Replication Manager Software Application Agent CLI リファレンスガイド

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2.8.4 drmexgrestore(バックアップしたExchangeデータベースを正ボリュームにリストアする)

書式

ストレージグループ単位でリストアする場合(Exchange Server 2003)

drmexgrestore バックアップID -resync 
              [ -target ストレージグループ名 | -f 一括定義ファイル名 ]
              [ -force ] [ -recovery ]
              [ -pf コピーパラメーター定義ファイル]
              [ -vf VSS定義ファイル名 ]

VSSを使用したバックアップデータをインフォメーションストア単位でリストアする場合(Exchange Server 2003)

drmexgrestore バックアップID -resync -recovery
             { -target ストレージグループ名\インフォメーションストア名 | -f 一括定義ファイル }
             [ -force ] [ -pf コピーパラメーター定義ファイル ]
             [ -vf VSS定義ファイル名 ]

ストレージグループ単位でリストアする場合(Exchange Server 2007)

drmexgrestore バックアップID -resync
             [ -target ストレージグループ名,… | -f 一括定義ファイル名 ]
             [ -force ] [ -recovery ]
             [ -vf VSS定義ファイル名] 
             [ -ef Exchange環境設定ファイル名 ]

VSSを使用したバックアップデータをインフォメーションストア単位でリストアする場合(Exchange Server 2007)

drmexgrestore バックアップID -resync -recovery
             [ -target ストレージグループ名\インフォメーションストア名,… | -f 定義ファイル名 ]
             [ -force ]
             [ -vf VSS定義ファイル名]
             [ -ef Exchange環境設定ファイル名 ]

インフォメーションストア単位でリストアする場合(Exchange Server 2010またはExchange Server 2013)

drmexgrestore バックアップID -resync
             [ -target インフォメーションストア名,… | -f 一括定義ファイル名 ]
             [ -force ] [ -recovery ]
             [ -vf VSS定義ファイル名] 
             [ -ef Exchange環境設定ファイル名 ]

説明

バックアップIDで指定された副ボリュームのバックアップデータを,ディスクの再同期で正ボリュームにリストアします。

VSSを使用してバックアップした結果をリストアする場合には,バックアップサーバでProtection Managerサービスが稼働している必要があります。

バックアップデータをリストアすることで,データベースはバックアップしたときの状態に戻ります。-recoveryオプションを指定してコマンドを実行した場合,リストアされたあと,リカバリされ,データベースは最新の状態になります。

データベースが複数のボリュームから構成されていた場合,データベースを構成するすべてのボリュームを順番にリストアします。

次に,非クラスタ環境でリストアするときのコマンドの動作を説明します。

  1. リストアされるデータベースがマウントされていた場合,データベースは自動的にアンマウントされます。
    ファイルシステムのアンマウントに失敗した場合は,エラーメッセージが表示され,リストア処理はエラーになります。
  2. データベースが正常に停止され,ファイルシステムが正常にアンマウントされたことを確認したあと,ディスクの再同期で副ボリュームから正ボリュームにバックアップデータがリストアされます。
  3. 手順1.でファイルシステムをアンマウントした場合,ファイルシステムがマウントされます。
    手順1.であらかじめファイルシステムがアンマウントされていた場合,ファイルシステムはマウントされません。
  4. 手順1.でアンマウントしたデータベースをマウントします。

次に,クラスタ構成でリストアするときのコマンドの動作を説明します。クラスタ構成でリストアをする場合,リストア対象のストレージグループを含むクラスタグループがオンラインになっている必要があります。クラスタグループがオンラインではないときにリストアを実行した場合,リストア処理はエラーになります。また,ストレージグループを含むクラスタリソースがオフラインになるため,リストア対象のストレージグループは一時的に使用できなくなります。

