザインベントリ情報を取得します。
- 「ソフトウェア情報の取得」ジョブ
ソフトウェア情報を取得します。
- 「ユーザインベントリ情報の取得」ジョブ
ユーザインベントリ情報を取得します。
次に,効果的なインベントリ情報の取得例について説明します。
(a) 定期的にインベントリ情報を取得する
システム情報,ソフトウェア情報,およびユーザインベントリ情報を取得するジョブは,定期的にクライアントで実行させることができます。クライアントでジョブを定期的に実行させる間隔は,ジョブ作成時に[スケジュール]パネルの[詳細設定]ボタンをクリックすると表示される[実行日時の詳細設定]ダイアログボックスで設定します。実行間隔には,「毎日実行」,「毎週実行」または「毎月実行」があります。
図2-9 [実行日時の詳細設定]ダイアログボックス
![[図データ]](FIGURE/FUN0240.GIF)
この機能を使用すると,システム管理者が一度ジョブを設定しておくだけで自動的に配布管理システムで管理しているインベントリ情報が最新の状態に更新されます。
また,「ユーザインベントリ情報の取得」ジョブを実行してユーザインベントリ情報を取得する場合,ジョブを定期的に実行するだけでなく,クライアントユーザがユーザインベントリ情報を更新した時点で,変更した情報を配布管理システムに通知させることができます。この機能を使用すれば,配布管理システムでは常に最新のユーザインベントリ情報を取得できます。
(b) ネットワークおよびリレーショナルデータベースの負荷を軽減してインベントリ情報を取得する
ワイルドカード「*」を使った検索を多数のクライアントに対して実行すると,不要な情報を取得して,ネットワークに大きな負担が掛かり,リレーショナルデータベースを大量に消費することがあります。このような場合に,ソフトウェアインベントリ辞書を使うことで,検索するソフトウェアを絞り込み,ネットワークおよびリレーショナルデータベースの負荷を軽減できます。
ソフトウェアインベントリ辞書を使ってファイルを検索する方法を次に示します。
図2-10 ソフトウェアインベントリ辞書を使ったファイル検索方法
![[図データ]](FIGURE/FUN0250.GIF)
- 管理したいソフトウェアがすでにインストールされているマシン(1台〜数台)に対して,「*」を使ったファイル検索を実行し,ソフトウェアインベントリ辞書を生成する。
ファイル検索で取得したソフトウェア情報が,ソフトウェアインベントリ辞書に登録されます。
- ソフトウェアインベントリ辞書を編集する。
登録されているソフトウェアの中から,管理対象にしたいソフトウェアを選択します。
- インベントリ情報を管理したいすべてのクライアントに対して,手順2.で編集したインベントリ辞書を指定したファイル検索を実行する。
管理対象としたソフトウェアだけを検索するため,ネットワークの負荷が軽くなります。また,不要な情報がリレーショナルデータベースに入るのを防止できます。
「*」を使ったファイル検索の方法については,マニュアル「運用ガイド1」の「3.2.2 [オプション]パネルの設定」を参照してください。また,ソフトウェアインベントリ辞書の編集方法については,マニュアル「運用ガイド1」の「3.2.5 ソフトウェアインベントリ辞書の編集」を参照してください。
(2) 自動的にインベントリ情報を取得する
クライアントの特定のインベントリ情報が更新されたときに,配布管理システムと接続するタイミングでインベントリ情報を通知させて,最新のインベントリ情報を管理できます。ジョブを実行することなくインベントリ情報を取得できるため,効率良くインベントリ情報を管理できます。
更新されたインベントリ情報を自動的に取得する機能について次に示します。
図2-11 更新されたインベントリ情報を自動的に取得する機能
![[図データ]](FIGURE/FUN0260.GIF)
この機能では,システム情報およびソフトウェア情報の一部を取得できます。すべてのシステム情報,ソフトウェア情報,およびユーザインベントリ情報を取得したい場合は,ジョブを実行して取得する必要があります。
インベントリ情報を自動的に上位システムへ通知させる機能,および取得できるインベントリ情報の詳細については,「2.13.4 クライアントからのインベントリ情報の通知」を参照してください。
(3) コマンドを実行してインベントリ情報を取得する
ディレクトリ情報は,ジョブではなくコマンドを実行して取得します。Active Directoryからディレクトリ情報を取得する作業の流れは,次のようになります。
- Active Directoryとの接続に必要な情報,Active Directoryから取得する情報をパラメタファイルに定義する。
ディレクトリ情報を取得するActive Directoryのホスト名,ポート番号などのActive Directoryと接続するための情報およびActive Directoryから取得する項目を,パラメタファイルに定義します。
