JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド
まず,システム運用の要件に沿って,JP1/IMのシステムを構築します。
JP1/IMのセットアップをしたあと,運用要件に合わせて,[監視ツリー]画面や[ビジュアル監視]画面を作成します。なお,これらの監視画面は,ビューアーのホストで[監視ツリー(編集中)]画面や[ビジュアル監視(編集中)]画面を使って編集します。編集した監視画面が完成したらJP1/IMマネージャーへ接続して,変更を反映します。
- <この項の構成>
- (1) [監視ツリー]画面の作成
- (2) [監視ツリー]画面のカスタマイズ
- (3) [ビジュアル監視]画面の作成
- (4) 自動アクションの設定
(1) [監視ツリー]画面の作成
[監視ツリー]画面を作成します。
[監視ツリー]画面に表示する監視ツリーは,[ツリーの自動生成]によって自動的に生成できます。また,システム構成を変更した場合,自動生成の画面で[差分]を選択することによって,追加されたサーバなどの差分情報を抽出できます。
図2-7 監視ツリーの自動生成
[自動生成−構成選択]画面の生成ツリーからテンプレートを選択すると,指定したマネージャーに関連する各サーバから定義情報を自動的に収集します。収集した情報は,テンプレートに合わせて自動的に監視ツリーを生成します。
提供されている生成ツリーのテンプレートには次のものがあります。
表2-1 監視ツリーのテンプレート
生成ツリーの名称 説明 業務指向ツリー 業務指向でシステムを監視するテンプレートです。
JP1/AJS2のジョブネット構成およびCosminexusの論理サーバ構成を基にした監視ツリーを生成します。
一般に,ジョブネットはジョブ運用を体系化して定義します。また,論理サーバはWebシステムで使用するアプリケーションを体系化して定義します。このため,業務運用を反映した監視ツリーが生成されます。サーバ指向ツリー サーバ指向でシステムを監視するテンプレートです。
JP1/IMの階層構成を基にした監視ツリーを生成します。
一般に,JP1/IMでは各サーバの管理範囲を階層構成として定義するため,サーバ管理方法を反映した監視ツリーが生成されます。システム構成ツリー JP1/IM - Central Information Masterで構成定義したシステムを監視するテンプレートです。
JP1/IM - Central Information Masterの構成定義情報を基にした監視ツリーを生成します。
論理システム構成でツリーを表現するツリー種別で,JP1/IM - Central Information Masterからの情報だけで監視ツリーが生成されます。この例では,JP1/AJS2によるジョブ運用を視点として運用監視をするため,「業務指向ツリー」のテンプレートによって,監視ツリーを自動生成します。
(2) [監視ツリー]画面のカスタマイズ
自動生成した監視ツリーを,運用要件に合わせてカスタマイズします。
この例のシステム構成では,DBサーバに障害が発生すると,業務マスタデータが使用できないため受注DB更新ジョブなどが影響を受けます。しかし,このようなジョブと使用するDBの関係などはジョブネットには定義されていないため,自動生成された監視ツリーでは定義されていません。
図2-8 監視ツリーのカスタマイズ
データを一括管理するDBサーバで障害が起きたときに,DBを使う業務の監視グループの影響があると予測できるように,DBサーバの監視オブジェクトを追加します。追加する個所は,DBサーバ障害の影響範囲のうち最上位の監視グループにします。
このように,自動生成した監視ツリーを,業務やシステム構成を検討して,より細かな運用監視ができるようにカスタマイズしてください。
(3) [ビジュアル監視]画面の作成
重点的に監視が必要なポイントがある場合などは,[ビジュアル監視]画面を作成します。
図2-9 [ビジュアル監視]画面の例
[ビジュアル監視]画面は,業務構成図や地図などの任意の画像の上に,監視オブジェクトを配置して作成します。
監視目的に合わせて直感的に監視できますので,監視業務を効率化できます。
(4) 自動アクションの設定
問題が発生した時に,システム管理者に通知するよう自動アクションを設定します。
この例では,メール送信コマンドなどを実行するように定義します。
設定に当たっては,通知が必要なJP1イベントの選択と,通知する内容を十分に検討してください。通知は,システム管理者の負担を考えて,迅速な対処が必要なJP1イベントに限定します。
また,通知によって状況がわかるよう,JP1イベントに含まれる情報を通知するよう設定します。JP1イベントに対する自動アクションではエラーメッセージなど,監視ツリー上の監視グループに対する自動アクションではグループ名などを,自動アクションの情報として使うことができます。
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