  1. リストアされるストレージグループのディスクリソースが自動的にオフラインにされます。
    オフラインにされるディスクリソースに依存しているクラスタリソースがある場合,それらのクラスタリソースも自動的にオフラインにされます。ディスクリソースのオフラインに失敗した場合は,エラーメッセージが表示され,リストア処理はエラーになります。
  2. ディスクリソースが正常にオフラインになったことを確認したあと,ディスクの再同期で,副ボリュームから正ボリュームにバックアップデータがリストアされます。
  3. ディスクリソースがオンラインにされます。
    ディスクリソースをオフラインにする契機でオフラインにされたクラスタリソースがある場合,それらもオンラインにされます。

Application Agentの構成定義ファイル(init.conf)でCLU_MSCS_RESTOREONLINEが設定されている場合,クラスタリソースがオンライン状態でのリストアができます。

正ボリューム上のデータは,バックアップ時点での副ボリュームのディスクイメージで上書きされます。したがって,バックアップ後に正ボリューム上に新規に作成したり,更新したりしたデータはすべて無効となります。

引数

バックアップID

リストアするバックアップデータのバックアップIDを指定します。バックアップIDとは,バックアップデータを一意に識別するためのIDで,バックアップ時に,バックアップカタログに登録されます。バックアップIDを確認するにはdrmexgcatコマンドを実行します。

-resync

正ボリュームと副ボリュームを再同期することでリストアします。正ボリュームの内容は,副ボリュームのバックアップデータと同じになります。

-target ストレージグループ名

特定のストレージグループに関するデータベースをリストアする場合に指定します。

複数のストレージグループ名を指定する場合は,コンマで区切って指定します。ストレージグループ名に空白が含まれている場合は,名称全体を引用符で囲みます。

このオプションを省略した場合は,コマンドを実行したサーバ上のすべてのストレージグループがリストアされます。

-target インフォメーションストア名

特定のインフォメーションストアに関するデータベースをリストアする場合に指定します。

複数のインフォメーションストア名を指定する場合は,コンマで区切って指定します。インフォメーションストア名に空白が含まれている場合は,名称全体を引用符で囲みます。

このオプションを省略した場合は,コマンドを実行したサーバ上のすべてのインフォメーションストアがリストアされます。

-target ストレージグループ名\インフォメーションストア名

Exchange Server 2003またはExchange Server 2007で,VSSを使用して取得したバックアップデータを,インフォメーションストア名を指定してリストアする場合に指定します。インフォメーションストア名は,ストレージグループ名のあとに区切り記号の「\」を記述してから指定します。VSSを使用して取得したバックアップデータ以外のバックアップデータに対してこのインフォメーションストア名を指定した場合はエラーとなります。

複数のインフォメーションストア名を指定する場合は,コンマで区切って指定します。インフォメーションストア名に空白が含まれている場合は,名称全体を引用符で囲みます。指定されたインフォメーションストア名は大文字と小文字を区別しません。

このオプションを省略した場合は,コマンドを実行したサーバ上のすべてのストレージグループがリストアされます。

-f 一括定義ファイル名

-targetオプションと同様,特定のストレージグループまたはインフォメーションストアをリストアする場合に指定します。-targetオプションと異なり,リストアするストレージグループまたはインフォメーションストアの一覧を記述した定義ファイルをあらかじめ作成しておき,そのファイルの名称を指定することで,リストアするストレージグループまたはインフォメーションストアを一度に指定できます。一括定義ファイル名は絶対パスで指定します。

なお,Exchange Server 2003またはExchange Server 2007で,VSSを使用して取得したバックアップデータをインフォメーションストア単位でリストアする場合は,-targetオプションと同様に,ストレージグループ名のあとに「\インフォメーションストア名」と記述した一括定義ファイルを作成し,その一括定義ファイル名を指定してください。

-force

正ボリュームと副ボリュームを強制的に再同期することで,リストアする場合に指定します。このオプションを指定すると,データベースサーバでバックアップを実行したときに取得した正ボリュームのコピーグループ名がデータベースサーバの情報と一致していれば,LDEV番号またはSERIAL番号がバックアップ時の番号と一致していない場合にも強制的に再同期します。このオプションは,ボリュームを入れ替えてLDEV番号が変わった場合など,-resyncオプションを指定しただけでは再同期でリストアできないときにだけ指定してください。通常のリストアでこのオプションを指定した場合,データが破壊されるおそれがあります。