- 画面に表示する名称をマップファイルに定義する。
Active Directoryから取得した項目を,配布管理システムの画面に表示するときの表示名を,マップファイルに定義します。ここで表示名を定義することで,取得した項目が画面に表示されるようになります。マップファイルには管理しやすい名称を定義するようにしてください。
- ディレクトリ情報の取得コマンド(dcmadsync.exe)を実行する。
このコマンドは,Windowsのタスクスケジューラにタスクとして登録したり,JP1/AJS2と連携したりすることで,定期的に実行できます。Active Directoryの更新のタイミングに合わせて,ディレクトリ情報も更新してください。
ディレクトリ情報を取得する作業の流れを次の図に示します。
図2-12 ディレクトリ情報を取得する作業の流れ
![[図データ]](FIGURE/FUN0275.GIF)
(a) ディレクトリ情報のシステム構成情報との引き当て
Active Directoryから取得したディレクトリ情報は,コンピュータ情報でシステム構成情報と引き当てられます。また,ユーザ情報はコンピュータ情報と引き当てられます。
引き当てには,次に示すキー情報が使用されます。
- システム構成情報とコンピュータ情報の引き当て
システム構成情報のホスト名とコンピュータ情報のDNS名(DNS名がない場合はコンピュータ名)が使用されます。
ただし,DNS名が設定されていて,システム構成情報に該当する情報がない場合は,引き当ては行われません。
- ユーザ情報とコンピュータ情報の引き当て
ユーザのLDAP識別名とコンピュータの管理者の名前が使用されます。
ただし,ユーザ情報とコンピュータ情報の引き当てに使用するキー情報は,パラメタファイルの作成時に変更できます。
システム構成情報と引き当てられなかった場合,引き当てられなかったコンピュータ情報として登録されます。引き当てられなかったコンピュータ情報は,再引き当てが実行されるか,次回ディレクトリ情報を取り込んだ際に取得した情報に更新があった場合に,再度引き当てが行われます。
また,同一名称の複数のクライアントが存在した場合,いちばん先に検索されたクライアントが引き当てられます。意図しないクライアントが引き当てられた場合は,[ディレクトリ情報]ウィンドウから変更してください。[ディレクトリ情報]ウィンドウから引き当てを変更する手順については,マニュアル「運用ガイド1」の「1.3.7 [ディレクトリ情報]ウィンドウ」を参照してください。
(b) ディレクトリ情報取得時の注意事項
- ディレクトリ情報の引き当て対象はクライアントだけです。中継マネージャおよび中継システムは,ディレクトリ情報とは引き当てられません。
- Active Directoryで管理しているパスワードの情報は,取得の対象外です。
- 一度ディレクトリ情報を取り込んだあとで,取得項目やコンピュータとユーザの引き当てキーを変更した場合は,全情報を再度取り込んでください。引き当てキーが変更された場合は,全情報を再度取り込むまでは,ディレクトリ情報の取り込みが行われません。
- オフラインマシンおよび未導入ホストは,ディレクトリ情報とは引き当てられません。
- 取得項目を途中で追加したり削除したりした場合,コンピュータやユーザの情報は,Active Directory上の該当するエントリが更新されるまで,ディレクトリ情報には反映されません。
- Active Directoryから取得したディレクトリ情報に,UNIXのクライアントと同一名称のコンピュータ情報が含まれていた場合,次のように引き当てられます。
- JP1/NETM/DMのシステム全体で,運用キーにホスト識別子を使用する場合,UNIXかどうかが区別されるため,同一名称のコンピュータ情報がディレクトリ情報から取得されても,UNIXのクライアントとは引き当てられません。
- JP1/NETM/DMのシステム全体で,運用キーにIPアドレスを使用する場合,引き当て時にUNIXかどうかの区別ができないため,同一名称のコンピュータ情報がディレクトリ情報から取得されたときは引き当てられます。
- 複数のユーザが引き当たった場合は,いちばん先に引き当たったユーザが引き当てられます。ユーザ情報が更新されて,新しい引き当て先のコンピュータ情報に別のユーザが引き当てられていた場合は,更新されたユーザ情報で上書きされます。
- ディレクトリ情報を取得するには,運用キーにホスト名を使用するか,または運用キーにIPアドレスを使用する場合でもホスト名の入力を必須としてください。
- Active Directoryから取得できるLDAP識別名(Distinguished Name)や属性値の最大サイズは2,000バイトまでです。LDAP識別名が2,000バイト以上のOUをあて先として指定した場合,ジョブが正しく実行されないことがあります。
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