-recovery

ロールフォワードによるリカバリを実行する場合に指定します。コマンドを実行すると,バックアップしたあとのトランザクションが復元され,データベースは最新の状態に戻ります。ただし,バックアップしたときからコマンドを実行するときまでのトランザクションログが,すべて正常にExchange Serverに格納されていることが前提になります。このオプションを省略した場合は,データベースはバックアップしたときの状態に戻ります。

Exchange Server 2003またはExchange Server 2007で,VSSを使用して取得したバックアップデータをインフォメーションストア単位でリストアする場合,このオプションは必須です。-targetオプションまたは-fオプションでインフォメーションストア名を指定する場合,-recoveryオプションが指定されていないと,このコマンドはエラーで終了します。ただし,リストア対象となるストレージグループ内のすべてのインフォメーションストア名を指定すれば,-recoveryオプションを指定しなくてもリストアできます。

コールドバックアップで取得したバックアップを,-recoveryオプションを使用しないでリストアした場合,リストアしたコールドバックアップ以降に取得したバックアップをリストアするときは,-recoveryオプションは使用できません。

-pf コピーパラメーター定義ファイル

コピーパラメーター定義ファイルに定義したリトライ回数とリトライ間隔を使用する場合に指定します。指定する場合は,パスではなくファイル名だけを指定してください。

このオプションを省略した場合は,RAID Manager用連携定義ファイル(DEFAULT.dat)の値が使用されます。コピーパラメーター定義ファイルに記述がされていないパラメーターについても,DEFAULT.datの値が使用されます。

コピーパラメーター定義ファイルは,次の場所に作成します。ファイル名は,64バイト以内の半角英数字で指定してください。

<Application Agentのインストール先>\DRM\conf\raid

-vf VSS定義ファイル名

VSSバックアップ時に使用したVSS定義ファイルを指定します。このオプションは,VSSを使用して取得したバックアップデータをリストアするときにだけ使用できます。VSSを使用して取得したバックアップデータ以外をリストアするときにこのオプションを指定しても無視されます。

VSS定義ファイル名には,ファイル名だけを指定します。フォルダ名は指定しないでください。このオプションで指定するVSS定義ファイルは,下記のフォルダに格納しておく必要があります。

<Application Agentのインストール先>\DRM\conf\vss

このオプションを省略する場合,下記のファイルがVSS定義ファイルとして使用されます。

<Application Agentのインストール先>\DRM\conf\vsscom.conf

VSS定義ファイルの詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Replication Manager Software Application Agent CLI ユーザーズガイド」を参照してください。

-ef Exchange環境設定ファイル

Exchange Serverとの連携に使用するパラメーターをコマンド実行ごとに切り替える場合に指定します。

Exchange環境設定ファイル名には,ファイル名だけを指定します。フォルダ名は指定しないでください。

指定するExchange環境設定ファイルは,次のフォルダに格納します。

<Application Agentのインストール先>\DRM\conf\exchange

このオプションを省略した場合,デフォルト値が使用されます。

Exchange環境設定ファイルの詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Replication Manager Software Application Agent CLI ユーザーズガイド」を参照してください。

注意事項

バックアップカタログの個々のバックアップ情報は,コピーグループをキーに管理されています。バックアップの取り方によっては,副ボリュームにバックアップデータがあっても,リストアできなくなる場合があります。詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Replication Manager Software Application Agent CLI ユーザーズガイド」の,Application Agentを実行するための注意事項を参照してください。

Exchange Server 2003またはExchange Server 2007で,VSSを使用して取得したバックアップデータをインフォメーションストア単位でリストアする場合の注意事項を次に示します。

戻り値

0:正常終了した場合

0以外:エラーが発生した場合

使用例

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